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取材ウラ日記
「ダーウィンが来た!生きもの新伝説」のロケはディレクターとカメラマンの2人きり。耳寄りな情報があれば、砂漠やジャングル、極寒のツンドラ、世界中どこへでも出かけていきます。このコーナーでは、ディレクターの撮影裏話をのせていくことにしました。これを読むと、一味違った番組の楽しみ方ができるかもしれません。
この先はディレクターの個人的見解と誇大な表現が満載です。マユにツバをつけてお読みください。
首都圏のグラウンドとダム湖編 →取材の成果:「オオタカ 街で驚きハンティング」
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名ハンター・オオタカが街に来た!
森にひそむ名ハンター
森にひそむ名ハンター
オオタカはカラスほどの大きさの中型のタカ。体はそう大きくないものの、猛きん類の中でもとりわけ巧みな技を持つハンターだと言われています。でも実のところ、これまでオオタカの狩りを直接観察することはほとんどできませんでした。人間に対する警戒心がとっても強いため、森にひそむように暮らし、姿を見ることすら稀な鳥だったんです。
都心部でも目撃証言
都心部でも目撃証言
そんなオオタカがいま、首都圏の街中で堂々と狩りをしているらしいという話を聞いたのは昨年の秋。情報を提供してくれた動物カメラマンの平野伸明さんとともに、さっそく様々な方面へ聞き込み取材を始めました。すると、「公園の池でカモを襲っている」「大学のキャンパスで小鳥を待ち伏せして狩りをしていた」、競技用のレースバトを飼育している方からは「5年ほど前からオオタカが家の近くに頻繁にやって来て、ハトを襲うようになった」など、狩りの目撃証言が次々と!確かにオオタカは近年、街にいるさまざまな鳥を獲物にしていることがわかってきました。
電光石火の狩りに四苦八苦
鉄塔の上で発見!
鉄塔の上で発見!
狩りの撮影に挑戦した動物カメラマンの平野伸明さん
狩りの撮影に挑戦した動物カメラマンの平野伸明さん
オオタカが現れる頻度や情報の確かさから選んだ撮影地は2ヶ所。首都圏の住宅街にあるグラウンド、そして人造のダム湖です。

しかしひと口に狩りの撮影といっても、簡単なものではありませんでした。緩急自在、巧みな飛行能力を持つオオタカは、瞬時に姿勢やスピードを変えるのが大得意。動きを読んでカメラを振るのが、とっても難しいのです。いきなり急旋回されて見失い、数秒後にはもう獲物を捕まえていた、なんていう事も珍しくありませんでした。この飛行術こそがオオタカの素晴らしい能力なのですが、トリッキーな動きにカメラマンは四苦八苦。しかも一度獲物を捕るとお腹がいっぱいなのか3〜4日は狩りをしなくなるため、撮影は少ないチャンスとの戦いでした。

しかし4ヶ月間毎朝のようにグラウンドに通いつめ、狩りの一部始終を撮ることに大成功! 番組内ではオオタカの華麗な飛行テクニックと緻密な戦略をたっぷりと紹介しています。
白昼堂々・驚きのハンティング
カラスを驚きの逆襲!
カラスを驚きの逆襲!
泳ぎも上手
泳ぎも上手
グラウンドでオオタカの名ハンターぶりを目の当たりにした私たち取材班は、もうひとつの撮影地のダム湖で、さらに衝撃的な狩りに出会います。ここでオオタカが獲物にしているのはなんと、カラス。オオタカと体格的にほぼ互角、しかも頭の良い鳥の代表格です。

オオタカはカラスの性質を逆手に取った巧妙な戦略を使って、この大物を仕留めます。その鮮やかな手口には、長年動物の生態を撮影してきた平野さんもびっくり。これまで森に隠れて見えなかったスゴ技が明らかになります。

今回の取材を通じて出会った方が口々におっしゃっていたのは、「人の見ている目の前でオオタカが狩りをするなんて、ほんの20年前には考えられなかった」という事です。私自身もしたたかに街で狩りをするオオタカの姿を見るたびに、野生動物は環境の変化にもろい一方で、想像以上のしなやかさ、たくましさを秘めているのかもしれないと感じました。
「人鷹一体」!?鷹匠さんとオオタカ
ハンターの風格
ハンターの風格
鋭い爪!
鋭い爪!
今回オオタカの動きをより間近で捉えるため、鷹匠さんのご協力をいただいて、鷹狩りのために飼育されているオオタカを撮影しました。「鷹狩り」というのは猛きん類を訓練して、鳥や獣を捕らえさせる伝統の狩り。「鷹匠」はその技術を持った人たちです。

猛きん類の中でもとりわけ狩りが巧みなオオタカは、古くから鷹狩りで重宝されてきました。間近で見るその風貌はまさにハンターです。鋭い目、鋭いくちばし、そしてネコのように長〜く曲がり、尖った爪。腕に止まらせてもらいましたが、革手袋をつけていても爪が食い込んで痛いほど!この爪でがっしりと獲物を捕らえるんです。
鷹匠さんとオオタカ
鷹匠さんとオオタカ
鷹匠さんによると、鷹狩りで最も大事なのは、「タカと呼吸を合わせること」だそうです。腕に乗せたオオタカが、何を見て何を気にしているかを常に感じながら歩き、オオタカが獲物を発見すると瞬時にタカを放つんだとか。このタイミングが合わないと狩りはうまくいきません。人馬一体ならぬ「人鷹一体」でなければできない狩りなんですね。
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