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 こんにちは!PTハリウッドは終わってしまいましたが、『スタンダード王国』日本では、スタンダードが廃れることはありません。特に日本選手権予選を控えているプレイヤーの皆さんはご自分のデッキの調整・練習に余念がないのではないでしょうか。

 さて、今回の記事ではあまり現在のスタンダードでは目にしないけれども使ってみたらもしかして?というカードにスポットライトを当ててみたいと思います。こういった類のカードはマジックの歴史の中ではいくつも存在しました。例えば《ネクロポーテンス》などは日の目を見るまでにかなりの時間を要しました。1枚100円を切るようないわゆる「紙レア」が突如「神レア」に化けて高騰する、ということも有り得ない話ではありません。

 というわけで、今回の『種』は、《プーカの悪戯》です。

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果たしてどんな花が咲くのか?

 単純にテキストを読んだだけでは、どうもしっくりときません。マナコストを比較して同じかそれ以下ならば交換、という効果なのですが、マナコストが同じだということは、いいかえると当然盤面に与えている影響も普通は等価値ということではないでしょうか?だから、交換しても特に意味は無い、したがって、このカードは使うに値しない、と考えることができるでしょう。

 しかし、このサイトでリミテッド攻略記事を執筆している高橋 優太(注1)は、「このカードは初手クラスに強いのに、結構流れる」と発言しています。この発言からもわかるように、見た目で微妙だと思っているプレイヤーも多いようですが、実際にリミテッドで使ったことのあるプレイヤーならばこのカードのポテンシャルには気付いていらっしゃるのではないでしょうか?

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 コントローラーが誰でも働きます!
 実は、このカードが真価を発揮するのは、《大霊の盾》などのオーラを交換したときなのです!オーラの場合、コントローラーが誰であろうともその効果はオーラがついているパーマネントに及びます。

 例えば《安寧砦の精鋭》《大霊の盾》がついていたとします。もしも《盾》のコントロールが対戦相手に移ったとしても、相変わらず《精鋭》は破壊されない4/4飛行のままなのです。つまり、3マナ以下のパーマネントをただ一方的に奪っているのとかわらないのです。

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自然と思い当たるでしょう 
 それだけではありません。青の得意とするバウンス呪文で元々自分のものだったパーマネントを手札に返せば、半永久的に対戦相手のパーマネントがあなたのものです!コントロール奪取系といえば《誘惑蒔き》が有名ですが、除去されてしまうと奪ったクリーチャーを返さなければならないという弱点があります。

 しかし《プーカの悪戯》の場合は破壊されてもコントロールは変わらないのです。

 さて、リミテッドで強そうなのはわかったところで、構築戦ではどういったアプローチを加えれば良いでしょうか?

 ここで忘れてはならないことが一つ。構築戦では、リミテッドのときのような使い方に加えて新たに「場に出たときには既に仕事が終わっている」パーマネントを利用することが可能です。つまり、場に出たときの能力が大事で残りはおまけといったカードが適任なのです。

 ここまで考えれば自然と《造物の学者、ヴェンセール》《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》に思い当たるでしょう。これらはバウンス能力を持っており、《プーカの悪戯》との相性は、まさに抜群です。自分で交換に出した《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》《造物の学者、ヴェンセール》で手札に返し、同じことを繰り返すと・・・その光景を想像するだけで楽しくなってきます。

 他に入れるべきカードを探してカードリストと睨めっこした結果、以下のようなカードが発見されました。

《プーカの悪戯》と相性の良さそうなカードたち。

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 場に出たときには既に仕事をし、更にコントロールが移っても何の影響もありません。

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 前述の通り、コントローラーが変わろうとも変わらぬ活躍ができます。

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 交換に出しやすいオーラでありながらマナ加速ができ、3ターン目に《プーカの悪戯》を貼ることができるようになります。

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 うまいこと0/1になるまで使い込んでから押し付けてやりましょう(笑)

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 土地を持ってきた後はただの1/1ですので、交換しても問題なし。

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 2枚引いた後、5マナの強力パーマネントを奪え!

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 頑強で帰ってきた後に押し付けても良いですか、3/2のまま交換に出してもそれを倒せば自分の場に帰ってきます。

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 やはり場に出たときには既に用済みです。4マナでもっと強いクリーチャーを頂きましょう。

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 カウンターが0個になっても、次にアップキープを迎えるまで生贄に捧げる必要はありません。カウンターが0個の中古品を差し上げてやりましょう。

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 押し付ければ対戦相手はドローが止められてしまいます。救済策であるはずの「ゲームから取り除かれた」7枚はあなたのデッキのカードですからほとんど対戦相手の役に立つことはないでしょう。

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 分割して支払えて、なおかつ合計6マナで済むのに8マナというコストを持っている上、勝手にいなくなってくれます。便利な奴です。

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 実は10マナだからなんでも奪える!(たぶん)

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一見相性が良さそうだが…

 ルール上注意しなければいけないのは、《プーカの悪戯》で交換するものを選んだ後、能力の解決に対応して、自分が交換に出そうとしているものに《一瞬の瞬き》などをプレイしたりしてしまって場を一度離れてしまうと、交換が不成立になってしまうということです。あくまで2つのパーマネントが対象として適正でなければなりません。

 デッキ構築にあたって、次は《プーカの悪戯》で奪いたい!と思うカードのコストがどれくらいであるかを考えてみましょう。そうすると、意外にコストが低いカードばかりであることに気付かれるかと思います。考えてみれば当然ですが、構築戦においてはカードのマナコストは低ければ低いほどよく使われる傾向にあります。よく使われるカードのうち最も重いカードは《目覚ましヒバリ》といったところでしょう。つまり、こちら側から交換用に6マナ以上のカードを用意しておく必要はほぼないわけです。

 今から構築するデッキのように、2つ以上のカードを組み合わせて大きな効果を狙おうとしている場合、カード選択において大切なのは「単体でも機能するか」ということです。1枚のカードにとらわれて、それに極度に依存してしまっているデッキというのは非常によく見かけます。今回の場合ではつまり、《プーカの悪戯》を引けなくてもある程度以上の活躍が期待できなければならないわけです。

 これを考慮に入れてデッキを実際に作ってみました。

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『Shark Trade』
6《冠雪の島》
3《冠雪の森》
4《樹上の村》
2《アダーカー荒原》
2《ヤヴィマヤの沿岸》
4《秘教の門》
2《反射池》
-土地(23)-

4《根の壁》
4《台所の嫌がらせ屋》
4《熟考漂い》
4《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》
2《造物の学者、ヴェンセール》
2《神秘の蛇》
1《妖精の女王、ウーナ》


-クリーチャー(21)-
4《プーカの悪戯》
4《ルーンのほつれ》
4《忘却の輪》
4《肥沃な大地》
-呪文(16)-
4《突風線》
4《霊魂放逐》
3《テフェリーの濠》
4《原初の命令》
-サイドボード(15)-
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 結局青緑タッチ白という形になりました。

 ここのところ友人たちによく言われることですが、決して無理をして青緑にしているわけではありません。最も強そうだと思えるカードの組み合わせを考えたときに自動的にデッキが青緑になっているだけなのです。

 今回は単体での強さを重視して《コルフェノールの計画》とのコンボは諦めましたが、青黒白などの構成にして《牧歌的な教示者》からコンボを決めに行くという可能性も考えられます。

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頼れるフィニッシャー
 デッキリストを見ると《妖精の女王、ウーナ》だけが浮いてしまっていますが、テストプレイをしてみたところどうも最後のひと押しに欠けるという印象を受けたので投入しました。《プーカの悪戯》のせいで相手は展開がしづらくなることは明らかなのですが、逆に何も展開されないとこちらも攻めづらくなることがありそうだからです。

 《プーカの悪戯》はとにかくパーマネントの処理能力に長けています。《プーカの悪戯》を貼ってしまえば、《タルモゴイフ》だろうが《苦花》だろうが、《野生語りのガラク》でさえも簡単に奪ってしまうことが可能です。そう考えるとパーマネントを展開してくる黒緑エルフなどの真っ直ぐなビートダウンに対しては有利に戦えそうです。

 反面《目覚ましヒバリ》のような重いカードを奪うことは難しく、また、そもそもパーマネントをあまり展開して来ないようなコントロールデッキに対しては不利になりそうです。そういったデッキに簡単に負けないために《ルーンのほつれ》を採用しています。そして、もう一つ懸念されるのは《ウーナの末裔》の存在です。このカードを出されてフェアリー軍団に被覆を付けられてしまうと《プーカの悪戯》がうまく働かなくなってしまうのです。サイドボードから投入される《霊魂放逐》《突風線》などでうまく捌きたいところです。ちなみに自分のデッキにもある程度飛行クリーチャーが入っているため、それらと相性が悪い《雲打ち》は不採用としました。《突風線》ならばX=1でも打てますし。

 デッキ名は『Shark Trade』です。トレードのときにあまりに自分に有利な不公平な交換をすることを「シャーク」と言いますが、今回のデッキではまさにそれが現実に行われるのでこのデッキ名となりました。ここ最近筆者がつけるデッキ名のなかでも非常に分かりやすいものとなっています(笑)

 今回は実際にこのデッキをホビーステーション秋葉原店で行われたMTG店舗大会『コロッセオ』に持ち込んでプレイテストをしてみました。この店は高橋 優太や相澤 恵司(注2)、富井 翼をはじめとする東京圏に住む多くの強豪プレイヤーが参戦することで有名で、毎週火曜日の夕方は非常にレベルの高いスタンダード構築戦が行われています。

 余談ですが、筆者はプレイテストの際にサイドボード込みでの「実戦」を最も重視します。普段の「練習」では時間の問題などからサイドボード込みでの練習は疎かになりやすいのですが、実際の試合ではメインよりもサイドボードが入った試合のほうが多く行われるのですから、どちらが重要かは自明です。それに、実戦のほうがそういった練習よりも自ずと集中して行うことになりますので効果も大きいのです。プレイングミスも印象に残りやすいです。皆さんも自分のデッキを試したいときは、こういった店舗の大会を利用することを強くお勧めします。

実戦開始

 参加者は30人のスイスドロー3回戦。無論、3-0まで駆け抜ける!?

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第1回戦 青白赤ヒバリ

Game1

 先手。

 《肥沃な大地》から3ターン目に《プーカの悪戯》を貼ることに成功し、相手の《冷鉄の心臓》をまずは頂きます。更に《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》《造物の学者、ヴェンセール》でマナを攻め続け、《樹上の村》ともども攻撃してほとんど何もさせないまま勝ちました。

サイドイン 4《霊魂放逐》 1《原初の命令》

サイドアウト 4《忘却の輪》 1《台所の嫌がらせ屋》

 《忘却の輪》は、リムーブすべき対象が少ないので全抜き。バウンスで悪用される危険もありますしね。

Game2

 後手。

 土地が2枚に《肥沃な大地》《根の壁》2枚といった初手をキープしましたが、その後6ターン程全く土地を引かず、1枚の《肥沃な大地》は通ったものの、他をカウンターされてしまい、結局最後は《大いなるガルガドン》に殴り殺されるという形で、負けを喫しました。

Game3

 先手。

 《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》を待機しつつ、続いて《台所の嫌がらせ屋》を召喚して攻勢に出ようとしますが、これには《誘惑蒔き》。こちらは《台所》を追加して突破を図り、待機の明けた《裂け目翼》に対する相手の《造物の学者、ヴェンセール》《ルーンのほつれ》で挫いて奪われた《台所》を取り戻してひたすら攻めます。結局《樹上の村》が強い展開になり、相手の《目覚ましヒバリ》《霊魂放逐》で打ち消すことに成功したため殴りきることができました。

結果 2-1 勝利

2回戦 青黒フェアリー(高橋優太)

 なんと2回戦の対戦相手はGP静岡を制したフェアリー使いである高橋優太!この記事について話すと、少しテンションが上がった様子でした。

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Game1

 先手。

 マリガン後ながら《肥沃な大地》《プーカの悪戯》に土地が2枚を含むという初手。一方相手は1ターン目に《祖先の幻視》、2ターン目に《苦花》という必勝パターンで来ました。

 こちらは3ターン目に《プーカの悪戯》を置くことができ、《苦花》を奪いにかかりますが・・・ここは《ウーナの末裔》が立ちはだかり失敗。次のターンになんとか《台所の嫌がらせ屋》《ウーナの末裔》を奪おうとしたのですが、《霧縛りの徒党》でこの目論見も砕かれてしまって負けとなりました。

 ゲーム終了後、彼はGP優勝時に見せたあの爽やかな笑顔でこう言い放ちました。

高橋 「こんなに気持ちいいまわりしたの久しぶりだよ」

サイドイン 3《霊魂放逐》 4《突風線》

サイドアウト 4《忘却の輪》 2《神秘の蛇》 1《妖精の女王、ウーナ》

Game2

 先手。

 相手はダブルマリガン。再び《肥沃な大地》からの《プーカの悪戯》で、相手が2ターン目に設置した《苦花》を狙いますがまたしても《ウーナの末裔》に阻まれます。しかしこの《ウーナの末裔》《悪戯》で奪い、更に《造物の学者、ヴェンセール》《悪戯》の再利用をはかります。その後相手は2枚目の《苦花》《やっかい児》と繰り出してきたのですが、《苦花》《プーカの悪戯》で奪い、相手の《霧縛りの徒党》《霊魂放逐》しつつ最後は相手の手札が尽きたところを《突風線》で勝負あり。

Game3

 1マリガン後の初手は《根の壁》《肥沃な大地》《造物の学者、ヴェンセール》に土地が3枚というもの。これをキープすると相手は1ターン目に《祖先の幻視》待機から《思考囲い》《造物の学者、ヴェンセール》を落としてきました。こちらは最初のドローで《台所の嫌がらせ屋》を引いたのですが、そこからはこちらは引けども引けども土地ばかり。《樹上の村》《台所の嫌がらせ屋》でダメージだけは稼ぎに行きますが、これも《やっかい児》を覇権した《霧縛りの徒党》に防がれてしまいました。なんとか《熟考漂い》を引けたのでこれをプレイしましたが当然カウンターされ、そこからは結局何も引かないまま負けてしまいました。いわゆるマナフラッド、よくあるよくある。

結果 1-2 敗北

3回戦 緑黒エルフ

 これでなんとエルフ・ヒバリ・フェアリーといわゆる3大メタ全てに当たったことになりました。これはこれで珍しいことです。

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Game1

 先手、マリガンながらまたしても《肥沃な大地》からの《プーカの悪戯》に成功。本当にこの動きは強いです。相手の《タルモゴイフ》を奪い、更にこれと《野生語りのガラク》のトークンを交換して《台所の嫌がらせ屋》《ガラク》に攻撃、という序盤の展開。その後は結局《プーカの悪戯》で完全に場を制圧したまま勝利しました。

サイドアウト 3《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》 2《神秘の蛇》

サイドイン 3《テフェリーの濠》 2《原初の命令》

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 後手。

 相手の先手2ターン目のアクションはなんと《苦花》!これは《忘却の輪》で対処しましたが、すぐに2枚目を貼られてしまいます。更にこちらは土地が4枚で止まってしまい、手札で《テフェリーの濠》2枚が泣いているという状況に。《傲慢な完全者》がうみだすトークンと《苦花》のフェアリートークンに攻撃され、更に《叫び大口》まで追加されてピンチに。しかしこの後なんとか5マナ目に到達し、《テフェリーの濠》2枚(指定は緑と黒)から逆転を図ります。ライフが残ったので《原初の命令》《妖精の女王、ウーナ》をサーチし、トークンも押さえ込むことに成功、更に《プーカの悪戯》で相手が出してきた《野生語りのガラク》(忠誠4)を奪って《踏み荒らし》されるのを防いだ!といったところでやっぱり引かれた《不敬の命令》。ですよねー。あと一歩というところで敗北でした。

サイドアウト 1《テフェリーの濠》

サイドイン  1《原初の命令》

《苦花》を出されてしまっては《テフェリーの濠》は弱いので、枚数を減らしました。

Game3

 先手。

 マリガン後、緑マナがないものの《プーカの悪戯》《根の壁》という初手をキープ。しかし早速《思考囲い》《プーカの悪戯》を落とされ、更に《苦花》も貼られます。緑マナはなんとか引けたものの、《悪戯》を失ってしまったため《苦花》への対処手段がありません。仕方なく、《原初の命令》から《妖精の女王、ウーナ》に辿りつきましたが、相手が残していた1枚のカードは言うまでも無く《不敬の命令》、それもX=5。《ウーナ》を除去され、ライフも落ち込んでいたので、そのまま殴りきられてしまいました。

結果 1-2 敗北

 今回のコロッセオは結果だけ見ると1-2という非常に不本意な結果に終わってしまいました。若干不運な部分もある気もしますが、敗因をそれだけで片付けてはなりません。冷静に振り返ってみると、《プーカの悪戯》がしっかり働いているゲームではやはり勝利を収めているように思えます。

 ですので、もっと確実に《悪戯》にアクセスするべく、例えば《牧歌的な教示者》を投入すべきだというように思えました。

 次にこのデッキを使って大会に出るとするならば、以下のような改良をします。

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『Shark Trade』改良型

6 《冠雪の島》
3 《冠雪の森》
4 《樹上の村》
2 《アダーカー荒原》
2 《ヤヴィマヤの沿岸》
4 《秘教の門》
2 《反射池》
-土地(23)-

4《根の壁》
4 《台所の嫌がらせ屋》
4 《熟考漂い》
4 《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》
2 《造物の学者、ヴェンセール》
1 《妖精の女王、ウーナ》


-クリーチャー(19)-
4 《プーカの悪戯》
4 《ルーンのほつれ》
3 《忘却の輪》
4 《肥沃な大地》
2 《牧歌的な教示者》
1 《テフェリーの濠》
-呪文(18)-
4 《突風線》
3 《霊魂放逐》
1 《テフェリーの濠》
4 《原初の命令》
1 《忘却の輪》
2 《神秘の蛇》
-サイドボード(15)-
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メインボード

+2《牧歌的な教示者》 +1《テフェリーの濠》
-2《神秘の蛇》 -1《忘却の輪》
サイドボード

-2《テフェリーの濠》 -1《霊魂放逐》
+1《忘却の輪》 +2《神秘の蛇》

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 《プーカの悪戯》にアクセス!

 《教示者》の投入により、いわゆる「シルバーバレット(注3)」戦術が取れるようになりました。メインボードから投入された《テフェリーの濠》がエルフに対して強烈に刺さるのは言うまでもないでしょう。勿論、《プーカの悪戯》を持っているならば《忘却の輪》にアクセスすることもできます。

 今回のデッキを使って思ったもう1つの改良点としては、ソーサリータイミングでの動きが多いように感じたので、《神秘の蛇》はサイドボードに引っ込んでもらうことにしました。各種コントロールデッキに対しては非常に有効なのでこの場所が適正そうです。

このように、実戦を経験するとデッキには様々な改良点が見えてきます。是非、皆さんもこういった大会に参加して、自分のデッキをチューンアップしてください。ひょっとすると、あなたにしか見えない何かが発見できるかもしれません。そうすれば、いつしかデッキの種は大きな花を咲かせるでしょう。

 それでは良い週末を!


(注1)高橋優太 

 2007年PTサンディエゴ準優勝から頭角を現し、最近ではGP静岡もフェアリーデッキで制した「不屈のストイシズム」。彼よりマジックを愛している人間を私は知りません(笑)

(注2)相澤恵司

 本人の都合上PT等にはここの所参加できないものの、その実力は確かな関東の草の根大会の常連。エルフデッキにおける《護民官の道探し》に早くから着目し、今の黒緑エルフの原型を作った強豪である。

 通称「スタンダードの貴族」。

(注3)シルバーバレット

 《牧歌的な教示者》《神秘の指導》といった、特定のカードをサーチできるカードをデッキにいれ、1枚ずつ入れた特定のデッキへの対策カードへとアクセスすることで、対応力を上げるデッキ構築のテクニック。

 語源は、致命的な弱点の代名詞である「銀の弾丸」から。


face清水 直樹(しみず・なおき)

 プレイヤーとして日本選手権やGP京都でのトップ8入賞経験を持つ一方で、ライター活動にも精力的な関東の若手デュエリスト。国内はもちろん、海外のウェブサイトへの寄稿経験を持つ稀有な存在。

 また、独創的なデッキを構築するビルダーとしても有名。特に、青緑のカラーコンビネーションを軸としたデッキを好んで構築するため、青緑ギルドにちなんだ「シミックの王子」の二つ名で知られている。

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