経済

文字サイズ変更
ブックマーク
Yahoo!ブックマークに登録
はてなブックマークに登録
Buzzurlブックマークに登録
livedoor Clipに登録
この記事を印刷

ローソン:am/pm買収交渉決裂 コンビニ再編は進行か

 コンビニエンスストア2位のローソンによる同7位のエーエム・ピーエム・ジャパン(am/pm)の買収交渉が決裂したことで、今後はam/pmの新たな売却先が焦点になる。ローソンも国内市場が飽和するなか、規模拡大による成長戦略を描いており、コンビニ業界再編の動きは今後、形を変えて実現する可能性が高い。

 am/pmの親会社であるレックス・ホールディングスは今後、新しい売却先探しを始める。傘下の焼き肉店「牛角」とスーパー「成城石井」に経営資源を集中する方針で、異業種も含めて売却先の選定を急ぐとみられる。ただ、今後も商標問題が交渉の障害になる可能性があり、難航が予想される。

 一方、約8600店を展開するローソンは、来春をメドにam/pmを合併して計1万店超のチェーンとなり、首位のセブン-イレブン・ジャパン(1万2000店超)に迫る戦略だった。交渉が決裂したことで、成長戦略の修正を余儀なくされる。

 コンビニ業界で成長を続けるには一層の規模拡大は至上課題だ。しかし、国内ではすでに出店余地は限られ、合従連衡による規模拡大は有力な選択肢となる。新浪剛史社長も「コンビニがどんどん出店する時代ではもはやない」と話しており、新たな再編を模索する可能性が高い。

 主要コンビニチェーンの既存店売上高は、00年から8年連続で前年実績割れが続いている。現在は、たばこ自販機用成人識別カード「タスポ」を持たない喫煙者の来店が増える「タスポ効果」で各社とも好調だが、今夏には効果が一巡し、「勝ち組負け組の差が広がる」(大手コンビニ首脳)のは必至だ。

 am/pmは、無理な出店攻勢や競争激化で業績が悪化し、07年12月期に債務超過に陥った。レックスは04年にam/pmを傘下に入れたが、経営再建は難しいとみて、昨秋からローソンと売却交渉を進めており、新たな支援先探しは時間との戦いになる。【秋本裕子】

毎日新聞 2009年5月19日 21時20分

検索:

経済 アーカイブ一覧

 

特集企画

おすすめ情報