韓国でモバイル決済普及が進まないワケ(上)

韓国ではほとんどがアクティブXに依存

マイクロソフトもアップルもモバイルではサポートせず

 インターネット書店のアラディンは昨年末、アイフォンをはじめとするスマートフォン(パソコン機能を備えた多機能携帯電話端末)から書籍を注文するケースを想定し、モバイル向けの決済システムを構築した。しかしそれから1カ月もしないうちに、大手カード会社2社が決済を拒否した。韓国でオンライン決済を行う際に標準となっている「公認認証方式」が使われていないことに不安を感じたのがその理由だ。

 韓国最大のオンラインショッピングモール「オークション」では、今もアイフォンを通じて商品を購入することができない。オークションもやはり、通常オンラインで使われている公認認証方式をアイフォンに適用できないため、新たな決済セキュリティーシステムを構築するまでは実現の見通しはない。

 アイフォンをはじめとするスマートフォンの利用が増えているが、商取引決済面でのセキュリティー問題が、モバイルバンキング普及の足かせになっている。韓国の公認認証決済システムは、ほぼ100%がマイクロソフトのアクティブXを基盤としているが、モバイル環境ではアクティブXがサポートされていない。また、銀行などの金融機関でも安定性に疑問が残るという理由で、新たな決済方式の導入をためらっている。

効率性の高いアクティブXへの依存が足かせに

 公認認証方式による決済システムをスマートフォンで活用できないのは、公認認証書技術の基盤となっているマイクロソフトのアクティブXが、スマートフォンではサポートされていないからだ。スマートフォンのオペレーティングシステムはアイフォンと互換性がない上に、マイクロソフトも「アクティブXがウイルスの拡散に悪用される恐れがある」として、スマートフォンではアクティブXをサポートしていない。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る