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書評
※日曜朝刊より転載

  • 宇宙飛行士オモン・ラー 2010年8月23日
    ヴィークトル・ペレーヴィン 尾山慎二   価格:¥1575 (本体¥1500+税)
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     小説を読んでいてここまで興奮したのは久しぶりだ。日本ではロシアの村上春樹として紹介されているペレーヴィンだが、似ているのは純文学と大衆文学の垣根を壊した、というところまでである。グロテスクなほどのパ ...[全文へ]

  • 山で見た夢 2010年8月23日
    勝峰富雄   価格:¥2730 (本体¥2600+税)
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     「ある山岳雑誌編集者の記憶」という副題に不思議な感触を持った。「記憶」という言葉の使い方がどこかふつうではない。日本の山であれば岩登りから冬山まで、ひととおり高度なアルピニズム的な登山を体得し、長年 ...[全文へ]

  • ヴェルサイユ宮殿に暮らす 2010年8月23日
    ウィリアム・リッチー・ニュートン 北浦春香   価格:¥2520 (本体¥2400+税)
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     物事にはすべて表と裏がある。とはいえ、あの優雅なヴェルサイユ宮殿に悲惨な“舞台裏”があったことを想像できるだろうか。 ...[全文へ]

  • ゴキブリだって愛されたい 2010年8月23日
    メイ・R.ベーレンバウム   価格:¥2310 (本体¥2200+税)
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     「このウジ虫め」とか「虫けら同然の奴ら」というふうに、虫愛(め)ずる姫君ならざる私たちは虫(正式には節足動物)について良いイメージを持っていない。そして、知らず知らずのうちに虫に対する偏見や決めつけ ...[全文へ]

  • 牛肉安全宣言 2010年8月23日
    唐木英明   価格:¥1680 (本体¥1600+税)
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     2001年に日本でBSE(牛海綿状脳症)が発生してから現在に至るまでの混乱を、獣医学者であり食の安全を科学的に判定する食品安全委員会のメンバー、そして学術界の国会と言われる学術会議の副会長でもある筆 ...[全文へ]

  • ゼロから始める都市型狩猟採集生活 2010年8月23日
    坂口恭平   価格:¥1260 (本体¥1200+税)
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     本書のキーワードは「都市の幸」である。著者は海の幸、山の幸と同様、都市にもおのずとわき出る「幸」があると主張する。日々、排出されるゴミだ。その恩恵にうまくあずかることができれば、何も持たず、着のみ着 ...[全文へ]

  • ズルい言葉 2010年8月23日
    酒井順子   価格:¥1365 (本体¥1300+税)
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     「ある意味」「いまどこ?」「おバカ」「嫌いじゃない」「コラーゲンたっぷり」「今度、ごはんでも」「次につなげる」。私たちが最近よく耳にする、そして自分でもときどき使っているに違いない四十五種類の言葉( ...[全文へ]

  • 文学のレッスン 2010年8月23日
    丸谷才一   価格:¥1575 (本体¥1500+税)
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     丸谷才一・湯川豊という望みうる最強のコンビによる、実に息の合った文学閑談、いや文学概論。短編小説から詩にいたる文学の各ジャンルを話の種に、博識この上ないご隠居の高説を拝聴するという段取りだが、このイ ...[全文へ]

  • ウメップ 2010年8月23日
    梅佳代   価格:¥2100 (本体¥2000+税)
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     いかなる“惨事”が起きたのか? 一斉にわんわん泣き出す女の子たち。当人たちには気の毒だが、この表紙を飾るカットからして微苦笑を禁じ得ない。おかしな瞬間を切り取る若きスナイパー、梅佳代(うめかよ)の新 ...[全文へ]

  • ヘコむな、この10年が面白い! 2010年8月23日
    小寺圭   価格:¥1500 (本体¥1429+税)
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     著者はソニーの国際販売の現場で30年間、ライバルと競争してきた。その経験から、日本と日本企業が生き残る道を提案する。日本はすでにモノ作りで世界に後れを取っており、今後は技術開発などに特化し、モノを作 ...[全文へ]

  • 心がぽかぽかするニュース 2009 2010年8月23日
    日本新聞協会   価格:¥1050 (本体¥1000+税)
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     昨年1年間の全国の新聞記事から、読んで幸せになったと読者から反響があった記事69を収録。野宿者に寝袋を配り歩く会社社長、赤ちゃんの命を救うため医師をパトカーで運ぶことを決めた警察官……。「世の中捨て ...[全文へ]

  • 乙女の密告 2010年8月16日
    赤染晶子   価格:¥1260 (本体¥1200+税)
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     京都の外国語大学。風変わりなドイツ人教授から「乙女」と呼ばれる女学生たちは『アンネの日記』を教材にドイツ語を学び、きたるスピーチコンテストに向け「一九四四年四月九日」の暗誦(あんしょう)の特訓に励ん ...[全文へ]

  • 幻の甲子園 2010年8月16日
    早坂隆   価格:¥1680 (本体¥1600+税)
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     驚いた。戦時下で中止だったはずの昭和一七年に甲子園で野球大会が開催されていた! ...[全文へ]

  • 歴史と記憶の抗争 2010年8月16日
    ハリー・ハルトゥーニアン カツヒコ・マリアノ・エンドウ   価格:¥5040 (本体¥4800+税)
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     日本は調和の国である、という『菊と刀』におけるルース・ベネディクトの本質論に、ハルトゥーニアンは真っ向勝負を挑む。これだけ長い歴史を通じて同じ本質を保ち続けるわけがないだろう。明治維新も太平洋戦争も ...[全文へ]

  • 小さいおうち 2010年8月16日
    中島京子   価格:¥1660 (本体¥1581+税)
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     バージニア・リー・バートンの「ちいさいおうち」という絵本を子供の頃に読んだ記憶がある。かわいい絵本と同じ表題に私は油断していたようだ。この本を読み終えて、しばらく呆然(ぼうぜん)としてしまった。主人 ...[全文へ]

  • 昭和二十年夏、女たちの戦争 2010年8月16日
    梯久美子   価格:¥1785 (本体¥1700+税)
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     この季節になると戦記物が多く出版されるが、戦争の悲惨さを現在に伝えるという切り口のものが多い。それは正しいことなのだが、ともすると息苦しく目を背けたくなることもあろう。本書は悲惨さではなく、戦時中で ...[全文へ]

  • 魂の流木 2010年8月16日
    マイケル・S.コヤマ   価格:¥1575 (本体¥1500+税)
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     実話にもとづいた自伝小説。主人公の文治(ふみはる)は1934年、バンコクで日本人の実業家の父とタイ人の母の間に生まれる。母は彼を産んで間もなく、この世を去る。43年、ビルマのイギリス軍を支援したかど ...[全文へ]

  • 海水浴と日本人 2010年8月16日
    畔柳昭雄   価格:¥2310 (本体¥2200+税)
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     明治の海水浴といえば、縞(しま)模様の「シマウマ」水着を思い出す。あの水着はいつ登場したのか、その前は何を着て泳いだのか。本書は、意外に知られていない日本の海水浴の歴史をたどったものだ。 ...[全文へ]

  • 「国民歌」を唱和した時代 2010年8月16日
    戸ノ下達也   価格:¥1785 (本体¥1700+税)
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     「海ゆかば」は軍歌か。いや、日本放送協会の作った、昭和12年の国民精神総動員運動用の宣伝歌だ。 ...[全文へ]

  • 山田脩二日本旅1961ー2010 2010年8月16日
    山田脩二 大崎紀夫   価格:¥3570 (本体¥3400+税)
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     写真は1999年の横浜みなとみらい21。高層ビルの前景には古びた艀(はしけ)がひしめいている。新旧入り交じった同様の景観は、70年の神戸や77年の東京・新橋の写真にも見られる。 ...[全文へ]

  • おひとりさま介護 2010年8月16日
    村田くみ   価格:¥1575 (本体¥1500+税)
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     2年前に母が倒れ、突然の「介護生活」に直面した週刊誌記者による実体験ルポ。「これさえ読めば安心!」と帯にある通り、介護サービスの利用法から施設の選び方、仕事との両立まで、すぐに役立つアドバイスが満載 ...[全文へ]

  • ヨーロッパ「ケルト」紀行 上巻(島編) 2010年8月16日
    武部好伸   価格:¥1890 (本体¥1800+税)
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     ヨーロッパの基層文化の一つである「ケルト」を求めてスコットランドから東欧まで10年をかけて遺跡や行事を訪ねた。その旅の成果を元新聞記者が274枚のカラー写真で紹介する。上巻は島編、下巻は大陸編。旅の ...[全文へ]

  • 日本人へ 2010年8月2日
    塩野七生   価格:¥893 (本体¥850+税)
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     「文芸春秋」に連載された文章を集めた二冊である。国民的作家の誉れ高い名うての歴史小説家が、歴史を分析する作業を通じて入手したあまたの叡智(えいち)とに、日本人に注意を喚起し、叱咤(しった)する書であ ...[全文へ]

  • 不運の方程式 2010年8月2日
    ピーター・J.ベントリー 三枝小夜子   価格:¥1575 (本体¥1500+税)
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     「今日は朝からついてないなー」と思うことが時々ある。カミソリで頬(ほお)を傷つけたり、財布と定期券を置き忘れて家を出たり、というちょっとしたことだ。そんな日に限って、ウイルスメールが飛び込んできたり ...[全文へ]

  • 夕暮の緑の光 2010年8月2日
    野呂邦暢 岡崎武志   価格:¥2730 (本体¥2600+税)
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     なにより野呂邦暢は光の作家である。たとえばヘルダーリンの「しかし汝、汝は生れた/澄んだ日の光のために」という二行を読んだとたん、見慣れた高円寺駅周辺は別世界に変わってしまう。それは、おなじくヘルダー ...[全文へ]

  • 宗教とは何か 2010年8月2日
    テリ・イーグルトン 大橋洋一 小林久美子   価格:¥2520 (本体¥2400+税)
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     先鋭なマルクス主義批評家として知られるイーグルトンが、なぜいま宗教を論じるのか。二〇世紀が科学技術の世紀であるならば、二一世紀は宗教の世紀ともいえる。具体的には、宗教原理主義の台頭、新興宗教の隆盛、 ...[全文へ]

  • 終わらざる夏 2010年8月2日
    浅田次郎   価格:¥1785 (本体¥1700+税)
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     戦争末期、召集令状一枚で引っ張られた三人の男たちがソ連国境の占守(シュムシュ)島に向かった。一人目は45歳の洋書を翻訳する出版社の編集長である。彼は万年筆より重いものを持ったことがなかった。二人目の ...[全文へ]

  • ええもんひとつ 2010年8月2日
    山本兼一   価格:¥1500 (本体¥1429+税)
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     時代は幕末。舞台は京都三条の「とびきり屋」。壺(つぼ)や茶碗(ちゃわん)、扇やかんざし、書画などを売買する道具屋だ。主人公は、若い店主の「真之介」と妻の「ゆず」。真之介は実直な商人。金持ちの屋敷を訪 ...[全文へ]

  • 20世紀断層 1 2010年8月2日
    野坂昭如   価格:¥8820 (本体¥8400+税)
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     センチメンタルな感動とやらに包まれた物語なぞ、今までもこれからも出逢(あ)うことは自分にはあり得ない、ちゃらちゃらした恋愛話も飽きたと思う読者なら、ぜひ野坂昭如を。 ...[全文へ]

  • 生物多様性とは何か 2010年8月2日
    井田徹治   価格:¥756 (本体¥720+税)
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     地球上で確認されている生物は180万種。そのうち2008年に絶滅危惧(きぐ)種として挙げられたものは4万5千近くに上る。大したことないじゃないか、と思う方もいるかもしれない。しかしポール・エーリッヒ ...[全文へ]

  • 七つめの絵の具 2010年8月2日
    伊勢英子   価格:¥1470 (本体¥1400+税)
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     絵本作家で画家である、いせひでこさんが二十年間にわたり綴(つづ)ってきたエッセイ集。 ...[全文へ]

  • 盲いた黄金の庭 2010年8月2日
    吉増剛造   価格:¥4725 (本体¥4500+税)
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     写真というものの大半は、何らかの意図を持って撮られている。しかし、吉増剛造氏の写真は、意図も目的も構図も排し、被写体さえも選ばない。撮り終わったフィルムの上に、さらに写真を撮り重ねるのだが、そこに写 ...[全文へ]

  • 政治は文化に奉仕する 2010年8月2日
    中曽根康弘 松本健一   価格:¥1365 (本体¥1300+税)
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     憲法9条から日本人の精神性までを縦横に語る。西田哲学を読んできた老政治家の「権力は文化に奉仕するもの」との政治観は、現役政治家からはなかなか聞けない貴重なもの。返す刀で、漫画、アニメの国立殿堂構想を ...[全文へ]

  • 表象と批評 2010年8月2日
    加藤幹郎   価格:¥2940 (本体¥2800+税)
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     映画批評家による大衆表象の批評集。ヒチコックの「レベッカ」から、楳図かずおの恐怖漫画まで、身近な作品の芸術性を浮かび上がらせる。善悪二元論に基づく古典的な西部劇の世界観を破壊したイーストウッド作品の ...[全文へ]

  • ぼくはこうやって詩を書いてきた 2010年7月26日
    谷川俊太郎 山田馨   価格:¥2940 (本体¥2800+税)
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     詩人の谷川俊太郎が、自身の詩集と詩について、信頼する編集者の山田馨に向かって語る。未発表の詩や『二十億光年の孤独』『六十二のソネット』等初期の詩集にはじまり、最近の『トロムソコラージュ』などまで、ふ ...[全文へ]

  • 図書室からはじまる愛 2010年7月26日
    パドマ・ヴェンカトラマン 小梨直   価格:¥2310 (本体¥2200+税)
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     舞台はイギリスの植民地支配下にあるインドのボンベイ。主人公はカースト最上層の裕福な家庭に生まれ、何不自由なく育った一五歳の快活な少女ヴィドヤ。しかし、街の施設には「インド人と犬はお断り」との看板が掲 ...[全文へ]

  • 情報社会の倫理と設計 倫理篇 2010年7月26日
    東浩紀 濱野智史   価格:¥2940 (本体¥2800+税)
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     聞き慣れぬ書名は「情報社会の倫理と設計についての学際的研究」の略称。二〇〇四年から約二年間にわたり存在した研究会が残した議事録を「設計篇(へん)」「倫理篇」に分け、新たに収録した共同討議と併せ編纂( ...[全文へ]

  • シューマンの指 2010年7月26日
    奥泉光   価格:¥1680 (本体¥1600+税)
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     平野啓一郎は『葬送』でショパンその人を正面から描いた。が、奥泉光は、ショパンと同じ1810年生まれのシューマンの生誕200年に書き下ろしたこの小説で、ドイツ・ロマン派の大作曲家その人を、表向きは描か ...[全文へ]

  • サイキック・ツーリスト 2010年7月26日
    ウィリアム・リトル 服部真琴   価格:¥2310 (本体¥2200+税)
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     社会人としてのマナーの手引に、避けるべき話題として「政治」「宗教」「野球」という項目が挙げられているのを目にしたことがある。これはその人の基盤を形成する大切なものだからこそ、あえて議論を避けるためだ ...[全文へ]

  • 絆と権力 2010年7月26日
    アンヘル・エステバン ステファニー・パニチェリ 野谷文昭   価格:¥2415 (本体¥2300+税)
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     コロンブスが「発見」したカリブ海の真珠。キューバはその形から「緑のオオトカゲ」とも呼ばれる。日本の三分の一の面積に一千万人が住む人種混合の陽気な社会主義国。巨人アメリカの喉元(のどもと)で半覚醒(か ...[全文へ]

  • 外務省革新派 2010年7月26日
    戸部良一   価格:¥924 (本体¥880+税)
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     「外務省革新派」とは、満州事変をきっかけとして生まれた、日本外交の刷新を求める少壮外交官の政治グループのことである。近代日本外交のもっとも正統的な対英米協調路線を批判する彼らは、独伊に接近しながら軍 ...[全文へ]

  • 文士厨房に入る 2010年7月26日
    ジュリアン・バーンズ 堤けいこ   価格:¥2520 (本体¥2400+税)
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     最近、料理をする男子が増えているようだが、文士が厨房(ちゅうぼう)に入るとどうなるか。本書は『フロベールの鸚鵡(おうむ)』の著者によるイギリス流のウィットに富む料理エッセイだ。 ...[全文へ]

  • きのこる 2010年7月26日
    堀博美   価格:¥1680 (本体¥1600+税)
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     きのこライターを名乗る著者が記す、様々な角度からきのこを楽しむための1冊。文学で、きのこはどう描かれたか。きのこをテーマにした音楽にはどんなものがあるのか。個性豊かなきのこキャラクターや、外国語でき ...[全文へ]

  • ウォーホルの芸術 2010年7月26日
    宮下規久朗   価格:¥882 (本体¥840+税)
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     大衆的欲望を反映したポップアートの旗手は、容易に実像をつかませない。あたかも鏡のごとく、語り手の側が見たい美術家像をそっくり映し出す。その難しさを知るがゆえだろう、かつて大規模な回顧展に携わった著者 ...[全文へ]

  • 競争の作法 2010年7月20日
    斉藤誠   価格:¥777 (本体¥740+税)
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     2008年9月のリーマン・ショック以後、日本経済が低迷し続ける本当の理由は何か。筆者は、ショックの大きさよりも、それに先立つ、02年から07年の「戦後最長の景気回復」で作り上げられた日本経済の体質に ...[全文へ]

  • 大気を変える錬金術 2010年7月20日
    トーマス・ヘイガー 渡会圭子   価格:¥3570 (本体¥3400+税)
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     神社の注連縄(しめなわ)には、束にして縒(よ)った藁(わら)に稲妻状に切った紙垂(かみしで)が下がっている。イネに稲妻が当たっている状況を模し、豊作を祈念したものである。ではなぜ稲妻なのか? 雷に伴 ...[全文へ]

  • ハンナ・アレントの政治理論 2010年7月20日
    川崎修   価格:¥3570 (本体¥3400+税)
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     ハンナ・アレントは一筋縄ではとらえがたい思想家である。いわば乱反射する多面体のごとく、切り口によって多様な顔をのぞかせる。角度に応じてその顔つきは、共和主義、普遍主義、モダニズム、行動主義(アクティ ...[全文へ]

  • 一週間 2010年7月20日
    井上ひさし   価格:¥1995 (本体¥1900+税)
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     井上ひさし最後の長篇(ちょうへん)は彼の小説の見事な達成点である。急逝した故人に配慮した評ではない。まずは他の長篇にはない強い緊迫感。 ...[全文へ]

  • 悪貨 2010年7月20日
    島田雅彦   価格:¥1680 (本体¥1600+税)
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     この文章は書評であるのでのっけから面白かったと書いてしまうとそれから後が続かない、そもそもここで紹介する本はすべて面白いのが当然なのだからその面白さをそのまま言わずにあれこれと筆を尽くすのが仕事なの ...[全文へ]

  • 近世の仏教 2010年7月20日
    末木文美士   価格:¥1785 (本体¥1700+税)
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     鈴木正三(しょうさん)(1579〜1655)は「世法はすなわち仏法」、社会的な職務を果たすとは、仏道の修行に他ならない、と説いた高名な禅僧である。島原の乱の後の天草代官となった弟の重成に招かれ、寺院 ...[全文へ]

  • 日本の医療制度 2010年7月20日
    長坂健二郎   価格:¥3990 (本体¥3800+税)
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     かつて英国に駐在していた時、治療費は原則無料、という国民医療制度には感心した。だがこの制度、いいことばかりではない。タダだけあって患者は多く、入院や手術は順番待ちになる。待機中に病気が悪化したり、亡 ...[全文へ]

  • 戦時下の経済学者 2010年7月20日
    牧野邦昭   価格:¥2205 (本体¥2100+税)
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     贅沢(ぜいたく)は敵だ! 戦時期日本のスローガンである。では味方は? 我慢だろう。 ...[全文へ]

  • Build the Future 2010年7月20日
    西澤丞   価格:¥2940 (本体¥2800+税)
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     未来的なイメージならばSF映画やアニメにあふれているだろう。では、未来はどこにあるのか。いままさに、ここで作られていると本写真集は指し示す。 ...[全文へ]

  • それでもタバコを吸いますか? 2010年7月20日
    松沢成文 笹川陽平   価格:¥971 (本体¥925+税)
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     今年4月から「受動喫煙防止条例」が施行された神奈川県の松沢知事。たばこの価格を1箱1000円に、と呼びかけているのが日本財団の笹川会長。その2人が喫煙の問題点を指摘し合う。たばこは火災原因の第3位で ...[全文へ]

  • 地上の見知らぬ少年 2010年7月12日
    ジャン・マリ・ギュスターヴ・ル・クレジオ 鈴木雅生   価格:¥2940 (本体¥2800+税)
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     ノーベル文学賞受賞から一年半がたち、ル・クレジオの作品の日本語への新たな媒介が一気に加速しはじめた。まず、いままで翻訳のなかった、一九七〇年代後期のル・クレジオ文学の転換点を示す傑作『地上の見知らぬ ...[全文へ]

  • ポストパンク・ジェネレーション 2010年7月12日
    サイモン・レイノルズ 野中モモ 新井崇嗣   価格:¥3675 (本体¥3500+税)
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     字義通りにとれば、英国を中心に一九七八年から八四年にわたるパンク・ロック以降のポピュラー音楽の展開を追ったマニア向けの一冊ということになるのだろう。が、そういう読み方に終始するなら、本書の魅力は半減 ...[全文へ]

  • ハンターズ・ラン 2010年7月12日
    ジョージ・R.R.マーティン ガードナー・ドゾア ダニエル・エイブラハム   価格:¥1050 (本体¥1000+税)
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     まず世界観が素晴らしい。人類が宇宙に飛び出てみたら、宇宙はすでに幾つもの異種属に征服されていて、人類の入り込む隙間(すきま)がなかったこと。こうなると人類は、辺境の惑星を細々と開発するしかない。つま ...[全文へ]