編集局長 手控え帳
新聞づくりの話から身の回りのよしなしごとまで、あれやこれやの雑記ノート
(13)なにか一つ、輝けるもの
朝の駅頭で、小学生の男児が2人、大きな声で話していた。
「おい、見たか?」「うん、見た」
話題は日本が決勝トーナメント出場を決めたサッカーW杯のテレビ中継のことだ。
久々に日本が熱狂した一戦だった。本田の無回転キックも遠藤の大きく曲がる球もすごかったけれど、もっとも印象的だったのはダメ押しの3点目を奪った岡崎の姿だった。
兵庫出身選手への身びいきではない。相手ディフェンスの後ろでパスを受け、ゴールにけりこんだ。その瞬間、ああ岡崎らしい、と思ったのだ。
いつだったか、彼はこんな話をしていた。
「僕は、足は遅いし、背も低い。だから、なにか一つ、輝けるものを持ちたい」
身長173センチ、70キロ。決して恵まれた体格ではない彼は、この世界で生きていく道を懸命に考えた。その末にたどり着いたのが「裏を狙う」だった。
敵ディフェンスの裏へ切れ込む。それもディフェンスが戻るのよりほんのわずかに早く。そこでパスを受け、果敢にシュートを放つ。これが彼流の「輝くもの」である。
3点目は絵に描いたような「裏を狙う」ではなかったが、大男たちの背後でボールを待ち構えているあたりが、いかにも岡崎。
泥臭い。しかし、執念が漂う。
それにしても、「なにか一つ、輝けるものを」とは、いい言葉ではないか。(林)
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(2010/06/29)
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