--今回のもしドラの朗読で注目してもらいたい点はありますか？
夕紀のみなみへ対する告白のシーンと、夕紀のお母さん(靖代さん)のみなみに話し掛けるシーンです。泣く演技だったのですが…スタッフさんや著者の岩崎さんにも誉めて頂けたので、自信作(？)です！是非そこに注目して頂きたいです
--もしドラの中でお気に入りの台詞などはありますか？？
「え？あ、はい。」(文乃)
「……真摯さって、なんだろう？」(みなみ)
この２つ、何でか印象深いです。
あと台詞ではないのですが、「『マネジメント』にはこうあった」
と言うナレーション。何回言ったかわからないくらい言いました！
…もう初めての朗読だったので、
全てが印象的なのですが…本の良さを残しつつ朗読の素敵さを出せていたらなと思います。
皆さん、よろしくお願いします。
--オーディオブック版発売に寄せて
『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』（通称『もしドラ』）のオーディオブックが発売されます。 これはとても楽しみです。 というのも、この小説は、もともと朗読されることを前提に書いたからです。
文を書く時、ぼくは必ず自分で朗読しています。 そうすると、文がより面白く、より美しく研ぎ澄まされるからです。 文は、朗読するとその良し悪しが分かります。 だからぼくは、「朗読して面白く、美しいように」と、この小説を書いたのです。
そのオーディオブックが出るのですから、これは本当に楽しみです。 しかもそれを、AKB48の仲谷明香さんに朗読して頂けることになりました。 仲谷さんは、もちろん朗読者としてのスキルはすでに十分お持ちなのですが、それ以上に魅力的なのは、声優としてはまだ無名の、挑戦者であるということでした。
この小説の朗読者には、無名の挑戦者が相応しい。 なぜなら、この小説の主人公自体が、無名の挑戦者だからです。 また、この小説の作者であるぼくも、無名の挑戦者でした。 そういう無名の挑戦者たちの声を語り継ぐ者として、朗読者には、無名の挑戦者がぴったりだったのです。
ところが、そこで予想外のことが起こりました。 朗読した仲谷さんが、その仕事を単なる挑戦だけに終わらせるのではなく、 一人のプロフェッショナルとして、大きな成果へと結びつけていったからです。 おかげでこのオーディオブックは、単に「挑戦の記録」にとどまらない、一人の朗読者が大きく飛躍した、その「成長の記録」ともなったのでした。
そう、それはまるで、この小説の主人公のように。