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膨らむ期待 米子道で高速道無料化実験へ

2011年02月09日

 国土交通省が2011年度の高速道路の無料化実験の対象区間に6月から米子自動車道の米子−落合(岡山県)を追加する計画が判明したのを受けて、観光、運輸業界や行政関係者は8日、観光振興や輸送効率の向上につながると期待感を示した。競合交通機関のバス事業者からは渋滞や利用者離れを懸念する声も上がっている。

2011年度の無料化実験の対象路線となることが判明した米子自動車道=8日、米子市赤井手の米子料金所

■予想以下の渋滞

 地元運輸業界は、本年度の無料化実験では配達遅延などを心配していたが、渋滞が予想以下だったため米子道無料化を歓迎。鳥取県トラック協会の川上和人会長は「全ての高速道が無料化されれば渋滞も心配されるが、米子道なら時間短縮や運転手の労力軽減など利点が大きい」と評価した。

 米子道無料化は観光関係者にも朗報となった。現在、米子−中国豊中(大阪府豊中市)の料金は平日昼間が6200円(普通車)、土日・祝日1850円。米子−岡山は2450円(同)、土日・祝日千円。西日本高速は無料化後の料金について「現時点では分からない」としているが、両区間とも現行より安価で移動できるようになる。岡山自動車道の北房−岡山の無料化が続けば、特に岡山方面の利用者には割安感が生まれる。

■全体のプラスに

 県外客が8割を占めるとっとり花回廊(南部町)の河崎積園長は「アクセスの負担が減り気軽に足を運んでもらえる」と述べ、通年型での無料化を願う。足立美術館(安来市)の足立隆則館長は「入館者、リピーターの増加につながる」と営業回りで全国に無料化をアピールする方針だ。

 年末年始の豪雪で風評被害を受けた米子市の皆生温泉は米子道の起点に近い。同温泉旅館組合の宇田川英二組合長は「新たな観光コースの構築も可能だ」、米子市観光協会の野島譲事務局長は「観光振興を活気づけるチャンスだ」と意気込む。

 境港市観光協会によると、水木しげるロードを訪れる観光客の7割は自動車を利用しているといい、桝田知身会長は「無料化は大きい。境港だけでなく、山陰の観光地にもプラスになる」と県外客の増加を見込む。

■4車線化に弾み

 地元行政も国の判断を評価する。県西部地域振興協議会、中海市長会は国に米子道無料化を働き掛けてきた経緯があり、両会長の野坂康夫米子市長は「通行量が増え、将来の4車線化につながる」、中村勝治境港市長は「北東アジアのゲートウェイを目指す境港にとってもインパクト大」と喜んだ。

 同じく国への要望を続けてきた鳥取県の古賀俊行県土整備部長は「県内の高速道路で唯一の有料区間が米子道。観光客のリピーター獲得につながる」として、引き続き4車線化を求める構えだ。

■渋滞増加を心配

 一方、米子市から関西方面などに高速バスを運行する日本交通米子営業所の佐藤正志係長は「業界としては残念な対応」と顔を曇らせる。懸念されるのは交通渋滞とバス利用者離れ。「渋滞に伴う事故も心配。到達時間が遅れるとお客さんに迷惑を掛ける」と不安を漏らし、経済効果にも疑問を投げ掛けた。

 山陰では既に昨年6月下旬から、安来道路の米子西−東出雲など3区間が無料化(今年6月下旬まで)。利用者は無料化以前の2〜3倍に増加した。3区間の無料化や休日上限千円制(本年度末まで)の継続は今後判断される。



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