3月16日に栗山千明の1stアルバム『CIRCUS』がDROPされた。この作品への参加メンバーが、とにかく豪華。それ以上に、リアルロッカーしている栗山千明自身がとびきりクール!! スリリングな気分でぶっ飛びたければ、これを聴きなっ!

アルバムに楽曲提供をしていただいた方々は、私が普段から好きで聴いているアーティストさんばかり。

-----アルバムで共演しているメンツの豪華さにブッ飛んだのは、もちろん。各アーティストと栗山さんがコラボしてゆくときの心地好い触発性にも、かなり刺激を受けました。昔から、ロックは好んで聴いていたのですか?

栗山;  私が小学校高学年の頃に、THE YELLOW MONKEYや黒夢、L’Arc-en-Ciel、GLAY、THE BLANKY JET CITYなどを中心にした”バンドブーム”が起きました。その当時の音に刺激されたのが、きっかけとしては大きかったですね。

-----今回参加した面々にも、その当時から第一線で活躍してきた人たちが何人もいます。アルバムには、多彩なアーティストたちが楽曲提供やプロデューサーとして参加。このメンバーを選んだのも…?

栗山;  私が選びました。アルバムに楽曲提供をしていただいた方々は、私が普段から好きで聴いているアーティストさんばかり。アルバムを制作するうえで、ディレクターの方に「誰の曲を歌ってみたい?」と聴かれ、「無理とは思うけど、名前を挙げるだけなら自由だから」と思い、『CIRCUS』へ参加してくださったアーティストの方々の名前を挙げたら、みなさんから「OK」の返事をいただけました。やっぱり、何事も「言ってみるもの」ですね(笑)

-----みなさん、栗山さんへ曲提供をするという前提とはいえ、しっかり、自分の色のある個性を楽曲にも反映させています。

栗山;  それが、すごく嬉しかったですね。わたし、ずっと同じような役柄を演じ続けるのって苦手なんですよ。たとえ似た雰囲気でも、一度演じたものとは違う役柄だったりなど、今までにはない役柄を演じていきたいんです。それは、歌も同じこと。「曲ごとに、歌い方もいろいろ変化していきたい」性格なんです。もちろん、「栗山千明が歌う」ことを意識して楽曲を作っていただけるのも良いんですけど、それよりも「作ってくださる方の色をしっかり出してもらったうえで、それを私がどう表現していくか」を求めたかったし、それをみなさんやってくれたから、それが楽しかったんです。

-----栗山さん自身、「この曲の癖を、どう歌いこなそうか?!」と考えながらの作業でしたか?

栗山;  「この曲は、どういうキャラクターかな」「この歌には、どんな景色があるのかな」とか、そういうのを想像や妄想しながら歌いました。楽曲を作っていただいたご本人を前にしてのレコーディング。それを、1曲ごとに経験していったので、最後まで慣れることはなかったですね。

-----レコーディングへは、楽曲提供/プロデュースした方々も、みなさん立ち会ったのでしょうか?

栗山;  スケジュールの都合でお会いできなかった方もいましたけど、ほとんどの方と、一緒に制作していきました。

-----初顔合わせでの制作って、けっこう緊張しません?

栗山; プレッシャー…と言うか、緊張しますよね。もともと、「その人たちの楽曲が好き」で頼んだように、その人たちにお会いするというだけで緊張しちゃうじゃないですか。しかも、楽曲を作っていただいたご本人を前にしてのレコーディング。それを、1曲ごとに経験していったので、最後まで慣れることはなかったですね。

-----人によって、プロデュースしてゆく手法も違うんじゃない?

栗山; そうなんです。おかげで、毎回スタジオへ足を運んでは、「今回はどうなんだろう」と探り探りでやってくことも多かったです。

-----「コールドフィンガーガール」をプロデュースした浅井健一さんのときは、どんな感じでレコーディングが進みました?!

栗山;  私も、浅井さんも、人見知りな傾向があることから、「レコーディングの前に、一度お会いできれば」という話になり。一度お会いしてお食事をしたのですが。それを経験したことが、すごく良かったなと思っています。

-----緊張感のあるレコーディングだったんですか?

栗山;  最初に録ったテイクが、思いのほか良かったみたいで、「これを超えるテイクを歌ってくれ」と、その後、何度も何度もチャレンジ。その気迫に圧倒されていた面も、正直ありました。だけど、一度お会いし、いろんなプライベート話をしていた関係性が先にあったからこそ、お互いの人間性を知ったうえでの取り組みだったこともあって、だいぶ緊張感を緩和した状態で望めたのは良かったことでした。

「個性あふれる楽曲を生み出していく人たちって、その人柄にも、すごく魅力がある」。今回、みなさんにお会いして、その印象を強く持つことが出来ました。

-----中には、レコーディングスタジオで、「初めまして」と顔合わせをした人もいましたか?

栗山;  ほとんどの方が、そうです。一度お会いしたことのある布袋さんだって、7年ほど前にご挨拶をした程度だったから、ほとんど「初めてに近い雰囲気」でした。そういう中では、林檎さんが一番接点のあった方でしたね。他の方たちは、私が一方的に知っている人たちばかり。

-----布袋寅泰さんは、シングルにもなった「可能性ガール」を提供。やはり、スタジオでは緊張しましたか?

栗山; 緊張しましたね(笑)。布袋さんが、このプロジェクトの最初のスタートラインを切った方だったんです。私の中での布袋さんと言えば、職人気質というイメージを勝手に抱いてたので、「”ちげぇ~んだよ!!”とガーンって言われたらどうしよう?!」「緊張するぅ~」と、勝手に恐縮していたんですけど。本人は、まったく正反対な方。「細かいことは気にせず、楽しもう」と言ってくださっていたように、徐々に自分の中の緊張もほどけていき、レコーディングの途中からは、すっごく楽しみながら歌っていました。

-----大人な雰囲気と言えば、「深海」のプロデュースを手がけた、BUCK-TICKの星野英彦さんも、クールな匂いを醸しだしていそうなイメージです。

栗山;  星野さんは、格好良かったですね。みなさんそうですけど、「個性あふれる楽曲を生み出していく人たちって、その人柄にも、すごく魅力がある」んです。今回みなさんにお会いして、その印象を強く持つことが出来ました。それに、みなさん大人と言うか。布袋さんも、浅井さんも、星野さんも、みなさんジェントルマンなんです。

-----栗山さん自身、楽曲の個性に合わせ、いろんな歌い方を試みています。嬉しい衝撃だったのが、Theatre Brookの佐藤タイジさんが提供プロデュースした「五穀豊穣ROCK」で、巻き舌を用いたロックなシャウト唱法を見せていたこと。

栗山; それ、裏話をすると。私、「ら行」を上手く言えないんですよ。無理に言おうとすると、息を吐きすぎるあまり、舌がまわってしまい、「ら行の言葉が巻き舌」になってしまうんです。じつは、そんな理由から、そういう風になったという理由もありました(笑)

-----えーっ、あの巻き舌な歌い方、かなりロックしていて格好良かったんですけど。

栗山; だったら良かったです(笑)。あの楽曲自体、すごいパワーを持ってるじゃないですか。私自身、唄ってて力が入っていき、結果巻き舌な歌い方になってしまっていた。それが良い印象を与えているのなら、良かったなと思います。

「椎名林檎さんからの要望で、ぜひ栗山千明さんに番組用のナレーションをお願いしたいのですが」とお話をいただき。私、「本当ですかぁ!」と一人喜んでいたくらいですから

-----先日、両A面シングル盤としてもリリース。「おいしい季節」や「決定的三分間」を手がけたのは、先にも名前の上がっていた椎名林檎さんです。林檎さんとは、何度か面識があるんですよね。

栗山;  ささやくように唄った「決定的三分間」に、歌いあげた「おいしい季節」。その表現の差も、林檎さんのアドバイスがあってのこと。それが結果的に、両A面シングル盤の中での心地好いバランス感にも繋がったんですけど。林檎さんも最初は、私が一方的に好きで、ライブへ足を運んだ際にご挨拶させていただいてた関係が最初なんです。じつは私、ラジオ番組で東京事変さんの特集があったときに、、一度ナレーションを担当させていただいたことがありました。そのときは、「椎名林檎さんからの要望で、ぜひ栗山千明さんに番組用のナレーションをお願いしたいのですが」とお話をいただき。私、「マジっすかぁ!」と一人喜んでいたくらいですから。

-----そりゃあ、嬉しくなる気持ちもわかります。

栗山; でも私、メンバーさん達のラジオ番組収録日とは別に設定された、番組用ナレーション録りの日にスタジオへ行ったように、もともとお会い出来ないことはわかってるうえで収録に望んだんですけど。その収録現場へ林檎さんがわざわざ足を運んでくださり、「なんて素敵な人っ」と大感激をしていたら。昨年、私が出演したドラマ『熱海の捜査官』の主題歌を林檎さんが担当していたり。そうやって、互いの距離を縮めていく中、ついには楽曲提供とプロデュースまでしていただいて、私としては、本望ですねっ!

-----作詩面では、いしわたり淳治さんが、「口にしたLOVE」「可能性ガール」「Ladies&Gentlemen」と、3曲の作詞を担当しています。それも、際立った特徴として見えてきました。

栗山; 作詞に関しては、私、かなりいしわたりさんに助けていただきました。とくに、Third Eye Blind提供の「Ladies&Gentlemen」は、仮唄の入ってるデモ音源状態では英語なんですよ。それは、Chris Cester & Mark Wilsonが制作した「口にしたLOVE」も、そう。中でも「Ladies&Gentlemen」は「文字数が多すぎて難しいわぁ~」と思ったんですけど、いしわたりさんの書いてくださった歌詞に合わせて唄ったら、逆に忘れられないと言いますか、最初は「唄うの難しいかな」と思うんですけど、唄ったら、そのフレーズばかりが頭の中でまわるくらいに、すごくハマる歌詞ばかり。だから、歌ってて楽になれました(笑)。

「深海」だったら、”私はシフォンドレスを着ている白人の女性が海へ潜ってゆくシーン”を。しかも” シフォンドレスが、くらげみたいに「ぶわぁ~っ」と膨らんでゆく”映像を思い浮かべながら唄いました。

-----多彩な作家陣を迎えていて曲ごとに歌詞の世界観も多種多様。それぞれの詩の世界に感情移入していくのは、けっこう大変じゃないですか?

栗山; そこは、イメージをどう描き出すかですね。「深海」だったら、”私はシフォンドレスを着ている白人の女性が海へ潜ってゆくシーン”を。しかも” シフォンドレスが、くらげみたいに「ぶわぁ~っ」と膨らんでゆく”映像を思い浮かべながら唄いました。「おいしい季節」は、すごく受け身な女性が主人公。だから歌声の中にも、「もどかしくも切ない気持ち」を入れましたし。逆に、「決定的三分間」は強い女性が主人公の歌。こちらでは、「強さ=セクシーさや格好良く聞こえるように」を心がけながら歌っています。

-----9mm Parabellum Bulletが提供した「ルーレットでくちづけを」や、DOESの氏原ワタルさんの手による「ミライノ・ヒカリ」は、とてもロックンロールなノリ活きた楽曲たち。これらは、ノリに身を任せながら歌ったのでしょうか?

栗山; そうですね。とくに9mm Parabellum Bulletの「ルーレットでくちづけを」は、熱さ重視でした。DOESさんの手による「ミライノ・ヒカリ」の場合、熱さを内に秘めてるというか。一見クールに見えるんだけど、中身は熱いみたいなイメージ。しかも、前向きになれる歌詞。そこで、感情剥き出しに歌ってしまったら、ただのクサイ歌になってしまいそうじゃないですか。だから、最初はクールさ装い歌いながら、サビでは気持ちを開放してという歌い方をしていきました。

-----「口にしたLOVE」は、デジタルロックな要素を持った楽曲です。

栗山;  これは、「女性が唄う意味を持った歌詞」を綴った楽曲。歌詞が可愛らしかったので、「なるたけ、女性らしい歌い方」を心がけながら歌いました。

はい。私、可能性ガールなんで(笑)。

-----楽曲ごとに、いろんな歌声の表情や世界観を楽しめるのも、『CIRCUS』の面白さになっています。

栗山; いろんな歌い方や曲調で歌わせていただけたことによって、1stアルバム時点ですでに、「自分の基盤となる音楽性を描き出せた」と言いますか、よく四分割したグラフ表示ってあるじゃないですか。左右の面では、”ハード”と”ポップ”に分かれてたり。上下だったら”格好良い”と”可愛い”に分かれてたり。そのチャート図面のあちこちへ、曲たちが一つとして重なることなく記されていくんです。そうやって記した今回の分布図が、今の栗山千明の音楽性の基盤になっていくのかなと思ってる。そのうえで、さらに点を増やしていくのか、それとも、点と点を繋げた線にしていくのか?!

-----そこは、まだまだいろんな可能性がありますね。

栗山;  はい。私、可能性ガールなんで(笑)。

-----事実、『CIRCUS』では、いろんなアーティストの方々に”可能性の扉”を開けていただいてますからね。

栗山; みなさん、「栗山千明が歌う」ということをイメージして楽曲を作ってくださったわけですけど。一つの共通項の中でも、「こんなにイメージの捉え方が違うんだ」ということに、私自身が嬉しい驚きを覚えました。きっと一人のプロデューサーさんと制作をしていたら、これだけバラエティに富んだアルバムにも,ここまで歌い方も広げたアルバムにもならなかったと思う。

-----バラエティ豊か、かつ、強烈な個性を持った曲たちを、一つの心地好い流れに組み上げた。その曲順の構築さ、魅力に感じています。

栗山; 曲順は自然に決まりました。たとえば、「ルーレットで口づけを」をレコーディングしていたときから、「これは1曲目っぽいね」という話をしていたし。ヒダカトオルさんが書いてくださった「New Moon Day」のときには、「これ、ラストっぽくない」という話をしていたように、曲ごとに何気なく会話をしていたことが、上手く反映されていきました。

-----このアルバムが、どんな反響を持って世の中へ広まっていくのか。そこが楽しみです。

栗山; 逆に、私は怖いんですよ。

-----そうなんですか?

栗山;  たとえば、先行シングルとして発売する「おいしい季節/決定的三分間」は、2曲とも椎名林檎さんの楽曲じゃないですか。先にシングルとして発売してきた「可能性ガール」や「コールドフィンガーガール」は、布袋さんや浅井という”男性アーティストが女性シンガーをプロデュースする”ということで、「自分で歌う意味」を持てたんですけど。林檎さんの歌の場合、林檎さんファンの方から「林檎ちゃんに歌って欲しかったー!!」と言われそうで怖いんですよ。でも今回の楽曲たちは、「栗山千明が唄うことをイメージして林檎さまに書いていただいた歌」ばかり。むしろ、「栗山千明が唄う前提がなかったら生まれなかった楽曲たち」なので、そこは、みなさんにも暖かく迎え入れてもらいたいなと思っています。

“歌声に癖がないからこそ、曲ごとに、いろんな変化を描き出せた”と思っています。

-----この『CIRCUS』、1曲ごとに栗山さんが”個性的なアーティストたちとジャム・セッション”を繰り広げてゆく感覚で楽しめました。

栗山; 私、自分の歌声が際立って特徴的だとは思っていないんです。逆に捉えれば、”歌声に癖がないからこそ、曲ごとに、いろんな変化を描き出せた”と思っています。むしろ私の場合、そこを武器にしていきたいんです。今回は、大好きなロックをやりたくて、こういうアルバムを作りましたが、私は、「ロックでなきゃ嫌だ」とは思ってなくて、そこは「格好良ければ、それでいい」という考え方です。これからも「この歌格好いいじゃん」と思える曲たちを歌っていきたいし、そういう曲たちを歌っていけることが、最高に嬉しいことなんです。だから今後も、その姿勢で歌い続けていくのは、もちろん。私自身の活動の中でも、音楽の占める割合を、もっともっと大きくしたいなと思っています。

TEXT:長澤智典

New Album「CIRCUS」
発売日:2011/3/16

初回生産限定盤(CD+DVD)
DFCL-1761~1762/3,800円(税込)
<初回生産限定盤4大特典>
1. すべてのシングル曲のMVと「おいしい季節」「決定的三分間」のMVメイキングを収録した
特典映像DVD
2. 栗山千明スペシャルフォトブック
3. 栗山千明トレーディングカード(3種より1枚ランダム封入)
4. シングル「おいしい季節/決定的三分間」とのW購入者特典応募ハガキ(封入)

初回仕様限定盤(CD)
DFCL-1763/3,059円(税込)
<初回仕様限定2大特典>
1. 栗山千明トレーディングカード(3種より1枚ランダム封入)
2. シングル「おいしい季節/決定的三分間」とのW購入者特典応募ハガキ封入
<収録曲>
1.「ルーレットでくちづけを」 Produced by 9mm Parabellum Bullet
2.「コールドフィンガーガール」 Produced by 浅井健一
3.「おいしい季節」 Produced by 椎名林檎
4.「ミライノ・ヒカリ」
5.「決定的三分間」 Produced by 椎名林檎
6.「口にしたLOVE」 Produced by Chris Cester & Mark Wilson
7.「深海」 Produced by 星野英彦(BUCK-TICK)
8.「可能性ガール」 Produced by 布袋寅泰
9.「五穀豊穣ROCK」 Produced by 佐藤タイジ(Theatre Brook)
10.「Ladies&Gentlemen」Produced by Stephan Jenkins(Third Eye Blind)
11.「New Moon Day」 Produced by ヒダカトオル

New single「おいしい季節/決定的三分間」
発売中

※曲順&ジャケット違いの2枚同時発売

DFCL-1759/1,050円(税込)

<収録曲>
1. おいしい季節
2. 決定的三分間
3. CAT’S EYE


DFCL-1760/1,050円(税込)
<収録曲>
1. 決定的三分間
2. おいしい季節
3. CAT’S EYE

リンク

オフィシャルサイト
http://www.chiakikuriyama.net/