Feb. 11, 2007
『Climax Jump』 AAA DEN-O form (トリプル・エー デンオウフォーム)
3月21日リリース!/avex/¥1,260(税込)
若さと疾走感が『電王』にぴったり! とのことで、オープニングはAAA (トリプル・エー)のみなさんにお願いしました。2005年デビュー、立て続けにシングルを発表している大人気の男女8人組ユニットです。
『電王』にちなんで、AAAも DEN-O form にフォームチェンジ!
制作発表ではアクロバッティックなパフォーマンスを披露していただきました。ホテルの会場という狭さも何のその、くるくる回って踊る姿に記者陣も釘付け!
ぜひ皆様もモモタロスと一緒に「いーじゃん! いーじゃん! スゲーじゃん?!」
http://www.avexnet.or.jp/aaa/
(t)
『Double-Action』野上良太郎&モモタロス(佐藤健&関俊彦)
4月4日リリース!/avex/¥1,260(税込)
今回3話、電王変身! のシーンでかかりました曲が、エンディングテーマ『Double-Action』。パッケージとして独立したエンディングはないのですが、バトルシーンでかかる曲を「エンディング」と呼んでいるのです。
良太郎&モモタロスのデュエット!? 歌うのは佐藤さんと関さんです。
レコーディングのエピソード:
放送に合わせるため、結構ハードスケジュールでした。お忙しい合間をぬって先に関さんの録音。関さんはこれまで150曲以上歌を出されているのでは……? 歌が上手な方として有名です。「もう少しモモタロス風にちょっと乱暴でもOK」というディレクションでガラっと歌い方が変わります。うーん、カッコいいです!
佐藤さんは『プリンセスプリンセスD』で2曲入りのCDを出されています。声がステキですよね。歌声も女性うっとり?系。前のCDはどちらもバラード風だったので、アップテンポはどうなのかしら? と思っていたレコーディング当日。
佐藤さん「えー、緊張するなあ。ちょっと暗くしてもいいですか?」
と、部屋を薄暗くして歌ってみること数回。どんどん声が出てきます。上手い!! 良太郎カッコイイver.!
短時間でレコーディング終了。 ハモリも全部ご自分でやってしまいました。
自分のハモリってすごく難しいと思うんですよね……。それをさらっとやってしまう佐藤さん。ホント、佐藤さんには驚かされっぱなしです!
二人の掛け合いが面白いので、早くCDでフルサイズで聴いてほしいですね。お楽しみに!
(t)
第3話では、“ M良太郎”の声が、 関俊彦さん・ 佐藤健さん本人を行ったり来たりしました。
まさに『 Double-Action』?!
1・2話では、良太郎がモモタロスに憑依された状況を、もっぱらボイスオーバー(声を重ねる)方式で表現していました。でも今回は、良太郎自身が意識を失ってる(完全に乗っ取られてる)のがミソ。
そのシチュエーションをどう表現するか?
頭で考えると、「モモタロスが乗っ取ったシーンは、ぜんぶ関さんの声」にするのがよさそう。でも武部Pの異論もあり、そこでミキサー(整音)の曽我さんが、《関さんバージョン》と《良太郎本人バージョン》の2種類を試作してくれたのです。
長石監督以下、2つを見比べて(聞き比べて)わかったことは……
もう1人の盟友・高岩さんと。
同ポジの合成で、“素の良太郎”にメイクチェンジ(左は長石監督)。
関さんオンリーでは、シーンによってはかえって分かりにくくなる。完全に「 そういうキャラ」に見えるため、憑依してるんだという状況が伝わらないのですね。佐藤健さん自身の演技にゆだねたほうがいいシーンもある。
理屈では割り切れないようです。
結局、2人の声を使い分けつつ、なだらかにスイッチさせるという、曽我さんの離れ業が炸裂。
キャストの芝居、監督の演出、曽我マジックの三位一体で乗り切った3話。
どんなチャレンジもオブラートにくるみ、視聴者の方々には単純明快にお見せするのが、『電王』の目標の1つ。なかなか一筋縄ではいきません。
今後、憑依イマジンも増えていきます。
キャスト&スタッフの苦難は始まったばかり! なのでした。
(s)
(新幹線など)実際の電車より広いのに、スタッフが入り乱れると……。
カメラをセットに固定し、セットを揺らせば、人物だけが揺れる。それが田崎監督の狙い。
他にも“揺れもの”として、吊り下げた席順プレートなどを用意。
これらのバネが電車の揺れを再現。
バネをはさんだ鉄筋の二重構造の上にセットが建っています。しかも、ストッパーをかませば揺れを止めることもできる。見た目は単純なのに、調整は絶妙!
セットを外から揺らす人たち。
昇降口は、こういう撮影にも使えます。
(メイキングはまたいずれ……)
次の駅は、過去か未来か……?
と、ナレーションもしていただいたオーナーこと石丸謙二郎さんいわく、「 酔うセット」。それがデンライナー食堂車です。
シリーズの撮影開始前にメインスタッフが集まり、セット打合せをしました。
田崎監督「デンライナーが走ってる感じを出したい。食堂車は、揺らせるセットにしてほしいんです。カメラを揺らすんじゃなくて、実際にセットが揺れる」
大嶋デザイナー「いーじゃん。それはそうと、イメージは未来的なの? それともレトロな感じ?」
揺らせるセット――っていう、難しそうなとこはさらっとスルー?!
と、不安にかられた田崎監督ですが、わずか数週後には、希望どおりのセットが当たり前のように建っていたのでした。
美術デザイナーは、《男大嶋》こと大嶋さん。
お話を聞きました。あの“スルー”は何だったのでしょう?
「揺れるセットって、美術が昔から挑戦してきたテーマだし。タイヤに乗せてみたり、上から吊ってみたり……。電車ならバネがいいんじゃないかと、めぼしいバネには当たりをつけてた」
そういう発注が来るのを読んで、すでに準備済みだった?!
「仕掛け的なことは、先手が打てるし割り切れる。できるものはできる、できなかったらゴメン(笑)。でも美術の仕事は、セットを建てることじゃなくて、監督のイメージをふくらませることだからさ。時間がいくらあっても足りないんだよ。イメージをふくらませる時間が――」
ちょっとぶっきらぼうな仮面の奥で、繊細な感性と、デザイナーの気概をたぎらせる大嶋さん。
“男大嶋”と異名をとるゆえんです。
デンライナーは、今日も時間のはざまを走ります。そのイメージを、セットに定着させた大嶋デザイナー。
セットが揺れても――酒に酔っても――その美術魂は揺るぎないのです。
(s)
Feb. 04, 2007
「あのコウモリ野郎、生きていたのかぁ!」
髪が逆立ち、赤い目となった良太郎のことを台本上では、「 M良太郎」と表記しています。
モモタロス (赤鬼のイマジン)が憑依した状態なので、モモ良太郎→M良太郎。
このM良太郎のセリフですが、撮影前に関さん(モモタロス)の声をアフレコルームで録らせてもらっています。佐藤さんに録音CDを渡して、田崎監督からの指示は「関さんの芝居の間とか、抑揚とか、クセを覚えてね」。現場ではそれを元に佐藤さんが役作りをしてM良太郎を作っています。
M良太郎の衣裳は、上着やマフラーを取ったらワイルドな感じになるよう、衣裳さんが工夫をしています。変わったら服は破れていたりするので、衣裳部も大変です。(^^;)
そして、結構大変なのが、M良太郎へのメイクチェンジ。
(あたり前ですが)同じロケ地で続けて撮影するものの、髪形をあのように逆立てるには30分くらいかかります。カラーコンタクトを入れて完成。その間、現場は「M良太郎待ち」。ちょっと『セーラームーン』の現場を彷彿とさせますね。あちらもセーラー戦士へのチェンジが大変だったそうです。
この変わり様が見どころなので、スタッフ一同、いろいろがんばっています。
さて、次回はそんなM良太郎大活躍の巻! 佐藤さんの演じ分けにもご注目ください。
(t)
シリーズの撮影初日は、第2話、屋上に良太郎が駆けつけ、バットイマジンが契約完了するシーンでした。
佐藤さんが「あ、カメラだよ」と白鳥さんに声をかけてます。
佐藤さんが5歳下なのですが、何となく大人な雰囲気?
このシーン、台本上ではガード下だったのですが、田崎監督がロケハンで屋上を選びました。夕焼けがきれいでした〜。
(t)
『仮面ライダー電王』では、幸か不幸か野上良太郎という心優しい仮面ライダーと出会い、そして彼と心を触れ合っていく人々が次々と登場していきます。
その初めての人物がテツオでした。
1・2話のメインゲストであるテツオ役を演じてくれたのは、現在多数のドラマで活躍中の落合扶樹(おちあいもとき)くんです。
実は、落合くんは前のドラマで『仮面ライダーカブト』の仮面ライダードレイク役、加藤和樹さんと共演していたのだそう。その現場での加藤さんの佇まいを見て「仮面ライダーってかっこいいな〜」としみじみ。ちょうどそうやって「仮面ライダーっていいな〜」と考えているうちに、いつの間にかイマジンにとり憑かれる役になっていたというわけです……。
変身こそしませんでしたが、その鬼気迫るとり憑かれ様と『仮面ライダー電王』ならでは(になるであろう)の人間ドラマに素晴しい味を付けてくれました。同じ高校生ということもあり、良太郎役の佐藤くんとも話題には事欠かない様子でした。長い撮影期間にも、寒さにも、風にも、それから砂にも負けず元気にがんばってくれました。本当にお疲れ様でした。
過去が少し変わっても、テツオをはじめとする今シリーズのゲスト達の人生もまたこれからも続いていくのでしょう。そんな人間たちのドラマも暖かく見守ってくださればと思います。
次回のゲストは波岡一喜さんです。
何度も「変身」を経験し特撮番組を制覇する勢いの波岡さんですが、今回はご本人も「良太郎との人間同士のドラマを演じられることが楽しかった」とおっしゃるように、仮面ライダーのアクションや特撮というよりは、そのドラマ的な部分に関われたことに意義を感じてくださったようです。
残念ながら波岡さんの変身はありませんが、山越佑という個性の強いキャラクターを生き生きと作ってくださっています。
この売れないギタリストを等身大の演技で見せてくださった波岡さんですが、この役のためにあまり弾けなかったギターをマスターするほど練習してくださったそうです。脱帽するばかりの波岡さんの熱演&熱唱の役者魂にも是非ご注目ください!
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パラッパー♪
軽やかに鳴りひびくトランペットにサックス……。これまでのライダーとは、一線も二線も画した電王の音楽世界に、耳を疑った方も多いのではないでしょうか。
音楽は 佐橋俊彦さん。
クウガ・アギト・響鬼・電王と、《平成ライダー》8年のうち、優に50%を手がけておられます。佐橋サウンドが鳴り響くたび、ライダーシリーズは大きなターニングポイントを迎えるのかもしれません。
ビッグバンド・ジャズという発想は、田崎監督によるもの。
田崎監督「タイムスリップものだけに、往年のテレビ番組っぽさを意識してみるのはどうかなと」
佐橋さん「60年代〜70年代に未来感を出そうと背伸びした劇伴って、いま存在しない音楽だったりして、逆に耳新しいんですよね」
田崎監督「なるほど。未来志向で頑張ったのに、肝心の未来から見たら時代錯誤。そういうズレ感・カン違い感が、『電王』ならではの新しい世界かもしれません」
佐橋さん「ではカン違いしちゃった70年代作家のつもりで(笑)。でも、いいのかな……ライダーなのに……」
白倉某 「いっそ『ライダーなのに』で行きませんか。失敗したらみんなで謝りましょう。カン違いでしたと(笑)」
佐橋さん「メモりましたよ、『ライダーなのに』って(笑)」
そんな感じの緻密な打合せをもとに、アクション曲から後提供(「ご覧のスポンサーでお送りしました」)に至るまで、徹底して“往年+カン違い”風味を追求してくださった佐橋さん。録音スタジオでも「もっと『ライダーなのに』って感じで!」と、プレイヤーの皆さんを乗せまくります。
そうして懐かしくも新しい、ふしぎな『電王』のサウンドができあがったのでした。
今回の佐橋サウンドの特徴がもうひとつ。
たとえば第2話、暴走タンクローリーとデンライナーゴウカのチェイスシーン。デンライナーの速度に合わせて音楽のテンポも変わります。
他にもそうしたシーンが多々あり、映像と音楽のシンクロが気持ちいいのですが……映画音楽的なフィルムスコアリング(絵にあわせて作曲する)は、ほんらいスケジュール上も予算上もまったく不可能。ありえないことが起こりました。
相当な無茶を重ねたはずの佐橋さん。小学生の息子さんも、田崎監督の熱狂的なファンだったりするとか。親子ぐるみで田崎演出を評価してやまないのは知っていましたが、監督のために――という思いがここまで強いとは!
そのご苦労はいかばかりかと、お礼&ねぎらいの言葉を田崎監督が送ったところ、「我ながら、お気に入りの音楽になりました」とか、とりすました返事が返ってきたとのこと。
お互いの信頼が篤いとかいう以前に、カッコよすぎますよね、このお二人は!
(s)
2話にして、ようやく全貌が見えはじめた『電王』。
メインライターは小林靖子さん。
ライダーシリーズへの登板は『龍騎』以来、5年ぶりとなります。
「こんな難しい企画を扱える脚本家は、靖子にゃんだけ!」と譲らない武部P。そして打合せに現れた靖子にゃん、いきなり本領発揮です。
「“変身”について考えてみたんですけど……」
誰もが目からウロコのアイデアに、企画は根本からひっくり返りました。
社会現象にもなり、いまもってフォロワー作品を生み出しつづける『龍騎』。そのメインライターだけのことはあるどころか、この5年、さらに磨きがかかったようです。
『仮面ライダー』の根幹を、真正面から見すえることを恐れない靖子にゃん。
『電王』の核となっているのは、「変身」「同族の戦い」 etc.……といった仮面ライダーの骨格そのもの。制作発表(→東映のプレスリリース)では、「シリーズの革命」「娯楽番組の歴史を変える」とかなんとか白倉某が口走りましたが、そんな大口を叩けるほどに、仮面ライダーの持つ可能性の大きさを一同に改めて教えてくれたのは、靖子にゃんに他なりません。
ライダーのライダーたるところを彼女が見すえるやいなや、たちまち、これまでにないエンターテインメントの可能性すら開けてしまったのです。
「さすが小林さん! いや、靖子さん! いや……」
居ずまいを正さなければならない。これまでのように「小林さん」「靖子さん」などと、軽々しく呼ぶことはできない。
スタッフ一同がそういう思いでいたところに、武部呼ぶところの「靖子にゃん」がハマり、電王の現場では靖子にゃんが正式名称として認定されました。
なぜ最上級の敬称が「にゃん」なのか、定かではないのですが……(写真参照?)。
1・2話もインパクトあったと思います。でも、靖子にゃんのアイデアの凄みは、12話くらいたってから、さらにじわじわと効いてくるはず。まさに旅は始まったばかり。「幸運の星は、まだまだ先よ!」と、愛理姉さんも言っています。
スタッフ&キャスト一同、意気込んでいます。
めざすは「超・平成ライダー」! 良太郎&靖子にゃんとともにデンライナーに乗って、未知の地平にクライマックス・ジャンプ! です。
(文責:s、写真提供:小林靖子にゃん)
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