［事件］【海老蔵さん殴打事件】リオン被告に懲役１年４月の実刑判決「海老蔵さんが犯行を誘因」（2011.3.14 11:05）

　歌舞伎俳優の市川海老蔵さん（３３）が暴行を受け重傷を負った事件で、傷害罪に問われた解体業、伊藤リオン被告（２７）の判決公判が１４日、東京地裁で開かれた。板野俊哉裁判官は「執拗（しつよう）な犯行で、再犯の可能性も否定できない」として、懲役１年４月（求刑懲役２年）の実刑判決を言い渡した。弁護側は同日、控訴した。

　弁護側は、海老蔵さんが先に元暴走族リーダー（２９）へ頭突きしたことに対する「過剰防衛だった」と主張。検察側は「頭突きがあった根拠はない」としていた。

　板野裁判官は、元リーダーの頭突きされたとする場所と血痕の位置が異なるとしながらも、「頭突きを虚偽と断ずることはできない」と指摘。その一方で、「被害者がさらに攻撃を加えようとした事実もない中なされた犯行で、過剰防衛と評価できるものではない」と結論づけた。

　また、「被害者の芳しくない行動が本件犯行を誘因したことは否定できない」とした上で、海老蔵さんが出血によって窒息死する恐れもあったこと、後遺症が出る可能性もあることなどから「執拗かつ危険な犯行で、結果も重大」と犯行を指弾した。

　さらに、過去に傷害罪で執行猶予付き判決を受けていることから「被害者が示談書を作成していることなどを考慮しても執行猶予は相当ではない」と量刑の理由を述べた。

　この日の伊藤被告は、黒のストライプスーツにグレーのネクタイ姿。判決の言い渡し中に、緊急地震速報が法廷で鳴り響いたが、姿勢を崩すことなく、背筋を伸ばしたまま耳を傾けた。

　判決によると、伊藤被告は昨年１１月２５日、東京都港区のビルで海老蔵さんの頭を殴るなどし、２カ月の重傷を負わせた。