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2011-12-06

あまりに危険なTwitter

Twitterは使い方を誤ると人生を毀損する。その人の人生を毀損するのはもちろんだが、周囲の人生までをも毀損するから厄介である。


例えば、こういうツイートがある。

@S_Nakatsu 中津宗一郎

もしドラが250万部売れてから」(笑)/これをハックルは読んだほうがいい。宝くじに当たった程度だということが理解出来ないだろうが/ココに書けないことが色々有り過ぎて辛い(爆笑)。 / “ロト6で1億あたってから” htn.to/mBYpZG

このツイートを簡単に解説すると、まず初めに「ロト6で1億あたってから」というタイトルの記事がはてな匿名ダイアリーにあがった。内容はというと、「ロト6で1億円当たったけど、宝くじに当たって人生を狂わしたという話をよく聞いていたので、ちょっと怖くなった。だから、用心して銀行に預けたまま、あえて使わないようにした。すると、今のところ使わないで我慢できており、人生も狂わさずに済んでいる。しかも、1億の預金があるということで心の余裕が生まれ、日々の生活がより良くなった」というものだ。

この記事に反応した中津宗一郎氏は、上記の状況を「もしドラ」を書いた岩崎夏海に当てはめてツイートをした。曰く「「もしドラ」が売れたのは、宝くじに当たったようなものである=つまりは全くの運に過ぎない。しかもそれを、岩崎夏海は全く理解していない(岩崎夏海は実力だと「勘違い」している)」。ちなみに、最後の「ココに書けないことが色々有り過ぎて辛い(爆笑)」というのは、「中津宗一郎氏の周囲からは、岩崎夏海に関するいろいろおかしな噂話が聞こえてくるが、それは衆人環視のTwitterには書けない」といった意味だ。

しかし、ここで問題となってくるのは、彼のプロフィールである。彼のプロフィールには、こう書いてある。

中津宗一郎|角川春樹事務所書籍編集部書籍編集部でSF時代小説ミステリ、実録ホラーを編集しています。ライトノベルの編集やゲーム製作をしていた時期もありました。幡大介先生の新シリーズ『千両役者捕物帖』が好評発売中! 最近、ミリタリー小説を読みまくっています。新谷かおるみたいな小説がもっとあればなぁ

そうすると、ここから容易に推理されるのは、彼の「周囲」というものが、「角川春樹事務所書籍編集部」だということだ。そして、「ココに書けない」岩崎夏海についてのおかしな噂話というものは、そこから聞こえてきたのだろうということだ。

この「角川春樹事務所書籍編集部」というのは、仕事こそ一緒にしたことはないが、もちろん名前は存じあげている。日本の著名な出版社の一つだ。そうしてそれ以外、特別なイメージというものはこれまでなかった。

ところが、中津宗一郎氏のこのツイートによってイメージされるようなったのは、「角川春樹事務所書籍編集部」というのは、一度も仕事をしたことがない作家の悪口を日常的におもしろおかしく言い合っている出版社――ということだ。そうしておそらく、悪口は岩崎夏海についてだけではなく、他の作家についてもいろいろと言い合っているのであろう。きっとそういう出版社なのだ。

それはしかし、まだいい。そういうこと(悪口をおもしろおかしく言い合うこと)はどこだってあるだろうし、ぼくだって人の悪口は言う。それよりも問題なのは、そういう悪口を会社内で言い合っていることを、衆人環視のTwitterで明らかにしてしまうような、リテラシーの低い編集員を社として雇用している――ということである。あるいは「そういう発言をTwitterでしないように」と、会社として指導できていないコンプライアンス意識の低さである。それがひどい。これは本当にひどく、会社そのものの信用やイメージを著しく毀損している。

「人の悪口を言ってしまう卑しさ」というのはほとんど誰もが持っている。だから、それはあまり問題ではない。問題なのは、「ぼくの所属している組織では人の悪口を言い合ってますよ」と、自分も含めた会社全体の行状まで暴露してしまう卑しさである。これは、多くの人が持っているものではない。普通は隠しておくべきものだ。それくらいのモラルは、社会人なら持っていて然るべきである。

それをしかし、Twitterという衆人環視の場所で吐き出してしまうのは、モラルハザードとのそしりを免れないであろう。


上記のツイート分かったことは、二つある。

1.「角川春樹事務所書籍編集部」では、作家の悪口を日頃から楽しんでいる。

2.「角川春樹事務所書籍編集部」では、そのことをTwitterで暴露してしまうような編集員を雇用している。


ちなみに、中津宗一郎氏はこんなツイートもしている。

@S_Nakatsu 中津宗一郎

@GoITO だって昨日も某出版社から「いやー、ウチで出さなくてほんとよかった(講談社の小説売れてないから)」と聞いたばかりですから! これからのハックル先生の不毛の髪を一層抜くが如き、激しい撤退戦の後、有吉の様な再ブレイクを期待しています!

ここから分かったのは、中津宗一郎氏に「いやー、ウチで出さなくてほんとよかった(講談社の小説売れてないから)」と「誰か」が言った――ということである。そうしてまた、「いやー、ウチで出さなくてほんとよかった」というのは、その「誰か」の所属する「某出版社」から岩崎夏海の本を出すという計画があったが、それが今では立ち消えになった――ということである。

さらには、ぼくには「そういう出版社は限られている」ということが分かるので(というよりほとんど一社しかないので)、その「誰か」というのも分かってしまった――ということである。

その、ぼくには正体の分かった「誰か」氏は、ぼくにぼくの本を出さないかと依頼しておきながら、その後、中津宗一郎氏にぼくの悪口を吹聴して回っているわけだ。それだけではない、「誰か」氏は、自分の言った悪口を中津宗一郎氏にTwitterで自分の正体がバレてしまうような形で暴露されることさえ阻止できない、とても脇の甘い人間でもあるのだ。これは、中津宗一郎氏よりも、その「誰か」氏の信用とイメージを、著しく毀損するものである。


このように、Twitterツイートした本人はもちろんだけれども、周囲の信用やイメージを著しく毀損する。こういう事態を招いてしまうから、Twitterは危険なのである。


参考記事


小説の読み方の教科書

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