笑（藁）をも、掴め!!
今回は、「愛に溺れた芸人たち」というテーマで何人かの芸人さんに話を聞いてきました。
「芸のためなら女房も泣かす」、そんな笑いに命をかけた男達は、いったいどんな愛のエピソードをもっているのだろうか？
すいません、少し恋についてお話聞かしてもらってもいいですか？
「ええよ。」ファショナブルな装いと、それとは不釣り合いの不気味な笑顔でそう答えてくれたのは、恋だ愛だとは無縁にも見えるピースの又吉さん。
愛に溺れて、芸に悪い影響が出た事はありますか？
「うーん、上手くいったことしかないなー。」
そう言って又吉さんは語ってくれた。
又吉さん22歳、当時、暗くて誰と居ても笑う事が出来なかった頃に出会った人が、すごく明るく、リップスライムが好きという女性で、そんな人と一緒にいることで服のサイズがMからXLに代わるとともに、少しずつ人の話で笑えるようになり、明るくなっていった。おかげで今の自分がいる。
だから自分は「愛に溺れた事はない、愛をきちんと泳いできた」と、まだ暗さの残る声で名言を聞かせてくれた又吉さんは、良い事言ってる感に少し溺れているように見えたのは気のせいだろう。
恋をして、何かお笑いを疎かにした事ってありますか？
「そうだなー」続いて答えてくれたのは、パンクブーブーのツコッミ黒瀬さん
昔、好きな子が劇場にネタを見に来るってなったら、その日に新ネタを試そうとなっていたのに、新ネタはウケるかスベるか判らないので、もしかしたら、好きな子にスベッているカッコ悪いところを見せてしまうかもしれないので、どうにか相方にいろんな理由をつけて新ネタをやらないようにした。
すごく小さいような話で、すごく気持ちがわかる話。どうにか、人に良いところを見せたくて、モテたくてこの世界に入って来たんですもの、好きな子ともなれば尚更。カッコ悪い姿見せたくないですよーー。男って、バカ、バカ。
恋してお笑いに悪い影響は？
「そやなー」そう答えてくれたのは、ミスターストイック、キングコング西野さん。西野さんと云えば、絵本を書き始めたらとんでもないレベルのものを仕上げたりと、イメージだがこれをやろうと思ったらとことんやる、寝る間も、きっと彼女がいてもお笑いを優先するであろう人。そんな人にあるはずない。愚問だった。
「あるなー」意外な答えが返って来た。
前に付き合っていた人が、みんなの知っている芸能人で、その事が世の中に出てしまった時。周りの芸人は、そのことをもちろん番組でいじって笑いを取ろうとする。きっと、自分も誰かに熱愛スキャンダルがあれば同じようにイジっていたと思うし、隠すつもりもなかった。けど、いろんなしがらみがあって自分が彼女の事を公の場所でいじる事は許されなかった。あの時、みんな笑いを取ろうとしていた時に、それはイジってくれるなという面白くない返しをしてしまい申し訳なかった。
付き合う時に、そうなる事は予想していたんですか。
「多少は、あったと思う。でも、ほらあれや、良く言うやろ恋ってするものじゃない、落ちるものって。好きになっちゃんたやもん、しょうがないやん（照笑）」
そう言って、西野さんはまた新しい作業に取りかかった。やっぱりストイックな人、別に誰も悪くないこの事にもきちんと反省をする西野さんには、なにがしかの神様が微笑んでくれるだろう。
愛に溺れることがお笑いに悪影響を与えるかどうかわかりません。ただ、僕が思うにお笑いはその人自身の人間性が大きく影響していて、その人間性に変化をもたらす事が誰かと真剣に向き合うことで、人を好きになる事は、それの最たるものだと思う。愛に溺れる事で、お笑いが疎かになったり“面白いこと”より優先するものができたりという瞬間はあるだろう。と同時にそのことが後に自分を成長させ新たなる自分と出会い、また面白い人になれる糧なんだろう、いやしなければならない。
そんなことを、すごく面白い人たちの話を聞いて感じた。あーあ、早く面白くなるために恋したーい。
ハリウッドも注目!?
村上オリジナル動画を独占公開!!
『東京ベンチストーリー』
都会の片隅にあるベンチを舞台に、男と女の甘酸っぱい恋愛が展開されるオムニバスストーリー。童貞感丸出しの誇張された“理想の恋愛”は、観た後に爽やかな苦笑をもたらしてくれること必至!!
監督・脚本・主演／村上健志
Vol.1
Vol.2
Vol.3
Vol.4
プロフィール
村上健志（むらかみ けんじ）
1980年12月8日生まれ、茨城県出身。B型。
2005年に相方の亘健太郎と共にフルーツポンチ結成。独特のナルシストキャラで人気を博すも、近年はあまりの運動神経の悪さから“ヒザ神”（※走る際にヒザが曲がらないことから由来）の称号を授かり、本人の意図しないところでブレイク中。
PROFILE
かまいたち山内、ろっ骨骨折
