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「最も危険な炉」1号機の圧力上昇止まる

 東日本巨大地震で被災した東京電力福島第一原子力発電所は24日早朝から、各原子炉の計器類やポンプの機能を回復させる作業を再開した。前日夕方に3号機の原子炉建屋から黒煙がたちのぼったため、作業を中断していた。

 3号機の黒煙は24日午前4時半までに収まった。経済産業省の西山英彦審議官は「黒煙の原因は特定できないが、ポンプの潤滑油が燃えた可能性がある」と述べた。

 東電は安全は確保されたと判断し、3号機から順次作業を再開。外部電源が中央制御室まで通じた3号機では、仮設ポンプを使って使用済み核燃料一時貯蔵プールへ海水を注入する作業や、真水を炉心へ注入する「補給水系ポンプ」を動かす準備を始めた。

 1号機では23日、炉心を取り囲む格納容器内の圧力が上昇したため、班目(まだらめ)春樹・原子力安全委員会委員長が同日、最も危険な炉であると指摘、東電は対応を検討していた。経産省原子力安全・保安院によると、炉心を冷やすための海水の注入量を毎分約178リットルから約160リットルに減らした結果、24日午前7時には圧力上昇は止まった。保安院は、圧力を下げるために蒸気を外部に放出する必要性は低くなったとみている。

 1号機の中央制御室では、核分裂の連鎖反応を止める効果がある「ホウ酸水注入系」のポンプを制御する表示盤への通電が23日に完了しており、他の計器類の復旧作業も進められた。中央制御室の照明も、午前11時半に点灯した。

 一方、18日にタービン建屋内で1時間あたり500〜720ミリ・シーベルトに達するとみられる高い放射線が認められた2号機では、どこから放射線が出ているかを確かめる手順や、鉛板を使って放射線を防ぎながら作業を進める方法などを検討している。

 陸上自衛隊は24日午前7時前には、大型ヘリCH47を約30分間にわたって福島第一原発の上空に飛ばし、原子炉建屋表面の温度を測定。高精度のカメラを搭載したRF4偵察機も午前に2回、午後に1回、上空を飛行し、写真を撮影する。

2011年3月24日11時46分  読売新聞)

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