東芝が、フィンランドとチェコの原子力発電所建設計画で入札に参加したことがわかった。
落札企業は2013年中に決まる見通しで、いずれも東芝が優位な情勢だ。両国の計画の事業費は合計で最大1兆5400億円に上る。東芝が受注すれば、震災後に停滞していた日本の原発輸出に弾みがつきそうだ。
フィンランドの計画は、出力160万キロ・ワット級の改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)1基の新設で、事業費は40億〜60億ユーロ(約4600億〜6800億円)。入札は仏アレバとの一騎打ちとなっている。ただ、アレバが同国で受注した原発は建設が5年以上遅れており、東芝のほうが信頼性で上回っている模様だ。
チェコの計画は、出力100万キロ・ワット級の加圧水型軽水炉「AP1000」2基の建設で、事業費は100億ドル(8600億円)を超える見込み。こちらはロシアの原発メーカー「アトムストロイエクスポルト」との一騎打ちだ。
ただ、チェコ政府がエネルギー政策面でのロシア依存に慎重になっている上、米政府の後押しもあり、東芝が優位に立っているという。