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震災復興を願う管弦楽器・ピアノの演奏に聴衆が涙--「第32回東芝グランドコンサート2013」が仙台で開催
東芝が、芸術文化支援活動の一環で主要都市などで1月31日から開催している「第32回東芝グランドコンサート2013」の7日目が2月9日、仙台・東京エレクトロンホール宮城で開催された。1月31日の初日と同様、オランダを代表するオーケストラ「ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団」が圧巻の演奏を披露し、さらに国際的なピアニストのヤン・リシエツキさんとのアンサンブルが聴衆を魅了した。
昨年2月、東芝が震災復興支援で行ったチャリティコンサート「東芝チャリティーコンサート 〜人と、地球の、明日のために〜」では、宮城県の高校吹奏楽部員200名が招待された。今回のコンサートでは、宮城県石巻市・名取市・仙台市若林区など宮城県沿岸部の高校吹奏楽部員を約300人招くという前回よりも大規模のものとなった。また、東芝および同管弦楽団の特別な計らいにより、開幕前のリハーサルも高校生に披露された。
同楽団は、カリスマ指揮者のヤニック・ネゼ=セガンさんによって引き出されるカラフルかつスリリングな演奏が特徴。世間一般に言われる名門オーケストラが「重厚」なのに対して、同楽団は「明るい透明な音」と、音楽評論家の渡辺和彦氏は分析する。リハーサルでもそれは垣間見え、本番さながらの姿勢で真剣にリハーサルに挑む楽団員の様子を、高校生は息を呑んで見守っていた。
また、リハーサルの途中ではヤニックさんとヤンさんが高校生に向けて「今日は来てくれて有り難う。一生懸命リハーサルも本番も演奏するので、楽しんでいってほしい」とメッセージを贈る場面も。国際的な2大スターにとって、震災を乗り越えて音楽活動を続ける高校生たちには特別な思いがあったのかもしれない。
18時の開演直前になって楽団員全員がスタンバイすると、ヤニックさんとヤンさんがステージに登場。ヤンさんは現在17歳で、15歳にしてクラシックの名門レーベル「ドイツ・グラモフォン」との専属契約を結んだ天才ピアニスト。2011年にパリ管弦楽団のシーズン開幕コンサートに出演し、2012年にはローマ国立サンタチェチーリア・アカデミー管弦楽団、ニューヨーク・フィルなどと共演した実績も持つ。
第1部では、ヤンさんとロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団員がヤニックさんの指揮のもと、「ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第4番 ト短調 Op.58」を演奏。ヤンさんの軽やかかつ静かなピアノサウンドに、楽団員たちのヴァイオリンやヴィオラ、ホルンなどが加わり、会場はピアノと管弦楽器の美しい音色で溢れた。
聖ウルスラ学院英知高等学校 1年の飯渕さんと伊辺さんは、リハーサルと第1部を聴いて「一音一音に心がこもっており、また吹奏楽とは違った表現に感動しました」とコメント。音楽に表現をつけることを目標にしているという彼女たちにとって、楽団員たちの演奏は衝撃的だったようだ。同楽団の音が会場隅々にまで響いていた点についても驚きを隠せない様子だった。
石巻西高等学校 2年の佐々木さんと山田さんは、年齢が殆ど違わないヤンさんに刺激を受けたと話す。また、ヤンさんがピアノを演奏する際の身体の動きに着目し、「練習では、よく体を使って演奏するように言われるが、まさにこのことだと分かりました」と、自分たちの演奏のヒントを得ようとしているところが印象的だった。佐々木さん・山田さんたちは、震災をきっかけにオーケストラへ招待される機会が増え、そこで聴けるプロの卓越した演奏が部活動の励みにもなっているそうだ。
第2部では「ラフマニノフ:交響曲 第2番 ホ短調 Op.27」が演奏された。第1部とは打って変わって迫力と重厚感のある曲風が特徴で、聴衆を釘付けにしていた。ヤニックさんの指揮で盛大に締めくくられると客席から拍手が湧き起こった。
続いて、ヤニックさんの「津波と地震の被害を受けた人に、心を込めて贈ります」の一言から始まったアンコール曲は、楽団員たちの復興や励ましの思いを強く感じさせる内容だった。その思いは聴衆にも確実に伝わっていた様子で、涙を流す人も。第32回東芝グランドコンサート2013とロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団の演奏は、震災を経験した人たちの大きな励みとなったことだろう。
ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団員のヤニック・ネゼ=セガンさんと、 今回特別に招待された宮城県の高校吹奏楽部員の皆さん |
昨年2月、東芝が震災復興支援で行ったチャリティコンサート「東芝チャリティーコンサート 〜人と、地球の、明日のために〜」では、宮城県の高校吹奏楽部員200名が招待された。今回のコンサートでは、宮城県石巻市・名取市・仙台市若林区など宮城県沿岸部の高校吹奏楽部員を約300人招くという前回よりも大規模のものとなった。また、東芝および同管弦楽団の特別な計らいにより、開幕前のリハーサルも高校生に披露された。
ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団員の生リハーサルを、高校吹奏楽部員の皆さんは熱心に見ていた |
同楽団は、カリスマ指揮者のヤニック・ネゼ=セガンさんによって引き出されるカラフルかつスリリングな演奏が特徴。世間一般に言われる名門オーケストラが「重厚」なのに対して、同楽団は「明るい透明な音」と、音楽評論家の渡辺和彦氏は分析する。リハーサルでもそれは垣間見え、本番さながらの姿勢で真剣にリハーサルに挑む楽団員の様子を、高校生は息を呑んで見守っていた。
また、リハーサルの途中ではヤニックさんとヤンさんが高校生に向けて「今日は来てくれて有り難う。一生懸命リハーサルも本番も演奏するので、楽しんでいってほしい」とメッセージを贈る場面も。国際的な2大スターにとって、震災を乗り越えて音楽活動を続ける高校生たちには特別な思いがあったのかもしれない。
リハーサルの途中、サプライズでヤニックさんが高校生たちにメッセージを贈る場面も |
18時の開演直前になって楽団員全員がスタンバイすると、ヤニックさんとヤンさんがステージに登場。ヤンさんは現在17歳で、15歳にしてクラシックの名門レーベル「ドイツ・グラモフォン」との専属契約を結んだ天才ピアニスト。2011年にパリ管弦楽団のシーズン開幕コンサートに出演し、2012年にはローマ国立サンタチェチーリア・アカデミー管弦楽団、ニューヨーク・フィルなどと共演した実績も持つ。
第1部では、ヤンさんとロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団員がヤニックさんの指揮のもと、「ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第4番 ト短調 Op.58」を演奏。ヤンさんの軽やかかつ静かなピアノサウンドに、楽団員たちのヴァイオリンやヴィオラ、ホルンなどが加わり、会場はピアノと管弦楽器の美しい音色で溢れた。
会場は、ヤン・リシエツキさん(中央下)と弦楽団員が奏でる美しい音色で溢れた |
聖ウルスラ学院英知高等学校 1年の飯渕さんと伊辺さんは、リハーサルと第1部を聴いて「一音一音に心がこもっており、また吹奏楽とは違った表現に感動しました」とコメント。音楽に表現をつけることを目標にしているという彼女たちにとって、楽団員たちの演奏は衝撃的だったようだ。同楽団の音が会場隅々にまで響いていた点についても驚きを隠せない様子だった。
石巻西高等学校 2年の佐々木さんと山田さんは、年齢が殆ど違わないヤンさんに刺激を受けたと話す。また、ヤンさんがピアノを演奏する際の身体の動きに着目し、「練習では、よく体を使って演奏するように言われるが、まさにこのことだと分かりました」と、自分たちの演奏のヒントを得ようとしているところが印象的だった。佐々木さん・山田さんたちは、震災をきっかけにオーケストラへ招待される機会が増え、そこで聴けるプロの卓越した演奏が部活動の励みにもなっているそうだ。
第2部では「ラフマニノフ:交響曲 第2番 ホ短調 Op.27」が演奏された。第1部とは打って変わって迫力と重厚感のある曲風が特徴で、聴衆を釘付けにしていた。ヤニックさんの指揮で盛大に締めくくられると客席から拍手が湧き起こった。
続いて、ヤニックさんの「津波と地震の被害を受けた人に、心を込めて贈ります」の一言から始まったアンコール曲は、楽団員たちの復興や励ましの思いを強く感じさせる内容だった。その思いは聴衆にも確実に伝わっていた様子で、涙を流す人も。第32回東芝グランドコンサート2013とロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団の演奏は、震災を経験した人たちの大きな励みとなったことだろう。
アンコール曲は、楽団員たちの復興や励ましの思いを強く感じさせる内容だった |
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