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成年後見制度で選挙権喪失 違憲判決
3月14日 14時47分

成年後見制度で選挙権喪失 違憲判決
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病気や障害などで判断力が十分でない人に代わって財産を管理する「成年後見制度」で、東京地方裁判所は「後見人がつくと選挙権を失う公職選挙法の規定は憲法に違反する」という初めての判決を言い渡しました。

茨城県牛久市の名兒耶匠さん(50)はダウン症で知的障害があるため6年前に父親と妹が判断力が十分でない人に代わって財産を管理する成年後見制度を利用して後見人となりました。
しかし、公職選挙法では後見人がつくと選挙権を失うと規定されているため、「障害者を守るはずの制度が逆に権利を奪うのはおかしい」と国を訴えていました。
判決で東京地方裁判所の定塚誠裁判長は「選挙権は憲法で保障された国民の基本的な権利で、これを奪うのは極めて例外的な場合に限られる。財産を管理する能力が十分でなくても選挙権を行使できる人はたくさんいるはずで、趣旨の違う制度を利用して一律に選挙権を制限するのは不当だ」と判断し公職選挙法の規定が憲法に違反するという判決を言い渡しました。
最後に裁判長は名兒耶さんに「どうぞ選挙権を行使して社会に参加してください。堂々と胸を張っていい人生を生きてください」と語りかけました。
成年後見制度の選挙権については全国のほかの裁判所でも同じような訴えが起きていますが、判決はこれが初めてです。
平成12年に始まった成年後見制度で後見人がついた人は最高裁判所のまとめで全国で13万6000人に上り、高齢化が進むなかで利用者は増え続けていて、判決は国に法律の見直しを迫るものとなりました。

原告の名兒耶さん支援者に喜びの声

判決のあと、裁判所の前で弁護士らが「勝訴」と書かれた紙を掲げると集まった支援者から大きな拍手と歓声が上がりました。
裁判所から出て来た原告の名兒耶匠さん(50)は「ありがとうございます」と述べ、笑顔で写真撮影に応じていました。
また、父親の清吉さん(81)は「うれしかったです。
裁判長にあそこまで言ってもらえるとは思わなかった」と話していました。
また、判決の後の会見で、名兒耶匠さんは「うれしいです」と話し、記者から「今度の選挙に行こうと思いますか」と聞かれると「思います」と答えていました。
父親の清吉さんは「それまで選挙に行けたものが成年後見制度を利用したとたんに行けなくなるというのは明らかにおかしいと思っていた。
判決で裁判長がきちんと述べてくれたのはわが意を得た思いだ」と述べました。

総務省

今回の判決について、公職選挙法を所管する総務省の米田耕一郎選挙部長は、NHKの取材に対し、「判決の内容を精査したうえで、法務省と協議して今後の対応を決めたい」と話しています。

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