佐伯、首手術から涙の復活Ｖ／女子ゴルフ

＜女子ゴルフ：ＫＫＴ杯バンテリン・レディース＞◇最終日◇２１日◇熊本・熊本空港ＣＣ（６４５５ヤード、パー７２）◇賞金総額１億円（優勝賞金１０８０円）

　首位スタートの佐伯三貴（２８＝日立アプライアンス）が７１で回り、通算４アンダー、２１２で通算６勝目を挙げた。上がり２ホールで連続バーディーを奪い、混戦を制した。笠りつ子（２５）が１打差の２位。横峯さくら（２７）は７７をたたき、通算３オーバーの１７位に終わった。

　最終１８番。ウイニングパットの１メートルを沈めてバーディー。右手を突き上げ、何度も跳びはねる佐伯の目から涙があふれた。

　昨年１２月１４日に選手生命をかけた首のヘルニアの手術をしていた。昨季最終戦翌日の１１月２６日に激痛が襲った。首を前後に動かせなくなった。「駄目だったらゴルフをあきらめよう」と覚悟してメスを入れた。

　クラブを握れたのは今年２月のハワイ合宿。沈黙を守ったまま、今季に臨んだ。「勝つまでは言わないでおこうと思った。逃げ道になるから。もうゴルフができないと思ったのに、こんなに早く優勝できるなんて」と笑顔を見せた。

　７、８番で連続ボギーをたたいたが、１１、１２番の連続バーディーで首位争いに復活。１７番でバンカーから３メートルにつけてバーディーを奪い、通算３アンダー。１組前の笠が３アンダーで終え、プレーオフに備え待機していた。その前で１８番パー５の第３打を１メートルにつけた。「１８番に来たとき、プレーオフは嫌だと思った。第３打はアドレナリンが出て、シュバッ！　と打ちました」と振り返った。

　昨季は２勝し、賞金ランク５位。「次はメジャーを狙いたい。若い子に負けないよう頑張る」と力強く宣言した。【小谷野俊哉】

＜佐伯の使用ギア＞

　▼１Ｗ＝ブリヂストン　Ｖ－ｉＱ（ロフト９・５度、シャフト＝三菱レイヨン　ディアマナカイリ６０　硬さＳ、長さ４５インチ）　▼３Ｗ、５Ｗ＝キャロウェイ　Ｘホット　プロ（ロフト１３・５度、１９度）　▼ＵＴ＝アダムス　アイデアスーパーＬＳ（ロフト２２度）　▼アイアン＝５Ｉ～ＰＷ　ブリヂストン　Ｖｉ－Ｑフォージド　▼ウエッジ　ブリヂストン　Ｘ－ウエッジ（ロフト４８度、５２度）　キャロウェイ　Ｘシリーズ（ロフト５８度）　▼パター＝オデッセイ　ホワイトホットＸＧ　７＃　▼ボール　ブリヂストン　Ｘ－ｊＤ。

　［2013年4月22日9時4分　紙面から］