アニメ「新テニスの王子様」のキービジュアル
(C)許斐剛/集英社・NAS・新テニスの王子様プロジェクト(C)許斐剛/集英社
アニメ「新テニスの王子様」のキービジュアル (C)許斐剛/集英社・NAS・新テニスの王子様プロジェクト(C)許斐剛/集英社

 人気マンガ「テニスの王子様」の続編「新テニスの王子様」のアニメが4日深夜からテレビ東京などでスタートした。魅力的なキャラクターたちが次々と登場し、毎年バレンタインには登場キャラクターごとにチョコレートが贈られるほどの人気作品。「努力・勝利・友情」という少年マンガの王道を描きながら人気を支えているのは若い女性というその秘密に迫る。(毎日新聞デジタル)

 前作「テニスの王子様」は、許斐剛(このみたけし)さんが99年~08年に「週刊少年ジャンプ」で連載したマンガで、コミックスのシリーズ累計発行5100万部以上という人気作。テレビアニメは01~05年に放送された。アニメ制作に関わった広告代理店「アサツー・ディ・ケイ」のプロデューサー・松下洋子さんは「ゴールデン枠での放送だったので子供も大人も楽しめる作品が必要だった」と企画当初を振り返る。少年マンガの王道を描いた作品は放送するやいなや人気となり、小・中学生にテニスブームが到来するほどだった。

 ストーリーは、テニスの名門・青春学園に入学した天才少年・越前リョーマを中心に全国大会優勝を目指してライバル校との戦いを通じて成長する姿が描かれる一方、人なつっこいお調子者、頼りにされるリーダー、テニスに打ち込む努力家など、魅力的なキャラクターたちが次々と登場。若い女性たちを魅了した。

 その人気ぶりは、バレンタインデーに届くチョコレートの数でわかる。11年に届いたチョコは段ボール250箱以上。松下さんは「こんなに若い女の人が入ってくるとは予想外だった」と驚く。人気は主人公のリョーマばかりでなく、クールな実力者でテニス部部長の手塚国光、天真らんまんで人なつっこい菊丸英二など青春学園メンバーをはじめ、他校のメンバーも強烈な個性を持つ。氷帝学園部長の跡部景吾は「チョコ獲得数」7770個と、主人公を抑えるほどの人気者だ。

 松下さんは「キャラの個性が魅力的でいろんなキャラを好きになれる。リアルな人間のように感じてくれているのでは」と人気ぶりを分析。そんな魅力的なキャラを若手俳優が演じるミュージカル「テニスの王子様」(テニミュ)も多くの女性をとりこにしている。

 テニミュは、城田優さん、加藤和樹さん、瀬戸康史さんなど“新人キャストの起用”という形でブレーク。03年4月から約7年にわたり「ファーストシーズン」を上演後、ファンの願いに応え10年8月から「セカンドシーズン」として新キャストで再始動。これまでに800公演以上行われ累計動員数は120万人を超えるほどで、20代の女性会社員は「マンガで好きになったキャラはテニミュでも好き。テニミュで好きになったキャラもいる」と話す。マンガ、アニメ、ミュージカルという多メディアでの展開が相互に好影響を与え合っている。

 まるでアイドルに夢中になるかのようにキャラにほれ込む。そんなファンを“裏切れない”と制作スタッフたちは丁寧に作品づくりに臨む。テレビ放送開始10周年を記念して製作された劇場版アニメ「英国式庭球城決戦!」では、原作で“黄金ペア”として描かれる氷帝学園の宍戸亮、鳳長太郎が並んでトレーニングするシーンを登場させ、観客から拍手がわき起こった。

 続編となる今回の「新テニスの王子様」は、原作マンガが09年3月から「ジャンプSQ.(スクエア)」(集英社)で連載中で、アニメは4日からテレビ東京などで順次放送が始まっている。中学全国大会から数カ月、全国の強豪校のライバルたちが高校日本代表(U-17選抜)候補合宿に招集され、しのぎを削るというストーリーだ。

 青春学園メンバーをはじめ、これまで対戦したライバルたち、“オールスター”が勢ぞろい。松下さんは「3年生の手塚や跡部が後輩たちに何を残すか。高校生に向かっていくという両方が見どころ」と力を込める。テレビ東京の廣部琢之さんは「既存のファンはもちろん、新しいファンの方にも特にマンガを読んでる男性ファンの方にも見てもらいたい」とアピールする。新規ファンを取り込めるか期待したい。