経営難に陥っている北海道電力に対し、日本政策投資銀行が500億円の資本支援を検討していることが1日わかった。北海道電は火力発電の燃料費がかさんで赤字が続き、すべての資産(資本を含む)を売っても借金を返せない「債務超過」に陥るおそれがあるからだ。東日本大震災後に電力会社が資本支援を受けるのは、福島第一原発事故を起こした東京電力以外では初めてになる。

 北海道電は「優先株」を500億円分発行して政投銀に買ってもらい、そのお金を資本に組み込むことで債務超過を回避する。優先株とは株主総会での議決権がない代わりに高い配当金を払う株式で、資本支援の際によく使われる。北海道電はみずほ銀行などのほかの取引銀行に支援を求めることも検討する。

 北海道電は泊原発(北海道泊村)が止まった後に火力発電を増やし、海外から輸入している液化天然ガスなどの燃料費が円安によって値上がりしたため経営が悪化している。今年3月期決算は3期続けての最終赤字になる可能性があり、来年3月期までに債務超過になりかねない状況だ。昨年9月に続いて電気料金を再値上げすることも検討しているが、経済産業省は難色を示しており、銀行の資本支援が必要と判断した。