井沢ステー5
 『子れ』



北原 風子 * 高橋由美子
森崎木の葉 * 菊池麻衣子
北原 辰子 * 丘 みつ子
水木 涼子 * 紺野美沙子
手塚 慎吾 * 正名 僕蔵
田代 信一 * 河西 健司
水木  桜 * 磯部 詩織
寺本 広太 * 西沢 仁太
服部 満夫 * 石丸謙二郎
山崎 幸吉 * 山谷 初男
徳永 秀浩 * 藤田 宗久
美園 孝一 * 吹越  満
美園真理子 * 高橋ひとみ
美園 織江 * 淡路 恵子


企   画 * 酒井 浩至
脚   本 * 田子 明弘
演   出 * 雨宮  望
チーフプロデューサー * 梅原  幹
プロデューサー * 前田伸一郎
    * 森  雅弘
音   楽 * 糸川 玲子





 旧軽銀座が程近い森にある『花』というレストラン周辺に熊が出没した。『花』は美園孝一(吹越満)というオーナーシェフがやっている店で、住人は妻の真理子(高橋ひとみ)、その母・織江(淡路恵子)の3人。しばらくして、役場が仕掛けた檻に一頭の熊が入り、真理子らはほっと胸をなで下ろす。熊には、すでに個体識別用の発信機が付けられており、“駆除”しなければ危険だとの空気が漂った。現場に駆けつけた風子(高橋由美子)は、自然保護の立場から、人里離れた山奥に熊を帰すべきだと主張するが、全くの少数意見であった。

 まもなく、森林組合の鳥獣対策課長・服部満夫(石丸謙二郎)が、サユリと命名されたその熊をトラックに乗せて山奥に出発。風子は、日頃から「熊は悪くない」と話していた服部が、必ずやサユリを自然に戻してくれると信じた。風子は、その後、熊探知機を持って森をパトロールしたが、サユリが森に舞い戻った形跡はなかった。

 翌日、真理子やガイド仲間とキノコ狩りに行った風子と木の葉(菊池麻衣子)は、崖下で死亡している服部を見つけた。風子の熊探知機はサユリの接近を知らせるアラーム音が響いている。どうやら、服部は、再び舞い戻ったサユリから逃げようとして崖から転落したらしいのだ。
織江の話によると、服部は真理子の初恋の相手。真理子は服部との結婚を望んだが、織江の反対でうまくいかず、結局、孝一が婿養子という形で真理子と一緒になり、軽井沢でレストランを始めていた。

 ところが、警察の司法解剖で、服部が人間に殺された可能性が浮上。風子の母で、軽井沢中央署署長の北原辰子(丘みつ子)の命を受けた刑事たちは、直ちに孝一、真理子、織江ら関係者の周辺捜査に動き出した。
刑事らの聴取に、孝一と織江は家にいたとアリバイを主張。真理子はみんなとキノコ狩りに夢中だったという。だが、以前、服部と真理子が密会していたのを思い出した風子は、キノコ狩りの途中、姿が見えなくなった真理子に疑いの目を向けた。しかし、真理子は、服部と密かに会っていたことは認めたものの、売上げが悪いレストランを維持するために借金をしていたと供述する。服部が真理子の初恋の相手だと知る孝一は、服部が死んだ後も、真理子が不倫をしたとなじり続けていた。

 しばらくして、熊探知機が孝一のレストラン周辺で頻繁になることに首をかしげた風子らは、その周辺を重点的に捜索。なんと、真理子の車の中に発信機があることに気付いた。警察の追及に対し、真理子は、森の中で拾ったという。だが、ブレスレットが服部が殺された現場が近いウルシ谷で発見されたことから、真理子への容疑がさらに強まった。
 そんな中、織江が孝一に毒キノコを食べさせたと、風子らに告白して――。