宇宙航空研究開発機構(JAXA)は24日、衛星打ち上げ時の空きスペースに乗せて宇宙に運ぶ小型の商用衛星を募集すると発表した。これまで研究や教育が目的の小型衛星に限って無償で相乗りさせていたが、宇宙の商業利用の拡大に向けて試行的に始める。

 募集するのは、重さ50キロ以下の小型衛星で、募集期間は5月22日まで。2015年度に打ち上げるH2Aロケットに相乗りする場合の料金は、1辺10センチ級の衛星が2700万円、50センチ級が5300万円(ロケットからの切り離し装置をJAXAが準備する場合は7800万円)。研究や教育向けの無償枠も継続、この打ち上げに搭載できるのは、50センチ級なら合計で4機、10センチ級なら16機まで。

 相乗り衛星のほか、実験機器や補給物資とともに国際宇宙ステーション(ISS)に運び、日本の実験棟「きぼう」から宇宙に放出する小型衛星も募集する。ISSへは半年に1回運ぶ機会があり、募集するのは14年10月~16年9月の希望する時期。料金は50センチ級で1億400万円。

 これまで、相乗り衛星として大阪の町工場が作った「まいど1号」や高等専門学校の生徒が作った衛星などが打ち上げられ、「きぼう」からの放出も含めて、計22の小型衛星が宇宙に運ばれている。(西川迅)