安倍首相:中国軍拡,名指し批判 NATO演説で

毎日新聞 2014年05月07日 12時03分(最終更新 05月07日 14時12分)

 【ブリュッセル念佛明奈】欧州歴訪中の安倍晋三首相は6日午後(日本時間6日夜)、最後の訪問国ベルギーを訪れ、ブリュッセルの北大西洋条約機構(NATO)本部で演説した。中国に対し、海洋進出や軍拡の傾向が顕著として「我が国を含む国際社会の懸念事項になっている」と名指しで批判。同時に政権が掲げる「積極的平和主義」実現に向け、集団的自衛権の行使容認などのために憲法解釈を見直す必要性を訴えた。

 ◇集団的自衛権 解釈変更訴え

 日本の首相によるNATOでの演説は、安倍首相が第1次政権時の2007年に行って以来2回目。

 首相は「アジア太平洋地域の安全保障環境は一層厳しさを増している」と強調。毎年10%以上の伸び率で増え続ける中国の軍事費を「内訳が明らかにされない不透明な形で行われている」と批判した。「こうした状況に東南アジア諸国も軍事費を増大させている」とも指摘。「武器および機微な汎用(はんよう)品の厳格な輸出管理を強く訴える」と語り、欧州が中国の軍備増強に関与することがないようけん制した。

 一方、日本が国際社会の平和と安定に積極的に役割を果たす「積極的平和主義」についても説明し、憲法解釈変更の必要性に言及。(1)集団的自衛権行使に当たる可能性があるため公海上の米イージス艦を自衛艦が守ることができない(2)国連平和維持活動(PKO)に派遣されたNATO加盟国部隊が襲撃を受けても自衛隊部隊が応援に駆け付けることができない−−の2例を挙げ「果たしてこれでよいのか」と疑問を呈した。

 また、安倍首相は演説に先立ち、NATOのラスムセン事務総長と会談。海賊対策のためのNATOの訓練に自衛隊が参加することや、国際平和協力活動に参加した経験を持つ日本政府の女性職員をNATO本部に派遣することなどで合意した。さらに日本とNATOとの間で具体的な協力項目を掲げた「国別パートナーシップ協力計画」(IPCP)に署名した。

 会談後の共同記者会見で首相は、集団的自衛権の行使を容認するための憲法解釈変更の政府方針を示す時期について「期限ありきではない。与党でじっくり議論してもらいたい」と述べ、公明党との調整に時間をかける考えを示した。

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