宮守駅、19日から改修工事 遠野、住民ら別れ惜しむ


 遠野市の宮守地域づくり連絡協議会(菅原伴耕(はんこう)会長)は17日、JR釜石線宮守駅で同駅舎の感謝とお別れの会を開いた。駅舎は老朽化に伴い19日から解体・建て替え工事が始まる。住民の足としてだけでなく、祭りなど地域の交流拠点としても70年余にわたり親しまれた駅舎との別れを惜しんだ。新駅舎は3月下旬に完成する。

 住民ら約100人が参加し、同線と同駅舎の歴史を振り返った。国鉄時代に駅員を務めた及川昇一さん、1985年に無人駅になってから乗車券の委託販売を担当した伊藤レイ子さんらが当時の思い出を披露。全員で駅舎を見学し、記念撮影をした。

 現在の駅舎は岩手軽便鉄道時代の43(昭和18)年に完成。第2次世界大戦への出征や帰還の兵士、集団就職などの歴史を見守り続けた。52年には人気俳優の三船敏郎さんや久慈あさみさんが出演した映画「激流」のロケ地になった。通勤通学や通院、買い物に利用されるほか、毎年夏には「宮守駅前にぎわい祭り」が開かれ、住民に愛されてきた。

 新駅舎の建築面積は現在(105平方メートル)の半分弱の43平方メートル。コンパクトにして待合室と駅倉庫、保線休憩所などを内包し、住民がイベントなどで利用できるようテラス空間も設ける予定だ。

【写真(右)=交通だけでなく地域の交流拠点として親しまれた宮守駅舎との別れを惜しむ住民ら】

【写真(左)=宮守駅のホーム。19日から駅舎の工事が始まり、新たな駅舎は3月下旬に完成する】

(2015/01/18)

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