【ワシントン】米国は最新ミサイル防衛システムを韓国に配備する計画を検討している。国防総省は北朝鮮のミサイルの脅威に対抗するため、アジアでの協力拡大に向けた動きを進めている。防衛当局者が明らかにした。

 米国は戦域高高度防衛ミサイル(THAAD)システム用バッテリーを設置する候補地として、韓国で実地調査を行った。ただ、、当局者によると、このシステム配備について最終決定は下されていない。

 THAADは短距離・準中距離・中距離ミサイルの迎撃用で、米国は昨年、北朝鮮からの挑発を受け、グアムの米軍基地を守るため現地にこのシステムを配備した。

 THAADの韓国配備は、地域のミサイル防衛システムにおいて、韓国に対して米国や日本とのさらなる協調を促す重要なインセンティブとなる可能性がある。

 韓国当局は長らく日米ミサイル防衛システムへの参加を望まず、むしろ独自の防衛開発を好んできた。韓国当局は27日、この立場を再確認した。

 防衛当局者によると、米国は自国のTHAADシステムを一時的に韓国に配備し、その後、韓国が購入したTHAADと置き換える可能性がある。

 米国は7基のTHAADシステムを購入する計画だが、これまで稼働しているのはわずか3基で、配備場所をめぐる競争が熾烈になっている。一部の政治家はシステムの1基を韓国へ配備したい考えで、また一部は、イランの攻撃に備え中東へ配備したい考えだ。これ以外の政治家は大きな危機に備え、2基を維持することを望んでいる。

 THAADの主な請負業者は米防衛大手ロッキード・マーチンだ。米同業レイセオンはこのシステムの一部である強力な「Xバンド」レーダーを製造している。各THAADミサイル・バッテリーの価格は9億5000万ドル。

 当局者によると、シンガポールで今月31日に開かれる「アジア安全保障会議」(シャングリラ会合)に合わせて予定されている日米韓の3カ国防衛相会議で、ミサイル防衛協力は議題の中心となる見込み。ロッキードの幹部もこの会議に参加を予定している。