特集 週刊文春 掲載記事

夢のアンチエイジング商品
水素水論争に最終結論!
誌上実験でわかった「本物」と「偽物」
【全文公開】

「ペットボトルはダメ」

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注:サプリメントは1カプセルあたりの数値。μl(マイクロリットル)はmlの1000分の1

(※)小誌が使用した市販の「溶存水素濃度判定試薬」は、付属する計量容器に水素水を6ml入れ、そこに判定試薬を1滴、1滴とたらして水素濃度を計測する。成分のメチレンブルーと白金コロイドが水素に反応し、濃い青色の判定試薬が透明に変化する。1滴で変化させる水素量は0.1ppm。仮に5滴目までに透明になり、6滴目で色が変化しなければ、水素濃度は0.5ppmと判断できる。

 まずは、「水素水」。

 測定するサンプルはあくまで小誌が選び、大手通販サイトやメーカーのホームページで購入。どの商品も同時期に発注し、商品が揃ってから、一斉に計測した。水素水は開封して時間が経つと水素が抜けてしまうため、それぞれ開封直後に「溶存水素濃度判定試薬」(MiZ株式会社)を使い、水素濃度を計測した。

 その結果が右の一覧表。公平を期するため、太田教授の研究室に同じ商品を持ち込み、ユニセンス社製のニードル型溶存水素測定器で計測してもらった。

 だが、結論から言えば、小誌と太田教授の計測値に大きな違いはなく、非常にわかりやすい結果が出た。

 ひとつの目安として「飽和水素水」、つまり何の圧力もかかっていない状態で、最も高い濃度の水素水の数値が1.6ppm。通常ではこれが最も高い水素濃度である(ppmとはparts per millionの略。100万分のいくらであるかという割合を示す単位で1ppm=0.0001%)。

 9つの水素水の中で、濃度が高かったのは、アルミパウチに封入された「水素たっぷりのおいしい水」、「高濃度ナノ水素水スパシア」、「ナノ水素水キヨラビ」の3つ。これらには太田教授も太鼓判を押す。

「アルミパウチの容器が一番水素が抜けにくい。どれも1.0ppm前後の高い数値を検出した。これだけ入っていれば納得です」

 アルミ缶タイプのものは、商品により違いが出た。「水素水『悠久の恵』」はなかなかの好結果だったが、「還元性水素水」は高いとは言い難い。「カラダの中からキレイに水素水」は0.1ppmと、水素水と呼ぶには微妙なほど低かった。

「アルミ缶だとどうしても缶内に空気が残っているので水素が抜けてしまう。分子状水素医学シンポジウムでは、0.08ppm以下のものは水素水として認めていませんが、これは本当に甘い基準で、最低限ギリギリの数値です」(同前)

 ギリギリの結果判定にメーカーはどう応えるのか。

「弊社測定方法での水素含有量は、お問い合わせの数値より高い濃度で計測されております」(中京医薬品)

 そして、まったく水素を検出できなかったのが、ペットボトルタイプ。「ナノバブル水素水」と「天然水素水VanaH」である。

「シンポジウムでもペットボトルはダメだと断言しましたが、その通りの結果でした。出荷時に水素が入っていたとしても、ペットボトルの素材よりも水素分子のほうが小さいため、水素は時間の経過とともに抜け出てしまう。これらは水素水とは言えない」(太田教授)

 これらのメーカーは小誌の取材にこう答えた。

「当社の水素はナノバブル水素ですから、ペットボトルでも抜けないはずです」(オムコ東日本)

「長年に亘り『天然水素』に関して某大学に研究を依頼しており、その研究結果が学術誌に発表されております」(VanaH)

 もうひとつの「水素水5.0」については説明が必要だろう。この商品は医療現場でも使用されているいわば“プロ仕様”のもの。ユーザー自身が水素水を作るタイプだ。

「水素発生素材を試験管のような専用カプセルに入れ、少量の水をたらして水素ガスを発生させます。そのカプセルに蓋をして、水が入った炭酸飲料用のペットボトルの容器に入れて密封すると、水素ガスが水に溶け込み、水素水になります」(「水素水5.0」を使っている病院スタッフ)

 水素ガスの発生は、セットしてから約10分前後で終わる。ペットボトルを30秒ほど振ることで圧力をかけると、さらによく溶け5.0ppm前後の「超飽和水素水」となる。

【次ページ】 水素水1滴にも満たないサプリ

この記事の掲載号

2013年2月28日号
2013年2月28日号
スッパ抜き! 中国人民解放軍「沖縄乗っ取り作戦」
2013年2月21日 発売 / 定価380円(税込)
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水素水太田 成男

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