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慶大生の「海の家」奮戦記(中) ビーチプロレスは大盛況
OG「ビリギャル」も来た!

 このお盆休み、慶応大学広告学研究会が運営する海の家「慶応義塾学生Campstore」は多くのお客様でにぎわった。ビーチでのプロレスイベントやアイドルグループのライブで盛り上がり、売り上げはすでに昨…

authored by 慶応義塾学生Campstore広報

 このお盆休み、慶応大学広告学研究会が運営する海の家「慶応義塾学生Campstore」は多くのお客様でにぎわった。ビーチでのプロレスイベントやアイドルグループのライブで盛り上がり、売り上げはすでに昨年実績を上回った。広研OGでCampstoreを経験した「ビリギャル」のモデルの小林さやかさんにも来店いただいた。「奮戦記」第2弾は営業状況とともに、運営にあたるスタッフたちの舞台裏もクローズアップする。僕たち、意外に体育会系です。

好天続きで売り上げは早くも昨年超え

 8月に入って比較的天候にも恵まれたこともあり、Campstoreの営業は絶好調だった。ピークの来店客数は1日120人。いつもなら客の少ない平日にも、慶応の体育会アメフト部やフットサルのサークルなど団体客が来店した。アメフト部など総勢70人でバーベキューを注文してもらったので、営業面では大助かりだ。8月の2週目に入る頃には、営業期間を3週間以上残して既に昨年の売上高250万円を超えた。

体育会アメフト部の皆さんで店内はいっぱいに

 週末には一般のお客様に加えて、広告学研究会のOBやOGも訪れる。同窓会を兼ねてかつてひと夏の青春を過ごした葉山に集まり、旧交を温めようというわけだ。後輩の僕たちにも激励の言葉をたくさんいただき、ありがたかった。

「ビリギャル」の小林さやか先輩にはモエ・エ・シャンドンを購入いただいた(隣は筆者)

 そうそう、「ビリギャル」のモデルになったOGの小林さやかさんには2度も訪問してもらった。2度目の来店の8月2日には、小林さんと広研同期のカップルの結婚1周年をCampstoreで祝った。このカップルはCampstoreへの参加が縁で結ばれたそうだ。通称「キャンマジ」と呼ばれるこうした例は、少なくない。ひと夏のCampstore体験がもたらす魔法なのだろう。

浜辺でプロレスラーが大技を連発

 お盆期間を中心に、海の家を舞台に多くのイベントも開催した。8月15日には平均年齢13歳のアイドルグループ「メトロポリス」のミニライブを挙行。翌16日には、今シーズンのメーンイベントの「海プロレス2015」を「DDT」というプロレス団体を招いて行った。

 「海プロレス」の会場は海の家の前の大浜海岸の砂の上だ。DDTは書店やキャンプ場、結婚式会場など、およそプロレスとは縁のなさそうな場所で試合を行うといった特徴がある。「海プロレス2015」もその一環で、砂浜を舞台に8人のレスラーが派手な技を連発してくれ、集まった100人近くの観客から拍手と歓声がわいた。

浜辺で熱戦を繰り広げたプロレス団体「DDT」

公民館で合宿、食費は全員分で1日1600円

 ここでちょっとCampstoreの舞台裏を紹介したい。スタッフには広告学研究会の1年生から3年生が参加する。今年の場合は総勢60人。そのうち「役員」と呼ばれる3年生の営業スタッフ13人が現地に常駐する。基本的に役員が店の営業を行うが、夏休み中は1、2年生も3班に分かれてそれぞれ1週間泊まり込みで共同生活をしながら店を手伝う。役員も含め、泊まるのはCampstoreに近い神社の境内にある地区の公民館だ。戦前から存在するような老朽家屋で、雨漏りはするは、虫は湧くは、謎の屋根裏部屋はあるはという代物だが、地元のご好意で格安で夏いっぱい、お借りしている。

合宿所は近くの公民館。テレビもなくスマホは禁止

 海のそばで泊まり込みの共同生活といえば、よくあるサークルの夏合宿のように思うかもしれないが、実際は全く違う。外の社会とは完全にシャットアウトされ、宿舎内ではスマホの使用は禁止。テレビももちろん存在せず、禁酒禁煙だ。原則として3食自炊する。男女を問わず、1、2年生の班員が炊事を担当するのだが、予算は1日全員分でわずか1600円しかない。夜は材料を安く調達してカレーや麻婆丼、そぼろ丼などを作るものの、朝昼はたいていふりかけご飯となる。赤飯を作ってくれた食事当番もおり、スタッフの賞賛を浴びた。


伝統の「儀式」で一体感を高め合う

伝統儀式「よしず」はかなり重労働

 Campstoreの開設後60年だけに、伝統の「儀式」もいくつか存在する。そのひとつが「よしず」(よしず張り)。潮風から海の家を守るために、毎日閉店後に建物全体を大きなよしずで囲う作業だ。風が強い暗闇の浜でこれを行うのは想像以上に難しい。よしずは店の側面2枚と正面1枚の計3枚で、それぞれ縦2m40cm、横10m80cmもある大きなものだ。雨が降ろうものなら、ずっしりと重みを増し、巻き広げにくくなる。1、2年生の班員10人前後が一丸となって声を掛け合いながら目標タイムである3分20秒以内に張り切ることを目指す。「よしず」が意味するものは大きい。目標タイム内にやり遂げることは一つの班として結束して当たった成果であり、班員には大きな感動が広がる。

 そのほかにも朝には全員揃っての朝体操に続いて、浜への何本ものダッシュ、浜の清掃、開店時の音楽に合わせたダンスなど、いくつもの儀式が行われ、営業が始まる。大学生が運営する海の家というと、チャラチャラしたものと思われがちだが、その中身は体育会の合宿に近いかもしれない。こんな、普段経験することのない過酷な生活を夏の終わりまで毎日続ける。でも、終えた先にはやり遂げたという今まで味わったことのない感動がある。今年も最終日にはみんなが涙を流し合うことだろう。

 8月も後半に入り、営業最終日の8月30日まであとわずか。これからは客も減るし、台風の来襲があるかもしれない。でもこの夏の思い出は一生忘れないはずだ。海の家の最後の日を僕たちはどんな表情で迎えるのだろうか。
(慶應義塾学生Campstore 広報 髙橋 優)

開店前には店の前の浜で点呼を行う

慶応義塾学生Campstoreの場所は、神奈川県葉山町御用邸下大浜海岸 
公式サイト http://koad.jp/campstore60th/HTML/

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