未来世紀

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未来世紀FUTURE CENTURY: F.C.)とは、アニメ作品群『ガンダムシリーズ』のうち、『機動武闘伝Gガンダム』およびその派生作品の舞台となった架空の紀年法。スペースコロニー建造を契機に暦が未来世紀に移行したと考えられる。この暦自体はアニメ本編では使用されていないが、前期OP等に登場するキョウジの写真には「F.C-048-7-24」と書かれていることから、少なくとも「F.C.」と略される紀年法は使用されているようである。

未来世紀における世界観及び設定[編集]

世界観[編集]

従来のガンダムの世界観では、「コロニー<地球」という力関係が成立していたが、本作品では逆に「地球<コロニー」となっている。第一話に登場したベルチーノ曰く「コロニーの連中は地球をゲーム盤のようにしか見ちゃいない」というほど地球側の住民は冷遇されており、社会が荒廃している地域も少なくない。現実世界での自動車に相当する交通手段としてはエアカー(スカイカー)が普及している。

地球全体の環境も環境汚染によって大きく荒廃しており、人類の居住にはあまり適さない環境となっている。そのため、世界の国家は宇宙空間にスペースコロニーを保有し、それを現在の本国としている。地球の人間は皆宇宙にあがることを切望しているが、コロニーには支配層・富裕層などの一握りの人間のみがいくことが可能で、政治・経済・軍事などはコロニーの者たちが支配し、彼らは戦争の代替手段たるガンダムファイトによって破滅的な戦争を回避することで繁栄を謳歌する。一方、地球にすむ人類の中核は貧困層であり、荒廃した都市に多くのスラム街が形成されているという、コロニー・地球間にかなり激しい地域格差の構造が作られている。またコロニー行きのチケットを巡り暴動が起こったこともある。

ガンダムファイトの制定により破滅的な戦争の回避と軍縮こそ行われているが、実態として各国は自衛用に軍用MSを所持しており、元来の民生用MSの存在も確認されている。デビルガンダム捕獲作戦におけるネオジャパンの動員兵力を考えると相当数が生産されていることがうかがえる。

名目上はガンダムファイトによる戦争のない社会を謳ってこそいるが、有事には休戦条約を破棄し即座に武装化するなど、未来世紀国家は現実世界における日本のように(名目上の)戦力の放棄や交戦権の破棄は行っていないものと考えられる。

ガンダムファイト及びファイターは、無駄に地球の施設・自然環境を破壊するだけでしかも罪に問われないので、地球にすむ人々には非常に嫌われている。

モビルスーツ[編集]

未来世紀世界におけるモビルスーツは本来、スペースコロニーをはじめとする大規模建造物の建造に用いられた作業機械だが、改良を重ねるにつれ高性能化し、最終的には兵器としての能力までをも持たされるようになった。しかし、性能的には非常にレベルが低く、モビルファイターとの戦闘力の差は大きい。

それに伴い、モビルスーツと言う単語そのものも単なる作業機械から汎用人型機動兵器全般を指す言葉として定着していく。また未来世紀世界における「ガンダム」はガンダリウム合金を用いたモビルスーツ="Gamma UNificational Dimalium Amalgam Mobile-suit"の頭文字をとってガンダムと呼称されている。これはルナチタニウム合金製のモビルスーツが「ガンダム」だった事から本来の名称に取って代わりガンダリウム合金の名が定着した宇宙世紀世界とは経緯を逆にしている。つまり、従来のガンダリウム合金とは、別の種類の合金である。

また、ガンダムファイトに使用されるガンダムは、宇宙を支配する国を決める新たなモビルスーツ= "Govern of Universe Nation Decide Advanced Mobile-suit"の意味もあり、ガンダムファイトにおけるガンダムの役割を表している。なお、未来世紀におけるモビルスーツにおいてはガンダムタイプも参照のこと。

各国家のスペースコロニー[編集]

本作における国家は、基本的に各国家が建造したスペースコロニーに政治・経済・軍事の中枢機能を置く、コロニー国家の形態になっている。

各国家が所有するコロニーの形状は、他のガンダム作品に登場するSF考証に基づいたコロニーとは基本から考え方が異なり、直感的な見た目での分かりやすさが重視されている。その為、それぞれの国が抱かれている典型的なステレオタイプを誇張した様なものを中心に、荒唐無稽ではあるが一目でどこの国家のコロニーか判りやすいものが続出している。

ちなみにネオホンコンはコロニー国家ではなく、地球上の都市国家である。

ガンダムファイト[編集]

前述のように、破滅的な戦争の回避と軍縮のために制定された。ガンダムファイトに優勝した国家は、次のガンダムファイトが開催されるまで事実上宇宙の支配権を得る。国家を代表するガンダムが、地球をリングに壮絶なバトルを繰り広げる。

カオス戦争[編集]

支配層のスペースコロニーへの移転に伴う地球各地の治安悪化及び地域紛争から発展した地球規模の戦争。これは第一次カオス戦争と呼ばれる。 戦争がコロニーにまで影響を及ぼす事を危惧した各国が連合軍を設立し戦争に介入、FC4年にはコロニー連合によって地球は完全な統治下に置かれこの時点で戦争は終結している。 しかしその後、各コロニーは連合内での主権や地球圏の統治権を巡って冷戦状態になり、第一次カオス戦争で活躍した新兵器であるモビルスーツの開発や配備を競い緊張が激化。地球圏全体を壊滅させかねない第二次カオス戦争の勃発は時間の問題とされていた。第二次カオス戦争そのものはE.C.デューサー教授が提案したガンダムファイトにより回避され、コロニー国家は休戦条約を結び表面上は和解している。 後のネオイングランドによる、兵器思想の組み込まれたモビルファイターによって第三次カオス戦争危機が起こるも、ガンダムファイト延期後の第12回大会で東方不敗の優勝によりガンダムファイトは本来の格闘路線に立ち返り、危機は回避された。

未来世紀年表[編集]

F.C. 出来事
01 未来世紀制定。支配階級、地球を脱出。各国がスペースコロニーを建造し、国家中枢もコロニーへ移転する。
02 第一次カオス戦争勃発。
04 第一次カオス戦争終結。
06 第二次カオス戦争の危機。E.C.デューサーの提案により「ガンダムファイト」の開催が決定。各国政府、「ガンダム」の建造を開始。
08 第1回ガンダムファイト開催。優勝はネオギリシャ。戦争が回避される。
12 第2回ガンダムファイト開催。優勝はネオアメリカ
16 第3回ガンダムファイト開催。優勝はネオエジプト
20 第4回ガンダムファイト開催。優勝はネオチャイナ。前回のチャンピオンのダハール・ムハンマドがガンダムファイトにより死亡。
24 第5回ガンダムファイト開催。優勝はネオフランス
28 第6回ガンダムファイト開催。優勝はネオイタリア
32 第7回ガンダムファイト開催。優勝はネオドイツ。カオス軍団と名乗る謎の組織の息がかかったガンダムが出場者の大半を占めていた。ネオジャパン、ネオアメリカ、ネオチャイナ、ネオフランス、ネオロシアが決勝戦放棄。
36 第8回ガンダムファイト開催。優勝はネオロシア
40 第9回ガンダムファイト開催。優勝はネオイングランド。以降第11回まで3回連続ネオイングランドが優勝を飾る。このネオイングランドのガンダムが銃器主体の武装だったことから、ガンダムファイトに兵器思想が氾濫。後のカオス戦争危機の遠因となる。
48 7月24日、カッシュ家の記念撮影。この写真が後に作中に登場するキョウジの写真となる。
52 第12回ガンダムファイト、コロニー国家間の緊張により4年延期。
56 第12回ガンダムファイト開催。優勝はネオホンコン東方不敗マスター・アジア。彼の活躍により、第三次カオス戦争の危機が回避され、ガンダムファイトも兵器思想から格闘戦を重視する姿勢へと戻る。
60 第13回ガンダムファイト開催。優勝はネオジャパンドモン・カッシュ。大会終了後、ネオジャパンコロニーがデビルガンダムと融合し地球や各国コロニーを取り込もうとする。しかし、各国のガンダムファイターが団結し、ガンダム連合結成。デビルガンダムに立ち向かい、これを打破。

外伝の世界[編集]

商業誌に掲載の物を挙げていく。

  • 漫画 『機動武闘伝Gガンダム』
  • 小説 『機動武闘伝Gガンダム』
  • 小説 『機動武闘伝Gガンダム-発動の章-』
  • 小説 『機動武闘伝Gガンダム-流道の章-』
  • 小説 『機動武闘伝Gガンダム-綺羅の章-』
  • 機動武闘伝Gガンダム外伝翔龍伝説
  • 機動武闘外伝ガンダムファイト7th
  • 機動武闘伝Gガンダム-外伝“死亡の塔”
  • 機動武闘伝Gガンダム-番外編“ドラゴン怒りの鉄拳!”
  • 機動武闘伝Gガンダム-外伝“ザ・ネクスト・ジェネレーション”
  • 機動武闘伝Gガンダム-外伝“暗黒のデス・ファイト”
  • 機動武闘伝Gガンダム-外伝“悪夢再来!!脅威のデビルガンダム細胞”
  • 機動武闘伝外伝
  • 機動武闘伝外伝II
  • いけ!いけ!ぼくらのシャイニング・アッガイ!!
  • 機動武闘伝Gガンダム「ガンダムマスクの挑戦」
  • 機動武闘伝Gガンダム「復讐のJガンダム」

関連項目[編集]