ビットコイン型証明サービス「Proof of me」

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ビットコイン証明サービス「Proof of me」

ビットコインは、投機的なお金としての側面ばかりが理解されているが、その最大の発明はブロックチェーンという非中央集権で管理しながらも偽造が不可能な記録にある。

ブロックチェーンに記録するのが金額であれば、それはお金となるが、もっと別のものを記録してもよい。その記録を拡張していって、もっと広範囲のものを証明しようというのが、ブロックチェーン型の証明だ。

いままでの証明は、必ず第三者の権威(オーソリティ)によるものしかなかった。政府機関などのハンコというのはそれだし、公証役場の証明もそうだ。デジタル証明の世界でも、結局は、ルートの認証局が信用できるか、という根本の問題にいきつく。

最後は誰かを信用して、そいつのサインが正しいかどうかを受け入れなくてはならない。

オーソリティによる証明では、改ざんや、とりけしもできる。権威が悪意をもっていれば、記録の改ざんは簡単で、ニュースをみればこういうことはそれなりの頻度で起っている。

掲示板なども、管理人が削除すれば、記録を消すことができる。

これに対して、ブロックチェーン証明の場合は、ビットコインと同じ特徴とセキュリティを持つ。

・改ざんが事実上不可能で、改ざんには参加している採掘者の51%以上のパワーが継続的に必要

・P2Pで管理され、記録が分散しており、記録はどこかのノードに残り続ける。全部のノードが同時に消滅することは考えられない

こうした強力な証明手段を提供するのが、ブロックチェーン証明だ。

これは、現時点でもっとも強力で改ざん不可能な証明を提供するもので、世界のどんな権威も、どんな政府も、これを改ざんしたり取り消すことは事実上不可能である。

もし、貴方が世界を揺るがす秘密をもっていて、それを安全にリークしたいのなら、新聞社に話をもちかけるのではなく、ビットコインのネットワークにブロードキャストするほうが確実だ。

前説がながくなったが、この証明機能を、簡単に使えるようにしているサービスが、Proof of meというものでリリースされている。日本での最初のビットコイン証明サービスである。

現在、シンプルメッセージ機能がリリースされており、120文字(アルファベット)または40文字(日本語、中国語など)の文字列を証明するものだ。任意の文字列を入力することができ、メッセージを記録することができる。

もちろん文字列であれば制限はないので、ここに何らかのファイルのハッシュ値を登録することも可能だ。そうすることで、そのファイルがその時点で存在することが確実に証明できる。

proof of meでは、あらゆるものを証明するとしており、メッセージや、ドキュメント、あなたがいつ何処にいたかという位置、そして究極的にはその人が生きた証拠としてのDNAを永久に記録することを目論んでいる。

興味があるひとは、facebook groupでも活動しているので、参加してみるとよい

https://www.facebook.com/groups/proofofme/

リップルを米国の銀行が採用、銀行むけ決済ソリューションという新しい市場

rippleのプロトコルが銀行に採用されたのは驚いています。先日rippleはむしろ銀行が使うものだという記事をかきましたが、その矢先に採用が決まったのには驚きです。

rippleはゲートウェイの信用問題があるので、なかなか理想通りにはイカないと思っていました。rippleのゲートウェイはそれなりに信用できるではダメで、鉄壁の信用性が必要なのです。ですから、ビットコインのようなボトムアップの方法ではうまくいかないと考えていました。

でもそれはビットコイン的な視点で、むしろ銀行むけの新しいソリューション企業であると考えれば合点がいきます。
Linuxではなく、SAPみたいなもんです。だから、rippleラボが私企業で、XRPが不透明でも何ら問題ない。顧客はエンドユーザーではなく、銀行なのだから。

日本でも、小さな銀行を買収して、ripple化するのは面白いのではないでしょうか。すでにIT業界は、楽天にしろ、ソフトバンクにしろ銀行を持っていますので、何らおかしくない。

決済といういみでは、信用ある銀行間決済をrippleでやるのはキラーで、ビットコインよりも効率的です。決済通貨もXRPのほうが便利になるかもしれない。

ただし、rippleは、やはり便利な半面、インテグレートされすぎている気がする。

Bitcoinは、インターネット的で、基本的なパーツだけが提供されていて、それにいろいろなものが乗っかれるところがいいとおもう。

ビットコインは現在、ECむけの決済が主流で、コンシューマ寄りです。

ただ、Bitcoinも、銀行向けのソリューションをつくろうと思えばつくれる。スマート通貨の発行はすでにできてるし、ブロックチェーン上のエクスチェンジもできている。ブリッジ通貨としてもBTCのほうが堅いはずです。

これらを、インテグレートして、銀行に導入すれば、さらに柔軟なシステムが作れる気がする。

そういう会社があってもいい。

 

リップルの可能性と、そのリスクについて

32リップルについては、銀行ネットワークを置き換える反面、リスクも有る。

最大のリスクは、実際に換金してみるまで、お金が実際にあるかどうかわからない点だ。

リップルは現物のやりとりではなく、あくまで、借用書や預り証の付け替えシステムだといった。

この最たるものが銀行である。銀行は、あなたの預金をもとに、預り証を発行している。通帳は現金ではなく、あくまで銀行にたいしての請求権にすぎない。

もし、銀行に十分な現金がなかったらどうするのか。不良債権ばかりで、実際には現金がなく、全員が一斉に預金を引き出したら、現金がたりない。つまり、取り付け騒ぎである。

銀行は、規制をうけ、監督もうけているため、安全性を客観的に図ることができる。

一方、リップルの預託機関(ゲートウェイという)の場合、現在のところ、その信用を図る方法は限定的だ。実際に、精算してみるまで、そのゲートウェイが本当にお金を払い戻してくれるかわからない。

そもそもrippleの場合、最初に相手を信用する(トラストラインを張る)という行為が必要だ。トラストラインを貼ったゲートウェイからの預り証は、信用できるものとして受け入れる。受け入れるといったのだから、預り証を発行できるということだ。これは表裏一体だ。

あなたが銀行口座を開こうとした時、その銀行は信頼できるとおもってそこに口座を開く。どうような行為が、リップルではトラストラインを張るということに相当する。

しかし、リップルでは、銀行並みに信用できるようなゲートウェイがいまのところはない。もっともベンチャー的なしくみなので、望むほうがおかしいのだが、ただ、リップルの場合、それを信用しなくては取引がはじまらないので、とにかくどこかを信用するしかない。

まったくニワトリと卵の関係だ。

信頼できるところがないけど、どこかを信頼しないと利用できない。利用するひとが増えないと、信頼できるゲートウェイもできない。

思うに、リップルはこういうベンチャー向きな仕組みではなさそうだ。

ゲートウェイは、銀行の窓口業務そのものであり、高度な信頼が必要だ。

つまり、解は、すでにある銀行がリップルを採用して、ゲートウェイになるということだ。これができれば、信頼できる預託証書が出回ることができる。

リップルは銀行システムのコピーなのだから、リップルが有用に機能するには、銀行が必要なのだ。つまり、本物の銀行のようにセキュリティと信頼が高いもの、つまり本物の銀行そのものが必要だということになる。

これはrippleにおけるパラドックスだが、もし本当に銀行がrippleを採用しはじめたら事態は変わる。

現在の銀行システムと親和性が有り、自分の預金がripple上にのって、手数料がほぼ無料で、瞬時に24時間、送金(付け替え)できたりするようになる。既存の仕組みが格段に使いやすくなるので、現金やデビットカード、クレジットカードを完全に置き換えるだろう。

ただ、ビットコインのようにボトムアップの発展に期待するのは難しそうだ。ripple labなどが積極的な営業主体となって、銀行への導入を働きかけ、インテグレートする必要がある。

そのためにripple labは株式会社になっていて、権限が集中しているのかもしれないが。つまりrippleはオープンソース的なものではなく、銀行向けソリューションの提供会社とみたほうがしっくり来る。この点もビットコインとは異なる。

銀行自体ををリップルによってリプレイスするのではなく、銀行を顧客として、銀行のITをリプレイスする、とかんがえるのがいいと思う。

楽天銀行なり、ジャパンネットバンクがrippleを導入するようなら、ぜひ関わってみたい。独自アプリで、送金無料とするよりも、もっと面白いことができるはずと見ている。