【函館】函館市亀田本町のJR五稜郭駅舎内のそば店が28日、約50年の歴史に幕を閉じる。店舗が老朽化したためという。昨秋にはJR函館駅のそば店も閉店しており、通勤・通学客らの腹を満たしてきた「駅そば」の灯が函館の街から消える。

 そば店を経営する北海道キヨスク(札幌)によると、五稜郭駅にそば店ができたのは1967年。その後、経営者が幾度か変わり、2014年10月から同社が「駅そばみかど JR五稜郭駅店」として運営してきた。同社は「老朽化で閉店を決めた」としている。 

 現店舗はL字形のカウンターに6席があり、「海鮮かきあげ」や「月見」など6種類を提供してきた。40年以上通う市内の会社員、山田順一さん(59)は高校からの帰途、同駅で乗り換える際は必ずそばを食べていたといい、「駅そばのしょっぱい汁の味は青春の味です」と惜しむ。

 週2、3回は足を運ぶ市内の会社員石田庸大(ようすけ)さん(28)は「顔なじみの店員さんと『今日も寒いね』と話すと心も温かくなった。今後はどこでそばを食べたら良いのか」と寂しげだ。

 各地の駅そばを食べ歩いて昨年、「全国駅そば名店100選」(洋泉社)を出版した東京都内のフリーライター、鈴木弘毅さんは「駅そばは乗り換えなどの空き時間に利用するもの。交通の便が良くなるほど逆風が吹く運命にある」と解説する。(袖山香織)