火曜サスペンス劇場



井沢ミステリー(7)
づくり』

キャスト

北原 風子 * 高橋由美子
森崎木の葉 * 菊池麻衣子
北原 辰子 * 丘 みつ子
田代 信一 * 河西 健司
手塚 慎吾 * 正名 僕蔵
寺本 広太 * 西沢 仁太
レストラン店主 * モロ師岡
丸山美由紀 * 青田 典子
丸山 卓巳 * 守田 聖正
丸山 芳江 * 赤座 美代子
広瀬耕太郎 * 坂上  忍
明石 順二 * 古田 新太
明石 直美 * 藤田 朋子
スタッフ

脚   本 * 大石 哲也
監   督 * 森  雅弘
プロデューサー * 前田伸一郎
    * 荻野 哲弘
    * 赤羽根敏男
    * 川原 康彦
音   楽 * 糸川 玲子

ストーリー

風子(高橋由美子)と木の葉(菊池麻衣子)が、シングルマザーの丸山美由紀(青田典子)とその母・芳江(赤座美代子)の経営する無農薬食品の店を取材。その流れで、店に野菜を卸している無農薬農園を訪ねることになった。この農園は、明石順二(古田新太)、直美(藤田朋子)という夫婦が守っており、直美が子宝に恵まれないらしく農園には夫婦2人しかいないようであった。

まもなく、明石の農園に行った木の葉は、かつて家庭教師をしてもらい、現在は東京でフレンチレストランを経営しているはずの広瀬耕太郎(坂上忍)と再会した。話によると、明石と広瀬は幼なじみの親友同士。広瀬が2週間前にレストランを潰したと聞いた明石は、何のためらいもなくしばらく農園で働くよう勧める。だが、3人の様子を見ながら、木の葉は、直美がかつて広瀬の恋人だったことを思い出し複雑な思いに駆られた。

その2日後、風子の元に辰子(丘みつ子)から、美由紀が交通事故で死亡した、との連絡が入った。すぐさま風子が駆けつけた現場は、人気のない山道。事故の相手があの広瀬だと知った風子は、ア然となった。警察の取り調べに対し、広瀬は、雨の中を走行中にスクーターに乗った美由紀と激突し、すぐに119番通報したと供述する。そして、全面的に自分の過失であることを認めた。

状況から判断すると、広瀬は微罪で済みそう。だが、娘を亡くした芳江と5歳になる美由紀の子・卓巳(守田聖正)の2人に責任を追及された広瀬は、ただ詫びるばかり。普段から、卓巳を可愛がっていた明石も大きなショックを受けたようであった。

明石が広瀬に家から出て行くよう告げる中、風子は、事故当時、投げ出された美由紀のカバンの下にハナカンザシの花が開いていたことを思い出し、首をかしげた。ハナカンザシは、雨に濡れると花が閉じる習性がある。この習性と事故が雨の中で発生したという広瀬の供述は矛盾するのだ。気象台の資料によると、事故現場に雨が降り出したのは、広瀬が119番通報する30分程前であった。

この事実を木の葉に追及された広瀬は、事故発生時刻のことには口をつぐんだまま、美由紀を殺した罪は一生かけて償うと話す。ところが、翌日、その広瀬がなんとスズランの毒で自殺を図った。辛くも命を取り留めた広瀬は、駆けつけた直美の前で、「償いだ」とつぶやく。そして、この時を境に家を飛び出した直美は、一人で広瀬の付き添いを始めた。明石の話によると、15年前、直美は広瀬と愛し合っていたが、広瀬が料理修業のためフランスに渡ったため、傷心で軽井沢に舞い戻った。明石は、そんな直美を優しく見守り、やがて2人は結婚していたのだ。

まもなく、警察の検証でも、事故が雨が降り出す前に発生していたことが判明し、広瀬が誰かをかばっている可能性が浮上。さらに、美由紀が事故が発生する少し前、明石と密会していたことが明らかになるが―。