【長万部】町は28日、アイヌ民族の英雄シャクシャインが1669年(寛文9年)、和人との不平等交易に抗して松前藩と激戦を交えた国縫川ほとりの旧国縫小敷地に「シャクシャイン古戦場跡碑」を設置し、除幕式を行った。北海道、新ひだか両アイヌ協会の関係者も出席し、戦禍に倒れた犠牲者をしのんだ。

 シャクシャインはシベチャリ(日高管内新ひだか町静内)のアイヌ民族の首長。和人に生活を圧迫されたアイヌ民族に呼び掛けて決起し、約2千人に上る軍を率いて国縫まで攻め上り、国縫川を挟んで松前軍と対峙(たいじ)した。和人の鉄砲に毒矢で対抗したが、シベチャリまで後退を余儀なくされ、和睦の席で毒殺された。国縫は最大の激戦地で、両軍合わせて数百人が死亡したとされる。

 こうした歴史を後世に受け継ごうと、5年ほど前から地元の長万部アイヌ協会や国縫自治会などで記念碑建立の機運が高まり、要請を受けた木幡正志町長が応えた。新ひだか町で毎年9月に開かれるシャクシャインの法要祭には、木幡町長ら長万部の関係者も出席している。

 碑は御影石製で、台座からの高さ2メートル、幅3メートル、奥行き1メートル。正面を新ひだか町方向に向けた。碑には、北大アイヌ・先住民研究センターの佐々木利和客員教授の監修で、歴史的経過とともに「この戦いは、先住民族アイヌと中央政権との主従関係の成立を意味しない」などと刻まれた。

 式には約50人が出席。北海道アイヌ協会の加藤忠理事長、アイヌ文化振興・研究推進機構の中村睦男理事長、新ひだかアイヌ協会の大川勝会長ら6人が除幕を行った。木幡町長は「歴史を刻んだ激戦の跡を訪ね、祈りの手を合わせていただければ」とあいさつ。加藤理事長は「立派な碑ができ、心からうれしい。犠牲者に鎮魂の誠をささげたい」と述べた。(斉藤高広)