今年NAB2007において、Appleとアライアンスを組んだことで、関係者や参加者を驚かせたカメラが登場した。4Kと言う高解像度を収録し、編集するワークフローを実現する低価格のカメラRED Digital Cinemaである。業務用機材に見られる無骨なデザインではなく、REDは、アライアンスを組んだAppleのようにスマートなデザインで統一されている。実用以上に所有したいという食指がのびる。それもそのはず優れたデザインのOakleyサングラスの創始者でもあるJames Jannard氏が同社のファウンダーでもある。 $17,500-で4K撮影を実現する価格も魅力的である。これまでの4K撮影を可能にしてきた、パナソニックのヴァリカム、ソニーシネアルタダルサのデジタルオリジンなどデジタルシネマカメラの価格から見ても10分の1以下である。記録方法は MYSTERIUMセンサーのデータをネイティブ記録する「REDCODE RAW」を実装、サポートしており、RAW記録の場合には 320GB RED – DRIVE に2時間の記録が可能になる。 約2時間の映画を想定した4Kのワークフローのシステムを組むと最低4億円はかかる。どちらにしろ億単位の世界だ。その世界が大きく変わろうとしている。ソニーやパナソニックが毎年熾烈な争いをする中で突如現れ、果敢に大手に挑むREDに多くのカメラファンは、賛辞を送る。日本で言えば、トヨタ、日産などの大手メーカーに対抗する光岡自動車のような存在に他ならない。さらにこのまま蜜月ぶりがうかがえるAppleがREDを買収し、iCinemaなるカメラを出してもらいたいと言うのが個人的な意見だ。あくまでも独断と偏見ではあるが…。 00aa.gif 猪蔵
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インターフェースを見ると、波形モニタやヴェクタースコープやフィールドモニタなどなど、どこかで見たような機材ばかり…。
音楽の世界ではハードウェアがソフトウェアシンセでエミレーションされる事が定番となっているが、まさにアドビOn Location CS3(以下OL)は、その映像版といえる。
いくらクリエイティブに作品を作ろうとも、映像には数多くの決まりごとがある。
映像を納めるのには、決められた信号通りレギュレーションどおりに従うしかない。
これがまた大変なのである。
撮影一つにしてもホワイトバランスや音声そして色見など厳密に見ていくには、そのために必要な機材を揃えなくてはならず非常に煩雑である。
その点OLは、全て揃っている便利なものなのだ。
インターフェースはまさにソフトシンセ宜しくどこかで見たような機材を呈したインターフェース。実際につまみやスイッチは稼動し、調節を行える。
カメラの調整、レベルの確認、信号のモニターを簡単に行うことができ、バーチャルリファレンスモニタ、総合的なウェーブフォームモニタとベクトルスコープ、オーディオスペクトルアナライザによって、撮影時のトラブルが避けられる。
必要なものは、SD、HDV、HDカメラとFirewireで繋いだノートパソコンとOLのみだ。
これでレギュレーション通り映像を取り込むことが出来る。
便利なソフトウェアである。
OLを使用すれば、カメラから映像を直接ハードディスクに録画可能なため、テープ操作をすることなく、瞬時にレビューを行うことが可能だ。音声や映像の問題を自動的に検出するなど、非常に便利なソフトウェアであるのだ。 00aa.gif 猪蔵