台湾当局が米配車アプリ大手のウーバーテクノロジーズに対する締め付けを強め、正規のタクシー会社として登録しなければ最大2500万台湾ドル(約9000万円)の罰金を科すと罰則を強化した。ウーバーが世界各地で突き当たっている規制の壁を浮き彫りにした形だ。
昨年就任した蔡英文総統は、台湾の領有を主張する中国への経済的依存を弱め、台湾を起業活動の中心地にすることで成長を高めたいと考えている。
ウーバーは世界各地で規制の壁に突き当たっている
ウーバーにとって台湾は競合他社がいない数少ない市場の一つだが、台湾当局は6日から、ウーバーとそのドライバーによる違法な乗客の運送に対する罰金の最高額を15万台湾ドルから2500万台湾ドルへ引き上げる。
台湾当局は、ウーバーはタクシー会社として登録し、他のタクシー会社と同じ安全確保と保険の基準に従う必要があり、そうしなければ法律違反で処罰するとした。
ウーバー側はタクシー会社ではないと主張し、台湾当局の規制に従えば「当社のビジネスモデルが困難になる」と反論している。
「ウーバーも競合各社もタクシー会社ではない」と、ウーバーの台湾現地法人を率いる顧立楷氏は言う。台湾では100万人がウーバーのアプリをダウンロードし、1万人がドライバーに登録している。「我々は車と乗る人を結びつけようとしている」
ウーバーとそのドライバーは、すでに合計9200万台湾ドルの罰金を科されており、罰金の引き上げはウーバーの事業継続を困難にする恐れがある。
交通部(交通省)の高官は、ウーバーは苦境にある台湾のタクシー業界に打撃を与えていると言い、安価なサービスを提供できるのは規制に従っていないからだと述べた。
同高官は、ウーバーは「立派な」ことを言いながら法を破り続けていると非難し、こう述べた。「若い人たちは私たちがハイテクの発展を妨げているように思うかもしれないが、実際にはそのようなことではない」
By Ben Bland
(2017年1月6日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
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