ピーアークが新業態として1円パチンコをスタートさせたのが、2006年6月のことだった。当初の狙いは1円にすることで、パチンコ入門のハードルを下げて、間口を広げることにあった。当初は懐疑的だったが、同じ金額で4倍遊べることから札幌で火が付き、ダイナムが1円に舵を切ると、瞬く間に全国に広まった。それに伴い、遊技人口が一時期回復した。スリープユーザーが戻ってきたためだ。
この10年で1円パチンコは廃れるどころか、どんどん主流になってきているのが実情で、その分4円が衰退の一途を辿っている。1円パチンコは4倍遊べることが謳い文句だったが、ホールにすれば、1円が主流になることで、売り上げは逆に1/4に下がってきている、ということだ。
ホールの売り上げは下がっても機械代は下がるどころか、上がりっぱなしなので、機械代がホールの収益を圧迫することとなる。
「1円で失敗しているホールの共通点は、1円だからとスタートを低くして、スランプが出る釘調整になっていること。4倍遊べるといううたい文句とは裏腹に、4倍のストレスを生んでいます。1円のお客様は心地いい釘調整の中で、4倍遊びたいのに、そんな環境を提供していない。 ホールは1円で利益を取ろうとするから、お客様にとっては不快な状況を作っている。そういう店は淘汰されていきます」(コンサルタント)
これは1円パチンコが定着し始めたころのコンサルタントの意見だが、今は4円では稼働がないので、利益を取ろうにも取れないために、1円でしか利益を取ることできない。そこで稼働の取れない4円を諦めて低貸し専門で新台をバンバン導入するホールも登場するようになった。
ユーザーの立場でイケロンさんは、低貸し全廃を唱える。
「とにかく低貸しを止めてレートを4パチ20スロに統一して、低貸ししか打てない客は全員切り捨てる事が最重要課題だと思います。現在のパチンコホールは低貸しの客を遊ばせる為の新機種購入代金を、4パチ20スロの客が支払うような図式になってしまっている状態で、新機種を購入すると、4円コーナーでガチガチに釘を締めた状態で機械代金を回収した後に、低貸しコーナーに移動して客に遊ばせるような経営方針が多いように思いますが、これでは一般客は真面目に4円コーナーで打つのが馬鹿らしくなってしまい、結果として低貸しコーナーに移動する客の流出に歯止めが効かなくなっているのですから、売り上げを回復して4円パチンコの遊技人口を増加させるためには、まず最初に低貸しコーナーの全面廃止を業界団体が一団となって行うべきだと思います」
さらに過激な意見は続く。
「ハッキリ言って《低貸しコーナー》と《低貸しコーナーしか遊技をしない客》はパチンコホール業界に巣食うガン細胞だと思います。このままの状態で放っておけば放っておく程、ガン細胞はどんどん大きくなってパチンコホール業界全体を蝕んでいきますから、ここはまず先に手遅れにならないように出来るだけ早い段階で、パチンコホール業界が一丸となって痛みに耐えてガン細胞を切り捨てて、パチンコホール業界のお荷物になっている腫瘍と膿を出し切るべきだと思います。その決断を行わない限りは、パチンコホール業界に明るい未来は無いのですから」
ユーザーからの4円復活待望論である。
1パチがスタートして早いもので10年になる。10年一区切りという言葉があるように、10年経てば昔のことともいえる。それだけ世の中の流れは早い。
「組合の会合の後、4円を皆で止めたら、ファンが増えるか、という話になった。低貸し専門店から『止めて欲しい』という声も挙がったほど、1円も飽和状態。かつて1円は隙間産業だから良かったが、今は隙間ではなくなっているので、抜くこともできない。1円に代わる隙間が欲しい」(都内ホール関係者)と悲鳴が上がる。
固定経費は変わらない中で、売り上げが下がれば、利益は下がり、投資マインドも冷める。
10年前は低迷する稼働に歯止めをかけるために必要だった1円であるが、そもそも4円で遊ばせることができていたなら…初回ラッキーナンバーで40玉交換を続けていたなら、1円に泣かされることもなかった。
お客さんは一度1円に腰を据えると、二度と4円には戻れない。
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低貸し全面禁止論
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