「自分のがんを子どもに伝える」約70% 患者会調査

「自分のがんを子どもに伝える」約70% 患者会調査
k10010924671_201703260618_201703260619.mp4
「自分が“がん”とわかったとき、子どもへの告知をどうするのか」、患者会が子どもがいるおよそ130人を調査をしたところ、およそ70%が告知をしていて、そのうち90%が「伝えてよかった」と考えているという調査結果がまとまりました。
この調査は去年12月子育て中のがん患者で作る患者会「キャンサーペアレンツ」が、会員にインターネットを通じて行い、男女合わせて133人が回答しました。それによりますと、「がんであること」を子どもに伝えたのは73%でした。

また伝えたあとの状況について「伝えてよかったと思う」と回答したのは87%で、「家族で病気と立ち向かう雰囲気ができた」とか、「家族を支えようと子どもがさまざまなことに協力的になった」といった意見がありました。一方、伝えていない人からは「精神面に悪影響を与えないか」を心配している人が目立ちました。

キャンサーペアレンツの西口洋平代表は「患者は告知することで、子どもにどんな影響があるかを心配している。医療関係者はそうした対応について積極的にアドバイスしてほしい」と話しています。

告知した女性は

東海地方に住む30代の女性は2年前、肺がんが見つかりました。当時、小学1年生の長女を筆頭に4歳、9か月と3人の子どもがいましたが、夫婦で相談し告知をしないことにしました。女性は「子どもの心に傷が残ると思い、伝えるのを避けました」と話しています。

しかし、1年ほどたち小学2年生になった長女ががんについて書かれた子ども向けの本を借りてきたのを見て、女性は長女ががんであることに気付き、受け止める準備ができていると考え、告知を決めました。そして長女と2人きりの時に抗がん剤の治療を受けていることも打ち明け、「病気に負けないつもりだから一緒に頑張ろう」と伝えると長女は安心したような表情を見せたということです。

女性は「すべて打ち明けたことで子どもは安心したようだった。“一緒に病気を乗り越えよう”という機運が出てきました」と話していました。

専門家 3つのポイント

がんを告知するときに使う絵本の監修を行った聖路加国際病院の小児総合センター医長、小澤美和医師は、親ががんとなり子どもが家族の変化に気付くそぶりを見せたり、態度が不安定になったりした場合は、伝えたほうがよいと話しています。

そして3歳程度であれば親の病気を理解できるので、「がん」という病名や「うつる病気でないこと」、また、自分のせいでがんになったと考える子どももいるため、「病気は誰のせいでもない」と説明することが大事だということです。

小澤医師は子どもの年齢や家庭環境が異なるため告知するかどうかはそれぞれの家庭で判断するものだとしたうえで、「家族の一員として子どもも一緒に闘病に立ち向かえれば、成長の糧にできる」と話しています。