5日
17時40分
2分27秒

シリア、サリン使用の疑い 少なくとも58人が死亡

 猛毒のサリンが使われた可能性も指摘されています。シリア北部の反体制派が支配する地域で攻撃があり、窒息するなどして、少なくとも58人が死亡しました。現場では一体、何が起きていたのでしょうか。

 4日、シリアで反体制派が支配するイドリブ県の空爆後とされる映像です。多くの人が息が出来ずに苦しんでいるのがわかります。反体制派の映像では、医師がこう訴えます。

 「患者は有機リン系化学兵器による症状を示している。光に反応していない・・・。瞳孔が小さくなっているから光に反応しないのだ」

 これについて専門家は・・・

 「(分解が起こり)現場に残っておらず、瞳孔が小さい。神経ガスの中でもサリンだ」(神奈川大学 常石敬一 名誉教授)

 オウム真理教が東京の地下鉄でまいた神経系化学兵器「サリン」が使用された可能性が高いといいます。

 「けいれん、呼吸困難。これも神経ガスや有機リン系毒物のかなり代表的な症状」(神奈川大学 常石敬一 名誉教授)

 イギリスで活動するシリア人権監視団によりますと、この攻撃で、子ども11人を含む少なくとも58人が死亡しました。

 シリア軍は化学兵器の保有自体を否定。ロシアの外務省は5日、シリア軍が反体制派の化学兵器工場を空爆した結果、被害が起きたと発表しました。

 専門家はこの説明について、理論的には可能としながらも、化学兵器を詰めた爆弾を投下した可能性のほうが高いと見ています。

 「国家なり、航空機から爆弾投下できる人たちがサリンをばらまいているというふうに思っている」(神奈川大学 常石敬一 名誉教授)

 シリアの化学兵器をめぐっては、2013年にシリア政府側が使用したとの疑惑が持ち上がりました。この時はアメリカとロシアの圧力で、シリア政府が国連機関の監督のもと、すべての化学兵器の搬出・廃棄に応じていました。しかし、今回の攻撃で、シリア政府側が猛毒の化学兵器を未だに保持している可能性が指摘されています。

 アメリカのトランプ大統領は、シリア政府軍による攻撃だと発言。国連安保理も5日に緊急会合を開くなど、国際社会の対応が注目されます。

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更新日時:4月 8日 12時2分

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