米 シリアの化学兵器疑惑でアサド政権に対抗措置検討

米 シリアの化学兵器疑惑でアサド政権に対抗措置検討
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アメリカのティラーソン国務長官は、シリアで化学兵器の使用が疑われる攻撃によって多数の死傷者が出たことについて、アサド政権によるものだとしたうえで、「重大な措置が必要だ」と述べ、トランプ政権として対抗措置を検討していることを明らかにしました。アメリカの複数のメディアは、アサド政権に対する空爆が選択肢として検討されていると伝えています。
アメリカのティラーソン国務長官は6日、記者会見を行い、シリアで化学兵器の使用が疑われる攻撃によって多数の死傷者が出たことについて、アサド政権による攻撃だったという見方を改めて示しました。

そのうえで、「これは深刻な事態で、重大な措置が必要だ」と述べ、トランプ政権として対抗措置を検討していることを明らかにしました。

これについて、アメリカの複数のメディアは、アサド政権の軍事施設に対する空爆などが選択肢として検討されていて、トランプ大統領がマティス国防長官から説明を受ける見通しだと伝える一方、まだ対応の決定には至っていないとしています。

また、ティラーソン長官は、「アサド大統領にシリアを統治する資格はなく、ロシアは政権を支え続けるか慎重に考えることが重要だ」と述べ、アサド政権を支援するロシアに対し、関与を見直すよう求めました。

この問題で、トランプ大統領は5日、「一線を越えている。シリアとアサドに対する私の姿勢は大きく変わった」と述べて、アサド政権に対し、より厳しい姿勢で臨む構えを示しています。

プーチン大統領「根拠ない非難は受け入れられない」

一方、ロシア大統領府によりますと、プーチン大統領は6日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話で会談し、シリアの反政府勢力や欧米諸国が、アサド政権が化学兵器を使用したと非難していることについて、「入念で公平な国際的な調査も行われておらず、根拠のない非難は受け入れられない」と述べ、強く反発しました。

アサド政権への軍事支援を行っているロシアは、「反政府勢力が化学兵器を保管している倉庫を、シリア軍が空爆しただけだ」などと主張していて、欧米などの主張とは真っ向から対立しています。

トルコ 対抗措置とれば支援の考え

アサド政権に対し、アメリカのトランプ政権が対抗措置を検討していることについて、アサド政権の退陣を強く求めてきたトルコのエルドアン大統領は6日、地元テレビのインタビューで、トランプ政権の姿勢を歓迎したうえで、「発言が実行されないままであってはならない。行動が起こされれば、われわれも役割を果たす用意がある」と述べ、アメリカが対抗措置をとれば、トルコとして支援する考えを示しました。

また、アサド政権を支援するロシアが政権側の関与を否定していることについて「悲しむべきことだ」と述べ、ロシアに姿勢を改めるよう求めました。

米国務長官とロシア外相が協議の予定

ティラーソン長官は今月12日、就任後初めてロシアを訪れ、ラブロフ外相と会談する予定で、シリアでの化学兵器の使用が疑われる攻撃についても協議する予定です。

訪問に先立ち、6日、国務省の高官は「両国の関係がどれくらいのスピードで、どの方向に向かうかは、ティラーソン長官がモスクワでロシア側から聞く話次第だ」と述べ、ロシアがアサド政権の支援に固執すれば、米ロ関係の改善を模索する動きに影響が出るという見方を示し、ロシアをけん制しました。

また、この高官は、ティラーソン長官が5日、ラブロフ外相と今回の攻撃をめぐり電話で会談し、ロシア側に分析の提供などを求めたことを明らかにしました。