福島から避難でいじめ204件 対応を検討へ

福島から避難でいじめ204件 対応を検討へ
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原発事故などで福島県から避難した子どもたちへのいじめについて、文部科学省が全国調査を行った結果、その数は204件に上りましたが、「放射能がうつる」など、いじめの原因が「原発避難」によるものは全体の1割未満にとどまりました。松野文部科学大臣は原発避難いじめが表面化していない可能性もあるとして、今後、対応を検討する考えを明らかにしました。
文部科学省は、横浜市などで明らかになった原発避難いじめの実態を把握するため、先月、全国の教育委員会などを通じて、福島県から全国に避難している小中学生や高校生など、1万1800人余りを対象に初めて調査しました。

その結果、避難先で児童や生徒が受けた、いじめの件数は合わせて204件に上ることがわかりました。内訳を見ますと、昨年度、起きたいじめは129件、平成27年度までの5年間にあった、いじめが75件となっています。

いじめの内容としては入学した時、『福島へ帰れ』と言われた小学生や、避難当初、『放射能がうつるから来ないで』と言われた中学生などの事例が報告されています。

一方、NHKが福島県から避難した740世帯余りに先月までに行ったアンケートでは、少なくとも54人の子どもたちが「原発避難いじめ」に遭ったと回答したのに対して、今回の調査で、いじめの原因が原発避難によるものとされたのは全体の1割未満の13件にとどまりました。

文科相「被災児童生徒に格別の配慮を」

松野文部科学大臣は閣議のあとの記者会見で、「いじめを受けている子どもたちには、先生や保護者に相談してもらい、教員には、状況をしっかりと把握し、心のケアをはじめ、被災児童、生徒に対する格別の配慮をしてもらいたい」と述べました。
また、松野大臣は、「いじめを受けていても、児童心理においては、調査に答えづらい側面もある。表面化していない可能性も含めて、学校現場や教育委員会と一緒に対応を考えたい」と述べました。

原発避難いじめ受けた生徒は

原発事故の影響で福島県から都内に自主避難している男子生徒は、小学3年生の時、避難先の学校で同級生からいじめを受けました。

生徒は「『菌がうつる』とか、『あいつの触ったものに触れたらまずいぞ』とか言われた。つらかった」と当時を振り返りました。

その後、いじめはエスカレートし、授業中に同級生から足を鉛筆で刺され、教室を飛び出したことがあったといいます。このとき、生徒の母親が教員に言われたのは「落ち着きがないから、病院に連れて行ってほしい」という心ない言葉でした。このため、生徒がいじめを受けていることを教員に伝えることはなかったといいます。

今回の国の調査で、いじめの原因が原発避難によるものは全体の1割未満でしたが、これについて生徒は「福島から避難した仲間は原発事故で避難したことを理由に、いじめられたケースが多かったので、関係ないというのはおかしいと思います」と疑問の声を上げていました。