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リップル社の資金調達に関する疑念点

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リップル社の資金調達に対する疑念をいくつか端的にのべておきます。

資金調達の迂回手段による不公正な競争について

リップル社は、システムを作ると同時に1000億xrpを自己宛に無から発行し(プレマイン)ました。それを徐々に市場で売ることにより、資金を調達しています※1。同時に、通常の株式の新規発行(増資)による資金も調達しており昨年シリーズBとして55ミリオンドルを調達しました。しかしながら、xrpの保有の状況、市場の売買の状況を鑑みるに、増資による調達よりも、xrpの販売による調達額の方が大きいと推測します

たとえばxrp配布状況へのリンクをみると、5月の7日から14日までの一週間だけで、226百万 xrp がリップル社から市場にでており、市場価格40円をかけ合わせると、90億円になります。これだけでも、2度に渡る株式による調達額を上回ります。また、これ以前の4/30日から5/7までの1週間の間にも、350百万xrpの放出がありました。

リップル社は発行した1000億xrpのうち60%にあたる約600億XRPを現在も保有します。市場単価(約40円)に、これをかけ算すると、2兆4000億円の保有総額になります。仮にこの価格で売れればですが、xrpの販売でこれだけのお金を調達することができます。ロックアップに関する説明にあるように[1]、将来これを販売する意図は明確です。

またこれはリップル社が公言してはいませんが、xrpはリップル社の株のようなものであると誤解をする言説もちらほらでており、このような誤解をあえて放置したままxrpを販売し続けています。

通常の株式による調達では、財務諸表の公開や監査、株の売り出しに際しては目論見書や公告などの手続き等、透明性のある情報公開が前提であり、厳しいルールのもと公正な競争が行われていると理解しています。

リップル社がxrpによる資金調達を続けると、これは通常の株式による資金調達を行っているベンチャーとの競争上著しい不公平感を招くため、健全な競争が行われているとはいいがたい状況になります。

利益相反について

リップル社のxrpによる販売益は使いみちが限定されておらず、リップル社のという株式会社の自由です。この場合2つの利益相反がおきます。ひとつはリップル社がxrpと相関の薄い事業に投資することです。更に言ってしまえば、株主に利益を配当することもできます。

仮にリップル社がxrpの販売で得た利益を、関連の薄い事業に再投資したり、または株主に配当することがあったとすれば、xrpの保有者と、株主の間で著しい利益相反が起こります。xrp購入者の資金が、リップル社を通じて株主に移転します。これに関してはモラル上の観点から行わないことが望ましいですが、それを防ぐ手段が講じられているわけではありません。

ただし、一般に資本主義の原則にのっとれば、株主の立場からは超過利益が得られた場合、再投資か配当するのが望ましいと言えます。

リップル社は、リップル社の努力が最終的にxrpの価値を上げると一般論で説明していますが、xrpで資金調達している以上は、リップル社は、リップル株式会社と、xrpというカレンシーとの関係は、SECでも納得のいくレベルで説明すべきでしょう。

消費者保護について

xrpは最終的には、コンシューマ向けの取引所で売られて換金されます。最終的な買い手は個人の投資家です。xrpは、その性質から、BtBで使う中間通貨です。これの利用者は銀行やマーケットメーカーといった金融機関のみに限定されています。

xrpはこのような目的の通貨として利用されるなら、これらの金融機関に対して適切な価格で販売すべきです。

しかしながら世界中のどの金融機関の公開された財務諸表をみても、xrpを保持しているというものを見たことがありません。つまり、証券市場を信じ、財務諸表が正しいという前提であれば、銀行がxrpを保持している客観的な証拠がありません。

xrpは、コンシューマにむけて販売されているのです。銀行が利用する中間通貨を、コンシューマにむけて販売し資金を調達するのは、消費者保護という観点から問題があるように思います。

銀行という直接リップルのシステムをつかいxrpを利用する顧客であれば、そのリスクを判断できますし、また直接プロジェクトに関わっているわけですから、xrpの利用価値についても自己判断ができます。

消費者の場合は、銀行システムに触れられませんし、またプロジェクトの内容などについてもプレスリリースによる発表程度以上の資料もなく透明性や監査されたものではありませんから、消費者が銀行プロジェクトの状況やxrpの状況を客観的に知るのは難しいと言えます。

また今回のロックアップの件が端的な例ですが、リップル社はxrpの供給を自社の意志でコントロールでき(放出するにしてもしないにしても)、またニュースや情報公開のタイミングや内容も完全にコントロールできます。

企業が発行し保有する資産を、消費者にむけて販売するのであれば、株式なみの透明性と説明責任を果たしたうえで販売することが必要ではないでしょうか?

もちろんこのような透明性を欠く市場であっても、あえてそれに参加する人がおり(それは自由です)、規制もない以上、これを防ぐことはできません。しかしルールがない状況に乗じて、自主的なモラルを欠くのであれば、企業の姿勢として責められてもおかしくは無いのではないでしょうか。

また、このような性質のxrpが日本の仮想通貨取引所に大きな出来高を占めている状況については、今回の改正資金決済法と業界による消費者保護強化の趣旨から鑑みますに、それに沿わない形になっていると感じています。

株価とxrpの時価総額について

これらのことを裏付ける証拠として、リップル社の株式の価値と、xrpの価値との比較が有ります。

リップル社は、2016年にシリーズBの資金調達をおこなっていますが、調達額が55Mドルです[2]。シリーズAとあわせて87Mドルの調達を行っています。これによりリップル社の株式の評価額を推測すると、合理的な範囲を超えなければ、約500億円程度を上回らないと考えるのが妥当です[3]。

これに対して、リップル社が保有するxrpの価値は先程も計算したように2兆4000億円です。

田中氏の指摘によりますが[4]、xrpはリップル社の単独の所有物であり、これをリップル社が自由に処分することができることから、「リップル社の株式としての時価総額 >>> XRPの時価総額」となることが合理的です。しかしながら、現実は、これが逆転しているばかりか、著しい額の差が視られます。

この逆転と額の差については何が原因であるかを指摘することはいたしませんが、常識では説明のつかない現象が起きているといえます。

もし、単にxrpの価値が反映されていないのであれば、修正すべき水準はリップル社の株価であり極端に割安です。競合他社は今すぐ2000億円でもいいのでリップル社を買収すべきでしょう。

透明化に関して

こうした矛盾を取り除くための案を書いておきます。資金調達手法を問題点としているので、xrpとリップル社の関係を断ち切ることが肝要です。

1つは一般的なICOや暗号通貨プロジェクトと同様、xrpの開発と所有のため、リップル社とは独立の非営利ファウンデーションを設立し、すべてのxrpをそちらに移動することが望ましいでしょう。またファウンデーションはXRPはすべて売却するべきです。

リップル社は公共のxrpを利用するひとつのシステム開発会社として、他のサードパーティーベンダーと同様の位置づけになります。そうでなければ、他のxrpを利用してサービスを提供するサードパーティーベンダーは公正な競争ができません。

ふたつ目は、リップル社がIPOを行うことです。資金調達の手段を株式に統一すれば、透明性も保たれます。株式の購入が自由であれば、利益相反を防ぐこともできます。

私的な株式会社の活動についてこのような案を述べるのは変だとおもうのですが、そうしたこともxrpの位置づけをあえて曖昧にしたまま市場で販売しているリップル社の手法に起因することを付け加えておきます。

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【注意事項】以上は私の個人的な見解に基づく意見です。なお当記事はxrpの売買について推奨または否定するものではなく、アドバイスを提供するものでもありません。xrpの取引を行う際は自己の責任において行ってください。

【注記】

※1 正確には関連会社の XRP2 LLC という会社がカストディ・販売を行っているようです。しかし、FinCENの罰金ステートメントではXRP Fund II(現XRP II)はリップル社の完全子会社( a wholly-owned subsidiary of Ripple Labs)であると書かれており、公式プレスリリースなどでもリップル社が・・としていることからも、これらは実質的に一体であると考えられます。

【参考文献】

[1]http://www.coindesk.com/ripple-pledges-lock-14-billion-xrp-cryptocurrency/

[2]https://ripple.com/ripple_press/ripple-raises-55-million-series-b-funding/

[3]ベンチャー投資経験者によるヒアリングによる推測

[4] リップル社のビジネスモデルについて-田中硬貨研究所

http://tanakacoin.tumblr.com/post/155442947501/rippleリップル社のビジネスモデルについて-xrpについての考察

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