飛騨高山国際観光開発株式会社

飛騨高山国際観光開発(株)(資本金4800万円、高山市石浦町1108、代表清算人金子文一氏)は、1月11日に岐阜地裁高山支部より特別清算開始命令を受けた。

当社は、岐阜県内に所在する総合建設業者の子会社として1982年(昭和57年)3月に設立されたゴルフ場運営会社。「飛騨高山カントリークラブ」として知られ、18ホール、6846ヤード、パー72の標準的なゴルフ場ながら、岐阜県高山市中心部から車で10分程度の距離に立地する利便性もあって、会員約1800名を数え、ピーク時には年収入高5億円以上を計上していた。

しかし、不況下での利用者減少により業績も低下し、2002年に控えていた預託金の償還を15年延長したが、その後の業況回復はなく、2016年12月期の年収入高は約2億3800万円にまで減少し、当期純利益は低位にとどまっていた。こうしたなか、2017年12月に予定されていた預託金の返還ができる状況になかったことから、2017年6月に設立された(株)飛騨高山カントリークラブが同年11月にゴルフ事業などに関する権利義務を承継し、当社は同月15日の株主総会の決議により解散し、特別清算の準備に入っていた。

負債は約31億5000万円と見込まれる。

なお、ゴルフ場の飛騨高山カントリークラブは(株)飛騨高山カントリークラブが経営を続けている。

※飛騨高山国際観光開発(株)の「騨」は、正しくは異体字です。

株式会社郷鉄工所

(株)郷鉄工所(資本金7億1735万5860円、登記面住所:不破郡垂井町表佐字大持野58-2、代表林直樹氏、従業員79名)は、9月11日に従業員を解雇のうえ事業を停止し、事後処理を佐久間信司弁護士(愛知県名古屋市中区丸の内2-18-22、名古屋第一法律事務所、電話052-211-2239)ほか1名に一任。自己破産申請の準備に入った。

当社は、1931年(昭和6年)5月創業、47年(昭和22年)2月に法人改組した各種産業機械、プラントの製造業者。1962年10月には名証2部に上場。焼却炉、廃材処理プラント、太陽光発電設備などの環境装置のほか、橋梁鉄構・水処理装置、特殊破砕機、プラント用機器など幅広い製品の製造を手がけ、岐阜県などの官公庁、ゼネコン、砂利砕石メーカーなどを得意先に、東海地区のほか東京、大阪、仙台にも拠点を有し、1997年3月期には年売上高約92億2100万円を計上、高額納税法人にも度々名を連ねるなど高収益を誇る有力企業として高い知名度を有していた。

しかし、近年は設備投資の冷え込みから受注の減少が続き、単価の厳しさから収益も悪化し度々欠損を計上、2016年3月期の年売上高は約37億9000万円に落ち込み、約9億1300万円の純損失の計上を余儀なくされた。また、同期末で債務超過に転落したため、上場廃止基準に抵触し、上場廃止に係わる猶予期間入り銘柄に指定されていた。そのため、有償株主割当による新株式発行で資金調達を図っていたが、見込み通りには進捗せず債務超過が続いたほか、監査法人も退任するなど対外信用は低下。2017年3月期第3四半期の開示が遅延していたうえ、有価証券取引所の提出延長承認を受けながらも提出期限までに2017年3月期の報告書が提出できなかったため、8月10日より整理銘柄に指定され、9月11日に上場廃止となっていた。

この間、不動産の売却などで銀行借入の一部を返済し、並行して業務提携先の模索や新たな資金調達先の確保に奔走したものの、決済難が表面化し、事業継続を断念。今回の事態となった。

負債は約40億円が見込まれるが、今後、膨らむ可能性がある。

医療法人社団誠広会

医療法人社団誠広会(資産の総額0円、岐阜市黒野176-5、理事長平野恭弘氏)は、6月19日に岐阜地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた。

申請代理人は鈴木学弁護士(東京都千代田区大手町1-1-2、西村あさひ法律事務所、電話03-6250-6200)。監督委員は神谷慎一弁護士(岐阜市神田町2-12、弁護士法人神谷法律事務所、電話058-266-7910)。

当法人は、1970年(昭和45年)10月創業、80年(昭和55年)9月法人改組した。岐阜市内の「平野総合病院」(199床)、「岐阜中央病院」(372床)の運営を主体に、「介護老人保健施設岐阜リハビリテーションホーム」「岐阜中央病院訪問看護ステーション」「岐阜市在宅介護支援センター平野」「岐阜市地域包括支援センター岐北」といった老人介護保健施設の運営のほか、訪問看護や在宅介護なども手がけていた。長年にわたって岐阜市北西部地域における有力医療機関として認知され、地域に根ざした医療および介護サービスを提供、2011年3月期には年収入高約88億5700万円を計上していた。

しかし、医療機器の導入などの設備投資によって金融依存度の高い運営が続くなか、近時は地域病床数の増加や医師不足の影響もあって業容は低迷。2016年3月期の年収入高は約76億4200万円まで落ち込み、2期連続の最終赤字を余儀なくされていた。年商を上回る有利子負債の負担が重荷となり、債務超過に陥っていたことから自力再建を断念した。

負債は約87億円。

なお、金融機関からの資金支援や医療コンサルティング会社からの人的支援を得て、再建を目指す方針。事業は通常通り継続中。

東濃開発株式会社

東濃開発(株)(資本金4億9800万円、瑞浪市陶町水上830、代表鈴木達也氏、従業員37名)は、2月1日に名古屋地裁へ民事再生法の適用を申請した。

申請代理人は杉田勝彦弁護士(名古屋市中区錦2-15-15、石原総合法律事務所、電話052-204-1001)ほか2名。監督委員は服部一郎弁護士(名古屋市中区丸の内3-5-10、服部一郎法律事務所、電話052-990-6333)。

当社は、1973年(昭和48年)6月設立。岐阜県瑞浪市内において「東濃カントリー倶楽部」を経営していた。東濃地区では老舗コースとして知名度があり、戦略的な丘陵コースで定評を得て、1994年3月期には年収入高約9億1700万円をあげていた。

しかし、景気低迷の長期化による来場者数の落ち込みや、近隣コースとの集客競争の激化とプレーフィーの値下げなどから景況は悪化したため、2016年3月期の年収入高は約3億9000万円に落ち込み、債務超過が続いていた。

この間、預託金償還の対応に苦慮していたほか、ゴルフ人口の減少や競合激化など先行きの見通しが立たないと判断。民事再生法の下で再建を図るべく、今回の措置となった。

負債は、債権者約1900名に対し預託金を中心に約32億円。

営業は継続中。

※申請代理人である杉田弁護士の「杉」の字は、正しくは木へんに久という字です。