「素麺(そうめん)発祥の地」とされる奈良県桜井市の市議会は19日、市内の三輪地区を中心に作られる三輪素麺の普及促進を目的にした条例を可決した。条例は、業界団体が「七夕・そうめんの日」と定める7月7日に施行され、行政や業界などが一体となって全国発信に力を入れる。
三輪素麺は1200年余り前、凶作に苦しむ民を救うため、保存食として誕生。平安時代以降、宮中や貴族の間で、七夕に食べる風習があったとされる。
条例は2人の市議が議員提案。「三輪素麺を食べる習慣を広め、伝統文化への理解の促進、市の地域経済の活性化を図る」ことを目的に、市が普及促進措置を講じ、生産業者の主体的取り組みと市民の協力を求める内容で、この日の議会で全会一致で可決された。
提案者の1人、大西亘市議(54)は「三輪素麺は大好き。『清酒で乾杯』のように『シメに素麺』が広がれば」と話している。【山本和良】