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洲本5人刺殺事件

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 2015年3月に兵庫県洲本市で2家族計5人が刺殺された事件で、殺人と銃刀法違反の罪に問われた無職平野達彦被告(42)=同市中川原町=に対する裁判員裁判が8日から神戸地裁で始まる。両家族の遺族が7日、代理人弁護士を通じてコメントを発表した。

■野毅(たけし)さんら2人の遺族が出したコメントの全文は次の通り。

 「平野毅と平野恒子が殺害されてから間もなく2年を迎えますが、ようやく被告人に対する裁判が始まります。

 この裁判では、被告人質問も行われますが、被告人には、毅や恒子がなぜ殺害されなければならなかったのか、事件の際、何があったのかなどについて本当のことを話してもらいたいと思います。また、被告人からは、この事件に対してどう思っているのか、反省などをしているのかなどについても、ぜひ聞きたいとも思っています。

 毅と恒子を亡くしたつらい思いはいまだ変わりませんが、この裁判では私たちは被害者参加制度を利用して参加させて頂き、毅や恒子に代わって被告人に対する判決を見届けたいと思います。

 また、私たちは、事件発生の前に、被告人の私たちに対する言動に関して警察にも相談をしていましたが、この事件は起こってしまいました。この裁判の中で、事件に至る経緯も明らかになり、当時の対応が適切だったのかなどについても改めて考えて頂き、今後の警察や行政機関の対応などが改善されることを願っています」

■平野浩之さんら3人の遺族が出したコメントの全文は次の通り。

 「あの事件から2年近くがたち、ようやく裁判が始まることになりました。

 私たちは、事件の後、崩れそうになる気持ちに耐えながら、何とか一日一日を生きてきました。

 裁判がなかなか始まらず、こんな重大事件なのに何も分からないまま時間がたっていくのをもどかしく思いながらも、一方では、考えないようにして過ごすことで、どうにか心の平静を保っていた面もあります。

 このたび裁判が始まることで、改めて恐ろしい記憶と向き合うことになり、心の負担は非常に大きいです。

 しかしながら私たちは、命を奪われた被害者の遺族として、結局あの事件がどのような事件だったのか、被告人が何を考えていたのか、何を思っているのかを、知りたいと思います。

 被告人には、自分のしたことと正面から向き合い、全てを語ってほしいです。

 私たちも裁判に参加して、自分の目で、全てを見定めます。裁判所には、ぜひとも真実を究明していただきたいと思います。

 裁判に参加することは、私たちが望んだことではありますが、正直重い負担であり、自分を奮い立たせて、どうにか決断したことです。

 どうか、私たちの状況をお察しいただき、取材などはお控えいただきたく存じます」

2017/2/8

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