「もしよければ…私を食べてみないか?」私、藤原妹紅は疲弊しきっていたのかもしれない。-----妹紅とルーミアのゴア含む文章スレ
憎しみの中不死となって怨嗟を糧に生きてきた私にとって永久という時間は余りにも長い。始めの数百年こそ妖怪退治をする中で月に帰ったクソッタレに復讐を誓っているだけで月日の長さを忘れることが出来たが、長い時間が憎悪の炎を落ち着かせた。燻りが黙した後に残る虚無を、あの安煙草を吸った後のような気持ち悪い苦さを感じる時間を、何とはなしに舌で転がすように過ごしたこともあった。ただその虚無だって月のお姫様を、あのクソッタレを見つけた瞬間、一気に弾けた。まるで迷子の仔犬が飼い主を見つけた時のように、穢れを知らない生娘が肉欲の甘美さを知った時のように、ただ本能のままに彼女を求め、また彼女もそんな私を待っていたかのように私を受け止め、殺しあった。
千年余りの期間は私の殺意を薄めることなくむしろさらに濃く蓄えさせていたようで、ただあるがままに血肉や臓腑を撒き散らし、復讐の甘美な味わいに心を躍らせていた。ただ、子供がいくら最高の玩具を手に入れたところでいずれは飽きて棄てられる。永遠の中にいる私たちだって例外ではない。形骸化していく殺し合いには既に目的なんて存在しない。既にお互いの手札も出し尽くしているため代わり映えもない。そもそもこの遊戯には決着が存在しない。飽きるのも当然である。此処、幻想郷の地で私は二度目の虚無を味わおうとしていた。
###夜、馴染みの八目鰻を出す屋台へと足を運ぶ。週に一度の贅沢だ。店主の夜雀とは旧い付き合いで、幾度となく会話を交わしてきた。そのため屋台に来て話す内容は大抵代わり映えのない近況報告と「いつもの」の一言だけだ。他に客もいないため、店主は無言で火を絶やさないようたまに炭をくべ、私も寒空から逃れるように熱燗と鰻を胃に流し込んでいく。温くなった酒をあおり、新しい徳利を貰おうとしたとき、この時間には珍しく新たな来客があった。「…ルーミアか、屋台に来るなんて珍しいな」「確かに、ここに来るのはいつ振りだっけ?」
私と店主の共通の知人であるルーミアが隣に座る。彼女とも店主と同じくらい…いや店主よりも大分長い付き合いだ。ルーミアは慣れた様子で店主にオーダーし、ウェルカムドリンク代わりの熱燗が彼女の目の前に置かれる。気づかない間に私の目の前にも熱々の徳利が置かれている辺り、私がこの店に長く来る理由が窺える。久しぶりの邂逅に自然と話が弾む。私とルーミアは親友以上の関係であるといっても差し支えない。此処で初めて会った日から意気投合し、共にいる時間もかなり長かった。一時期は会う度に体を重ねていた時期もあったほどだ。ただ共に暮らすことはなく、会わないときは数年間一度も顔を合わせない時もあったりと、お互いヒトならざる者として奇妙な関係性を築いてきた。
###丑三つ時頃だろうか、ほろ酔いのルーミアはふと愚痴を零す。「最近人間を食べる機会が少ないのよ」人里の人間が不用意に出歩かなくなった影響だろう、彼女の縄張り付近をうろつく者は大抵が命知らずの馬鹿か幻想郷の「外」から来た人間だ。その絶対数は少なくなる。「しかも大抵が脂っこい男ばっかりで量は少ないのに胸焼けはするから嫌なのよ。今日はその口直し。」ケラケラと笑いながらルーミアは店主にお代わりを注文する。「人食い妖怪も難儀だねぇ…。私には分かんないけど女性の肉なら美味しいもんなの?」「そうね、例えるなら鬼と天邪鬼くらい違うかしら」「その例えちょっとよく分からないわ…」私のツッコミを流したルーミアは「あ、それと…」と付け加える。
「何度か好きな人を食べたことがあったけどその時はかなり美味しかったわ」好きな人を、食べる。卑猥な意味を含まないその行為は人間の感覚からすると猟奇的に映るが、こと妖怪の感覚で言えば割とよくある話らしい。妖怪が人間と恋をし、肌を重ね、最期には看取る代わりに食らう。お互いが幸せのもとに行う行為なら特段おかしいことではない…と”元”人間の私は思う「好きな人ねぇ…」ふと、普段の私なら笑い飛ばすような考えが頭をよぎった。その行為に意味はない。ただ自分の自尊心と被虐心が少しだけ埋められるだけだ。もう一度記しておく。私、藤原妹紅は疲弊しきっていたのかもしれない。だからこそ、この荒唐無稽な考えは私を甘い誘惑へと導いた。「もしよければ…私を食べてみないか?」
続きは見てくれるとしあきがいれば明日書きます
見るよ…
楽しみ
良いスレを開いた
中断すんのはえぇよ!
ゴアスクリーミングショー10周年
今書いてるからもう少し待っててねあと一応ここからは血やら肉やらが出てくるから苦手な人は注意してね
酒と淡い興奮で火照る身体を凍える夜風が優しく包む。お互いの服を汚さないよう一糸纏わぬ姿となり、さながら逢瀬のような雰囲気が竹林に漂う。月夜に照らされるルーミアの肌は月光を受け、淡い陰影が彼女のまだ未熟にも思える四肢を際立てている。どちらからともなく唇を合わせお互いの肌を触れ合う。恋人とはまた違う彼女と私の前戯は、優しく穏やかに進行していく。唇を重ねるだけのキスはより深いものへと変わることはなく、これからの行為が性的な交わりではないことを否応なしに突きつけてくる。
###竹の葉の擦れる軽い音に交じり、ルーミアが不安げな声を投げかけてくる。「…本当に、大丈夫なんだよね?」ルーミアのことだ、恐らくこれからの行為に対する確認以上の意味を持った問いかけだろう。彼女は私に対して真摯に向き合ってくれる。だからこそ私も彼女に対して嘘をつくような真似はしたくない。「……」だから沈黙と口付けを返答代わりに彼女へと返す。ルーミアは一度だけ目を閉じた後に、唇を顔から肩口へと移動させた。
注射の前に消毒を行うように右肩へ舌を這わせる。淡い痺れが快感となって背筋を上る感覚に少しだけ身震いする。これから私はルーミアに食べられる。私は抵抗すら許されず彼女の血肉となる。不安と期待が入り混じる。静寂は徐に破られる。ルーミアの鋭く尖った犬歯が突き立てられ、鮮血が滲むように流れ出す。鋭い痛みは感じるものの、耐えられないほどではない。当然だ。傷つけられることや死ぬことはもう既に何度も経験済みだ。ルーミアも勿論これで終わるはずもなく、私の胸に手を置き押さえつけるようにして力任せに首を振る。革布が破けるような鈍い破裂音とともに右腕と身体の接続が容易に絶たれる。当然、切断面からは行き場を失った血液が噴き出し、先にいるルーミアを赤く染め上げる。
生物として生に執着すべき状況下において抵抗を放棄し、ただ捕食者の為すがままにされるという狂気は正常な判断能力を奪い、身体の上げる悲鳴の警告音でさえ自身の快楽と判断してしまう。何処かの医者が冗談交じりに言うには、失血による酸欠状態によって人間は快感を得るらしい。精神と肉体、両方の危険信号は既に私を盛り上げる玩具程度にしかなっておらず、奪われる血液に比例して私の身体は悦び、私の腕を愛おしそうに貪るルーミアの姿に震えた。
ルーミアが腕を喰らいつくす頃には一度リザレクションを終えていた。既に元通りになっている右腕には幻肢痛のような鈍い痛みが、そして達した後のような痺れに似た快感が全身を包んでいる。薬に汚れた人間の味はどうか、そんな軽口をルーミアにかけようとする。しかし彼女は私を見ていた。いや、正しくは私の身体しか見ていなかった。その時、今までに感じたことのない恐怖が私の中を駆け巡った。不死によって鈍った私の本能が逃げろ、殺されるなと悲鳴を上げる。鳥肌が立った身体からは脂汗が噴き出し、光彩が逃げ場を求めて必死に震える。抑えきれなくなった尿道からは黄金色の水が垂れ流しになる。
ただ、それと同時に身体の奥底から別の感覚も溢れてきた。鳥肌は何も恐怖だけが原因ではない。身体が震えているのは、そうでもしないとこの感覚に耐えられないからだ。股を濡らす液体だって明らかに尿だけではない。私は今この瞬間、恐怖と快楽に全てを支配されていた。煌々と輝く月に叢雲が影を落とす。私の身体を、ルーミアが、宵闇が包み込む。
###漆黒に塗りつぶされた中、何度目か分からない悲鳴と嬌声を上げる。はらわたが弾け飛び、骨が軋み、頭蓋が揺さぶられる感覚に吐き気に似た快楽を覚える。腹腔に濁った血液が溜まり、ミンチ状になった臓器がスープとなってルーミアの喉を潤す。――――――鼠径部を砕かれ、ズタズタになった膣が乾くことのない血と愛液で濡れる。子を為すために作られた子宮が、只の肉塊へと変貌する。――――――肺に肋骨が刺さり、喘ぐ。催吐感で顔を歪めるが、当然胃には内容物が存在しない。湿った空気と共に申し訳程度の胃酸ととめどない量の喀血が地面を重い赤に染める。
痛い、苦しい、___怖い、気持ちいい、____嫌だ、死にたくない、死にたくない_____この瞬間、私はルーミアの奴隷だった。恋人だった。贄だった。夫婦だった。彼女自身だった。溢れる感情の渦は激しい痛覚と快感の中にも確かな存在感で、捕食者たるルーミアを私の中に刻み付けた。不意に、ルーミアが私にキスをするのを感じた。舌を入れあっての深い、深いキスだ。何故かは分からないが涙が頬を伝う。泣いているのは彼女か、私か。動かない身体で必死にルーミアのキスに応える。舌を絡ませ、私の鉄臭い味を二人で分け合う。___次が最期だ。言葉を交わさずともお互いの心がそう、伝えあっていた。
舌を入れあうキスの最中、ルーミアは私の舌を噛み切ってきた。先刻よりも濃い鉄の匂いに噎せ返るような感覚を味わう。間髪を入れず目を抉り出す。視覚が途絶える。震える。首が優しく撫でられ、直後鋭い痛みが襲う。身体が激しい刺激に耐えられず反り返る。三半規管が頭部の平衡の異常を伝える。意識が薄れる。――――――気持ちいい。ルーミアと……
###気付くと日は私の真上にあった。意識を失っている間に後始末はしてくれたようで、血痕は何処にも見つからず、既に服も元通り着せられていた。「あ、起きた?気分はどう?」隣に座っていたルーミアが訪ねてくる。「凄く…疲れたかな」死んだ回数こそそこまで多くなかったものの、やはり感情まで支配されていた負担は大きい。いつもの殺し合いの数倍疲れていた。「で、どうだった?」私の味は?という意味を込めて昨夜出来なかった質問を投げかけてみる。「それは…こっちの台詞よ」夢中で貪ったことを誤魔化す意味も、もっと別の意味もあったのだろう。そう言い残し、ルーミアは住処へと戻っていった。私、藤原妹紅は疲弊しきっている。だから、このようなことをするのは程々にしたい、なんて考えてしまった。
以上ですグロ系の文章を書くのは初めてでしたけど苦手な人でも読みやすいように(あと自分が書きやすいように)快楽と結びつける描写多めで書いてみました感想くれたら嬉しいな(勿論厳しい感想も今後の参考にします)
程々ってことはもう一度したいのかいいね
とりあえずもこルミに目覚めたとだけ言いたい個人的には凄いよかった…背徳感というか…とにかくよかった…
>もこルミ実は自分の好きなルーミアと友人が好きな妹紅のカプを作ったらどうなるのかなって4年ほど前に考えた原案が「食う・食われるの共依存」でそこからちょくちょく変えながら温めてたアイデアをようやく文章として書き表せたものだったり