株式会社ワールドワイドコーポレーション

1月5日に事業を停止し、自己破産申請の準備に入っていた(株)ワールドワイドコーポレーション(資本金5000万円、大阪市中央区北浜1-9-15、代表小澤紳一郎氏ほか1名、従業員26名)は、2月20日に大阪地裁へ自己破産を申請した。

申請代理人は中森亘弁護士(大阪市中央区北浜1-8-16、北浜法律事務所・外国法共同事業、電話06-6202-1088)。

当社は、1985年(昭和60年)10月に設立された産業用電子部品卸業者。制御回路やトランジスタ、IC、LSI、コンデンサなどの電子部品の設計、部材調達、検品、仕分け梱包、配送などを主力に、一部輸出入の受託業務を手掛けていた。大手電機メーカーなどに営業基盤を有し、取引先の海外進出に伴って製造を担う現地法人を上海や香港、シンガポール、インドネシアに次々と設立。グループ各社のネットワークを活用して営業網を拡大し、2006年4月期には年売上高約66億4600万円を計上していた。

しかし、電機メーカーの海外生産の加速に伴い、同業他社との受注競争は激化し、さらに案件の小口化などにより売上げは漸減したことで、2016年4月期の年売上高は約22億2500万円にまでダウン。また、得意先からの価格引下げも厳しかったことに加え、現地法人設立に伴う金融債務も膨らんでいたことで、収益面も低調に推移していた。このため、2015年には金融機関へリスケを要請し、大阪府中小企業再生支援協議会の支援のもと再建計画を策定し、リストラや販路拡大を実施したものの受注回復には至らず、取引先に支払遅延が発生するなど資金繰りはさらに悪化。ここに来て、先行きの見通しが立たないことから今回の措置となった。なお、海外子会社の営業は継続している。

海外子会社への保証債務は現在調査中だが、負債は約42億5000万円が見込まれる。

株式会社エマルシェ

(株)エマルシェ(資本金1億円、仙台市青葉区中央1-9-33、代表安藤俊氏、従業員46名)は、2月27日に仙台地裁へ自己破産を申請し、同日破産手続き開始決定を受けた。

申請代理人は岩渕健彦弁護士(仙台市青葉区一番町2-10-26、エール法律事務所、電話022-227-6167)ほか4名。破産管財人は斉藤睦男弁護士(仙台市青葉区大町1-2-1、ひろむ法律事務所、電話022-223-2905)ほか1名。

当社は、1978年(昭和53年)3月に仙台市の(株)丸光や青森・福島県などの地元百貨店5社が大手スーパー(株)マイカル(当時ニチイ)の傘下に入り、経営統合して(株)百貨店連合として設立された。以降、(株)ダックシティ、(株)ダックビブレと商号変更し、東北一円で6店舗を経営。その後、経営の悪化から2001年9月に親会社の(株)マイカルとともに東京地裁へ民事再生法の適用を申請。翌2002年5月に再生計画の認可決定を受け、同年9月に(株)さくら野百貨店へ商号変更し、再スタートを切っていた。2005年4月には5店舗(青森店、弘前店、八戸店、北上店、石巻店)の経営を、新設分割した別会社へ譲渡。当社はJR仙台駅前にある「さくら野百貨店 仙台店」のみを経営し、2006年2月期の年売上高は約193億2600万円を計上していた。

しかし、近年はアウトレットモールなど郊外型ショッピング施設や近隣のファッションビルとの競争が激化し、売り上げは減少傾向を辿り、業績悪化を余儀なくされていた。このため人員削減のほか、テナントの入れ替え、経営陣の刷新など打開策を講じ、2010年8月に(株)さくら野百貨店から現商号へ変更。2011年9月に大株主の外資系投資機関などから現経営陣が株式を買い戻すMBOを実施。2012年11月には海外の人気ファストファッション店がテナントとしてオープンするなど、有名店舗の誘致に力を入れ再建を図ったが、業績悪化に歯止めがかからず、2016年2月期の年売上高は約79億3900万円にまで落ち込み、債務超過額が年々拡大していた。この間、店舗不動産の賃料滞納に伴う訴訟を起こされていたうえ、取引先に対する支払遅延が発生するなど資金繰りはひっ迫。昨年4月には経営陣で組織する持株組織「エマルシェ・フェニックス・プロジェクト」から(株)東北リテールマネジメント(東京都)が株式を取得し、大株主となり経営権が同社に移行していたが、業績悪化に歯止めがかからず、今回の事態となった。

負債は約31億円。

なお、2月27日午前10時と午後1時より「TKPガーデンシティ仙台(仙台市青葉区中央1-3-1 AER21F)にて買掛仕入先向け説明会を開催する。

日本医薬品中国販売株式会社

日本医薬品中国販売(株)(資本金5500万円、岡山市中区浜1-15-71、代表鶴海利之氏)とグループ会社の日医工中国販売(株)(企業コード:065008999、同所、同代表)、(株)日医工神戸(企業コード:530622103、登記面=神戸市東灘区住吉山手7-5-11、同代表)、(株)日医工四国(企業コード:610217401、登記面=高松市松島町3-24-6、同代表)は、2月10日に岡山地裁より破産手続き開始決定を受けた。

破産管財人には、大林裕一弁護士(岡山市北区蕃山町3-7 両備蕃山町ビル4階、大林・松井法律事務所、電話086-221-0221)が選任されている。

日本医薬品中国販売(株)は、1965年(昭和40年)7月創業、69年(昭和44年)8月に法人改組された医薬品の卸売業者。後発医薬品(ジェネリック医薬品)の大手メーカーの代理店として、循環器系医薬品の取り扱いを主体に事業を展開。兵庫県、四国にも販売会社を設立して営業エリアを拡大すると同時に当社がグループ会社への供給窓口の役割を果たしてきた。国民の医療費負担が増加するなかで、ジェネリック医薬品の需要拡大が進み、2013年7月期には40億円を上回る年売上高を計上していた。

その後も需要は概ね安定していたが、同業他社との競合が厳しくなるなか、売り上げ拡大に伴う運転資金や不動産投資に伴う借入金が収益を圧迫して厳しい資金運営が続いていた。このため、金融機関に対して借入金の返済条件の見直しを要請する一方で、不動産の売却や人員削減などの合理化を進めていたが、資金繰りは好転せず、先行きの見通しが立たなくなり、2月9日に自己破産を申請していた。

当社の負債は約46億円、日医工中国販売(株)が約15億円、(株)日医工神戸が約13億円、(株)日医工四国が約9億円、4社合計で約83億円。

なお、当社の仕入先である日医工(株)(東京1部上場)と資本関係は一切ない。

豊田建設株式会社

豊田建設(株)(資本金3000万円、八潮市鶴ケ曽根897-3、代表豊田裕之氏、従業員35名)は、2月13日までに事業を停止し、事後処理を小見山大弁護士(千葉県松戸市本町18-4、ユーカリ総合法律事務所、電話047-363-7831)ほかに一任、自己破産申請の準備に入った。

当社は、1973年(昭和48年)6月に設立した土木工事業者。官公庁から上下水道や公共施設建設に伴う土木工事を中心に手がけ、2011年5月期には年売上高約6億5200万円をあげていた。その後は、震災復興および原発事故後の除染に関わる工事を受注することで業容を拡大、2015年5月期には年売上高約39億3500万円、翌2016年5月期には年売上高約44億円をあげていた。

しかしこの間、急増する資金需要に対して金融機関からの借入金だけでは追いつかず、ノンバンクなどからも借り入れを行い対応していたが、2015年末から2016年初にかけて一部業者とトラブルが発生したことで資金繰りが悪化。支払い遅延が多発する一方で、近時は大手ゼネコンから得ていた震災復興および原発除染工事に関わる受注縮小で売り上げが大幅に落ち込んでいた。

このため、2016年から産業廃棄物リサイクル事業にも参入していたが、同年6月には保管基準を超える産廃を受け入れたことが発覚。今年に入ってからは稼働を停止していた。厳しい資金繰りを余儀なくされるなか、金融機関からの支援などで凌いでいたが、支え切れず1月末には決済難に陥っていた。

負債は約50億円。