カメムシ目コオイムシ科
タガメ  Lethocerus deyrollei
絶滅危惧I類(CR+EN)
絶滅危惧II類(VU)
以前は水田や溜池において普通に見かけた種であったが、急激に姿を消し、現在では全く姿を見ることが出来なくなった。過去においてあまりにも普通に生息していたためか、記録、標本が1例を除き残っていない。香川県内での絶滅も危惧される。
5cmから最大7cm近くになる日本最大の水生カメムシ類。昆虫、魚、カエルなどを捕獲するため前肢が鎌状となっている。尾端に呼吸管を持つ。雄は後胸部にバナナ臭のような独特の匂いを発する臭腺を持つ。
水田および水生植物の多い溜池。ゆるやかな流れにも生息することもある。
本州、四国、九州、沖縄本島。各地で絶滅しており、分布は非常に局所的となっている。香川県では過去には平野部を中心に広く分布していたと考えられる。
強い農薬の使用や、強く灯りに寄せられる性質があり、そのまま水中に戻れないなど、1970年代までにほとんど姿を消してしまったと考えられる。県内では1950(昭和25)年採集の記録および標本が残るのみである。なお他地域では弱い農薬の使用などにより回復の兆しが見え出したとの報告もあり、絶滅していなければ保全活動により復活も不可能では無いと考えられる。
水田の農薬の使用。水田地帯の水銀灯や街燈の使用。溜池のコンクリート化。オオクチバスの溜池への放流。
(出嶋利明)