株式会社エスグラントコーポレーション

(株)エスグラントコーポレーション(資本金19億1115万円、品川区東五反田5-28-10、登記面=目黒区下目黒1-8-1、代表杉本宏之氏、従業員15名)は3月12日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。

申請代理人は神部健一弁護士(中央区日本橋3-3-11、電話03-3281-7716)など6名。監督委員は永島正春弁護士(千代田区丸の内3-3-1、電話03-3211-1791)。

当社は、2001年(平成13年)12月に設立した、ワンルームマンションを中心としたマンションの企画、開発、販売会社。独身女性や投資向けの中高年者に開発・販売する「ラグジュアリーアパートメント」ブランドを中心に、一般向けの「ラグジュアリーレジデンス」ブランド、中古リノベーションマンション「Reno」ブランドなどを展開していた。オフィスビル、商業ビル販売の仲介、賃貸管理なども手がけていたほか、近年では不動産流動化事業への取り組みも拡大させていた。

2004年6月期には年売上高約56億5200万円を計上し、設立4年後の2005年12月には名証セントレックス市場に上場を果たすなど急速に知名度を高めていた。また、折からのマンションブーム、不動産投資熱の高まりに加え、積極的な営業活動を展開したことで急成長を遂げ、2007年6月期には年売上高約354億5900万円に伸長していた。

しかし、サブプライムローン問題、建築基準法の改正などにより業界に対する信用収縮が進んだ影響で販売不振に陥り急速に業況が悪化。金融機関からの調達も厳しくなり、資金繰りが急速に悪化していた。このため2008年4月にユニマットグループ5社より出資を受け、同グループ入りを果たしたが、販売実績はあがらず、2008年6月期の年売上高は約291億1900万円に減少。その後も経営環境は厳しさを増し、金融機関からの口座凍結、返済金額の増額要請もあり、借入金の返済、建築代金の決済のメドが立たなかったうえ、3月3日には、2009年6月期第2四半期報告書の提出が遅延して監理ポストに割り当てられていた。

負債は約191億3700万円。

株式会社二上鉄工所

(株)二上鉄工所(資本金1040万円、東大阪市吉田本町3-5-28、登記面=大阪市東成区中道1-12-22、代表二上純一氏、従業員70名)は、3月10日付けで事業を停止した。現在、事後処理を山本和哉弁護士(大阪市北区西天満4-8-2北ビル本館4階、太陽法律事務所、電話06-6361-8888)ほかに一任しており、自己破産の申請準備中。

当社は、1924年(大正13年)に創業、52年(昭和27年)8月に法人改組した、業歴80年を超える老舗の紙工機械メーカー。業界では、薄紙の自動貼合機の開発にいちはやく取り組み、従来熟練工の手作業に頼っていた工程の機械化に成功したことなどで知られ、以来紙器、紙工、製本などの紙製品加工自動機械に関する企画から、設計、製造、販売(100%)までを一貫して手がけていた。66年には東京営業所を開設して営業エリアを拡大し、大手印刷業者や有名文具・紙器メーカーなど約2000社向けに営業基盤を確立したことで、98年12月期は年売上高約19億2400万円をあげていた。

昭和60年代には第1回東大阪市優良企業賞や中小企業庁開発技術賞など多くの受賞歴を有するほか、積極的な新機種への技術開発に取り組むなどこれまで50件近くの特許・実用新案を取得。近年の堅調な設備投資需要に伴い、2007年12月期は年売上高約21億3300万円を計上したものの、鋼材価格の高騰等で利益率は低調な推移が続く一方、財テク資金を含め金融債務が過大な財務内容となっていた。

このため、昨年4月には大阪府の信用保証協会による流動資産担保融資保証制度を活用するなど、財務体質の改善に取り組んできたが、今年に入り一部で簿外債務などの不適切な会計処理が指摘され始めたことから、一転資金調達が限界に達し、ついに今回の措置となった。

負債は約40億円が見込まれるが、変動する可能性がある。

山梨ニューマテリアル協業組合

山梨ニューマテリアル協業組合(出資金3億2000万円、笛吹市八代町南4724、代表相馬修正氏)は、3月10日に事後処理を左部〈さとり〉明宏弁護士(神奈川県横浜市中区住吉町1-2、横浜綜合法律事務所、電話045-671-9521)ほか2名に一任し、自己破産申請の準備に入った。

当社は、1992年(平成4年)3月、山正産業(株)(笛吹市、浄化槽卸ほか)などが浄化槽の製造等を目的に設立。浄化槽の卸、同付帯工事などを手がける同社の製造部門として機能し、過去にはマンホール及び同ふた、自動車部品などの製造を併営していた。ピーク時には年売上高で約12億円を計上していたが、2005年4月以降、原材料は同社からの無償支給に変更したため、2006年3月期の年売上高は約4億円に縮小。その後は自動車関連部品の撤退や工賃単価の見直し等を余儀なくされ、2008年3月期の年売上高は約3億4200万円、経常利益は約600万円に低迷していた。

こうしたなか、2008年12月4日に当組合の大口出資者で受注先でもある山正産業(株)が経営環境の悪化などにより、東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同社に対する大口不良債権が発生したため、当協業組合の動向が注目されていた。最近まで債権者との交渉や新たなスポンサーを模索してきたが、経営再建が難しい状態となり、今回の事態となった。

負債は約36億円の見込み。

株式会社マステック

(株)マステック(資本金6000万円、浜松市西区伊左地町2539、代表増田歩氏、従業員70名)は、3月5日に静岡地裁浜松支部へ自己破産を申請し、9日に破産手続き開始決定を受けた。

申請代理人は大石康智弁護士(浜松市中区池町221-5、大石康智法律事務所、電話053-456-3195)。破産管財人には鈴木孝裕弁護士(浜松市中区中央2-10-1浜松青色会館4階、鈴木孝裕法律事務所、電話053-453-8818)が選任されている。

当社は、2000年(平成12年)4月に設立された各種非鉄金属スクラップ卸業者。貴金属屑を主体にアルミ屑、銅屑、基板屑、鉄、プラスチック、紙等の各種リサイクル品の販売を手がけていたほか、浜松市内を中心に多数の不動産を所有し同物件の賃貸事業も行っていた。世界的な非鉄金属需要の増加に伴う市場における品薄感の高まりや、一部投機を目的とした投資家の市場参入の動きによる金属相場高騰の影響に加え、積極的な不動産事業への参入もあって、2008年3月期には年売上高約63億7200万円を計上していた。

しかし、サブプライムローン問題に端を発した米国経済の落ち込みから、2008年夏以降、海外市場を主体に非鉄金属市場が急速に縮小。金属相場が大幅に下落したことで業況が悪化したうえ、積極的な不動産投資や関係会社設立等に伴う資金需要の増加から資金繰りも急速に悪化していた。所有資産の処分等を急いでいたが、2009年3月に代表が死去したことで先行きの見通しが立たなくなり、今回の措置となった。

負債は約60億円。

なお、関係会社21社に関しては、今後について関係筋と交渉中とされる。