株式会社ベリーズ

(株)ベリーズ(資本金1000万円、仙台市若林区卸町東2-2-1、代表安達耕一氏、従業員197名)は、3月30日に仙台地裁へ民事再生法の適用を申請し、監督・保全命令を受けた。

申請代理人は岩渕健彦弁護士(仙台市青葉区一番町2-10-26、電話022-227-6167)ほか2名。監督委員には佐々木洋一弁護士(仙台市青葉区一番町1-4-20、電話022-266-1231)が選任されている。

当社は、1997年(平成9年)9月創業、98年(平成10年)6月に法人改組したオリジナル子供服小売業者。店舗名「kids shop Berry’s Berry(ベリーズベリー)」として、直営店(海外1店舗を含む)中心に、FC店も含め合計約110店舗を全国に展開、ネット通販も手がけていた。オリジナルの子供服を主体とし、中国の委託工場にて生産するなど、企画・デザイン・製造・小売りまでを一貫して行う体制を構築していた。「多品種少量生産」にて商品の希少性を演出し、デザイン、色使い等のオリジナリティとリーズナブルな価格で大手アパレルメーカーとの差別化を図り、積極的な店舗展開により売り上げは増加基調を続け、ピーク時の2009年3月期には年売上高約43億4300万円を計上していた。

しかし、2008年後半以降の急激な景気後退に伴う消費不振の影響で、客数の減少及び客単価の下落が顕著となっていたうえ、為替リスクをヘッジするために通貨オプション取引を行っていたが、急激な円高により大幅な為替差損が発生し、2011年3月期の年売上高は約25億円にまで落ち込み、3期連続の当期純損失計上を余儀なくされ、大幅な債務超過に陥っていた。このため、不採算店舗の閉鎖を進めピークから激減の45店舗にまで縮小、従業員の削減を行うとともに、各取引行に対して返済猶予を要請するなどして何とかしのいでいたが、業績改善の見通しが立たず、今回の措置となった。

負債は債権者約510名(労働債権含む)に対し約37億1900万円(うち金融債務約25億300万円)。

なお、債権者説明会が4月9日(月)午後1時30分から「仙台市若林区文化センター」にて開催予定である。

有限会社豊和商事

(有)豊和商事(資本金300万円、岐阜市二番町13、代表内山静氏ほか1名)は、3月6日に岐阜地裁へ債権者により破産を申し立てられていたが、3月26日に同地裁より破産手続き開始決定を受けた。

破産管財人は大久保等弁護士(岐阜市若宮町9-4、電話058-263-2237)。

当社は、1983年(昭和58年)3月に設立されたパチンコホール経営業者。設立以降グループ会社の不動産賃貸業を手がけてきたが、90年12月以降、千葉県を中心にパチンコ店の展開を進め、97年6月には東京都江戸川区に出店するなど拡大路線を辿り、ピーク時の2005年11月期には年売上高約130億円を計上していた。

しかし、その後は景気の後退と規制強化による集客低下により順次撤退を余儀なくされ、2010年1月には愛知県稲沢市の「マルキ祖父江店」と岐阜県岐阜市「マルキ柳ヶ瀬店」の2店舗のみとなり、2010年11月期の年売上高は約27億4400万円にまで落ち込んでいた。

負債は、2010年11月末現在で約62億9500万円だが流動的。

福岡酒類販売株式会社

福岡酒類販売(株)(資本金3000万円、福岡市博多区板付6-11-9、代表濱田洋行氏ほか2名)は、3月27日に福岡地裁より破産手続き開始決定を受けた。

破産管財人は、橋本千尋弁護士(福岡市早良区西新4-9-39、電話092-844-0071)。

当社は1949年(昭和24年)7月、酒類配給公団福岡支所が配給公団廃止に伴って組織変更して設立した酒類卸売会社。福岡県内4カ所に営業拠点を持ち、大手ビールメーカーの特約店としてビール類を主力に、焼酎や洋酒、清酒などの酒類のほか、清涼飲料水や食品を、県内のスーパー、ドラッグストア、小売店などに販売。ピーク時の94年12月期には年売上高約207億1500万円を計上し、酒類卸売会社としては県内大手の地位を築いていた。

しかし、その後は発泡酒など低価格品のウエイトが高まったことや、リーマン・ショック後の景気低迷のあおりを受けて売上高はジリ貧となり、2009年12月期の年売上高は約145億5900万円に落ち込んでいた。さらに、2009年春から秋にかけて経営者交代をめぐる内紛から業界内で信用不安が囁かれるようになり、一部仕入先が取引継続に難色を示したことや、大口得意先が取引を打ち切ったことなどから2010年12月期の年売上高は約89億4400万円にまでダウン。大幅な欠損計上を余儀なくされ、資金繰りがひっ迫していた。さらに、東日本大震災による消費自粛の影響もあって売り上げは低迷。2011年9月には大牟田支店を廃止し、同11月には福岡市中央区渡辺通から現住所へ本店を移転するなどで打開を図ったが、資金繰りに行き詰まり、2月27日に事業を停止していた。

負債は、債権者約305名に対し約38億6500万円。

株式会社サンロクカン

(株)サンロクカン(資本金1億円、足立区綾瀬4-16-7、代表内田寛氏)は、3月23日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日監督命令を受けた。2012年2月末時点で、金融債務は約30億円。

申請代理人は、後藤孝典弁護士(港区西新橋1-5-11、電話03-3591-7377)。監督委員は、清水祐介弁護士(中央区銀座8-9-11、電話03-3573-1578)。

当社は、1970年(昭和45年)12月創業、72年(昭和47年)6月に法人改組した焼肉店の経営業者。焼肉専門店「平城苑」16店舗のほか、肉料理店「一頭や」2店舗、寿司店「江戸前寿司魚平」、回転寿司店「さかなや魚平」各1店舗の計20店舗を経営していた(2011年12月時点)。焼肉店では主に国産の銘柄牛の肉を使用、比較的高めの値段設定で運営し、他の業態においても素材にこだわった高級料理を提供、2006年3月期の年売上高は約66億400万円を計上していた。

しかし、近年はBSEの影響や安価な焼肉店との競合が激化するなど業界環境が悪化するなか、リーマン・ショック以降の景気後退、個人消費低迷の影響などから、2011年3月期の年売上高は約41億3100万円に減少、3期連続で最終赤字を余儀なくされていた。この間、2008年に新規出店した際の投資負担が資金繰りを圧迫していたうえ、新規出店に伴う資金調達が不調に終わったことなどから資金繰りが多忙化。2009年頃には支払いにも支障を来たし、不採算店舗の撤退や人員削減などのリストラのほか、金融機関に対するリスケ要請などで立て直しを図ってきた。

しかし、今期に入ってからも生肉ユッケによる食中毒事件や牛肉のセシウム汚染問題など市場環境は悪化。事業再建のために今年3月9日に新たに(株)平城苑(資本金100万円、足立区綾瀬4-16-7、代表鏑木順之氏)を設立し、新会社においてすべての店舗営業を行うこととし、旧・平城苑は現商号に変更した。

申請代理人によると、新会社(株)平城苑が民事再生法の適用を申請したものではないため、仕入などの営業債務や賃貸借契約、リース契約など営業に関わる契約関係には一切影響を与えない。また、スポンサーもついたとして、店舗は新会社において平常通り営業している。