推理作家の山村美紗さん急死

山村美紗

 日本ミステリー界女王、山村美紗 (やまむら・みさ)さん=写真= が5日午後4時15分、心不全のため 宿泊先の東京都千代田区内幸町の帝 国ホテルで死去した。62歳。超多 忙、売れっ子作家は絶頂期で絶筆し てしまった。

 山村さんは同日午後2時半ごろ、 ホテルの部屋で執筆中に倒れ、医師 が駆け付けたが、間に合わなかっ た。山村さんは小説現代と週刊小説に掲載する原稿の執筆のた め同ホテルに8月26日から1カ月の予定で長女で女優の紅葉さん と滞在していた。

 2年前に手術した虫垂炎の術部の回復が遅れに加え、持病のぜ んそくもあり、日本医大の主治医が定期的に山村さんを往診し ていた。

 帝国ホテル広報課によると、5日午後9時過ぎに部屋にいた 紅葉さんからロビーのマネジャーに電話があり、マネジャーが 部屋に行くと、室内には紅葉さんと医師がおり、「母が死にま した」と話していたという。その後遺体は午後11時ごろ、紅葉 さんと医者の立ち会いのもとで、山村さん側が手配したベンツ のストレッチャーでホテルを出発、京都市の自宅に向かった。

 ホテル内の急死ということで、警視庁丸の内署に通報された が、同署は「死亡時には医師や家族が立ち会っており、変死事 案には該当しない」としている。

 山村さんは昭和9年8月25日、京都市生まれ。32年に京都 府立大学文学部国文科を卒業後、教職に就き、39年まで京都市 立伏見中学の教壇にたった。  結婚後の42年ごろから創作活動を始め、テレビドラマ「特別 機動捜査隊」の脚本を担当していたこともある。

 46年、「死体はクーラーが好き」が小説サンデー毎日新人賞 候補となり、49年「マラッカの海に消えた」で本格デビュー。 京都を舞台にしたミステリーで若い女性読者から圧倒的な支持 を受けた。山村さんは「トリックの女王」と呼ばれ、映像化さ れた作品も多い。ベストセラーに「花の棺」「百人一首殺人事 件」「鳥獣の寺」などがある。  58年に「消えた相続人」で第3回日本文芸大賞を受賞したほ か、平成4年には第10回京都府文化賞功労賞、京都府あけぼの 賞をそれぞれ受賞している。

 作品同様、私生活ミステリアスだった。昭和60年、仕事場に していたマンションの一室で何者かに後頭部を殴られ重傷を負 う事件も起きている。

 また京都市内にある自宅は作家・西村京太郎氏の自宅の隣に あり、今年1月、西村さんが脳血栓で倒れた時には、山村さんの 二男、真冬さんが発見し西村さんは一命を取り留めている。

 「山村さんはいつも『(西村さんのことを)親友よ』と笑っ てごまかしていましたが2人の関係は謎でした。西村さんが倒れ てからは、近所ということもあってリハビリ中の西村さんを献 身的に介護していたようです」(出版関係者)。

 自宅は同市東山区清閑寺霊山町34の2。葬儀・告別式の日取 りなどは未定。



[9月の芸能ニュース一覧] [過去のニュースへ]