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ドレミファソラシドの定義

音楽には音階という、音の高低を表すものがあります。例えば、「ドレミファソ ラシド」の低い方の「ド」は高い方の「ド」に比べ「1オクターブ高い」という 言い方をします。

\begin{wrapfigure}{l}{14cm}
\epsfxsize =14cm
\epsffile{CG.eps}\end{wrapfigure}

では、その間に入っている「レミファソラシ」はどのような音になっているかと いうと、例えば「ソ」は「ド」の1.5倍の振動数の波になっています。つまり、 「ド」の音が2回振動している間に、「ソ」の音が3回振動します。左の図は、 ド(C)とソ(G)の音と、その二つが重なった音の振動の様子を表したグラフで す。二つの音が重なってできる音(C+G)も、規則正しい繰り返しになります。 どうも人間には、きれいな繰り返しになっている音の重なりがきれい に聞こえるようです。

\begin{wrapfigure}{l}{14cm}
\epsfxsize =14cm
\epsffile{CG2.eps}\end{wrapfigure}

同じように音の足し算でも、振動数がきれいな比になっていない場合はどうなる かを表すのが左の図です。同じ形の繰り返しになっていないことがわかるでしょ うか。このため、合成音がきたなく聞こえることになります。

音楽の重要な要素に、同時に複数の音を出していわゆる 「はもり」をさせる、和音があります。音楽でよく使われる和音は「ド・ミ・ソ」 ですが、この場合、音の振動数の比が4:5:6になっています。

音楽では、ピアノの鍵盤の真ん中あたりにある「ラ」($A_4$という記号で表す) の振動数が440Hzと決められています。

ドレミファソラシドの音の振動数は、昔は下の図のように決められていました。

  ド(C) レ(D) ミ(E) ファ(F) ソ(G) ラ(A) シ(B) ド(C)
低いドを                
1とした 1 ${9\over8}$ ${5\over4}$ ${4\over3}$ ${3\over2}$ ${5\over3}$ ${15\over8}$ 2
時の振動数                
下の音との比   $\times1.125$ $\times1.11\cdots$ ${\times1.066\cdots}$ $\times1.125$ $\times1.11\cdots$ $\times1.11\cdots$ ${\times1.066\cdots}$
(C),(D)などの記号は、ハ長調(Cメジャー)の場合に対応する音です。

このように決められた音階を純正律と言います。純正律の場合、音と次の音との 振動数の比は一定ではなく、3種類あります。

\begin{wrapfigure}{l}{10cm}
\epsfxsize =10cm\epsffile{kenban.eps}\end{wrapfigure}

実際の音楽では「ハ長調」「ヘ長調」のように、「ド」の位置が移動します。ヘ 長調では、ハ長調での「ファ」の音(F)を「ド」に使います。純正律を使って いると、このように「ド」が移動するたびに、楽器の調音をしなおさなくてはい けません。

現在使われている音程は、この純正律を改良したもので、平均律と呼ばれます。 平均律の場合、音の振動数の比は単純な整数比からは少しずれていますが、音と 次の音との振動数の比は2種類になっています。具体的には、下の表のように振 動数を決めています。

  ファ
振動数 261.63 293.66 329.63 349.23 392.00 440.00 493.88 523.26
下の音との比   $\times1.122$ $\times1.122$ $\times1.059$ $\times1.122$ $\times1.122$ $\times1.122$ $\times1.059$

一つ下の音との比が、 $\sqrt[6]{2}=1.122\cdots$ $\sqrt[12]{2}=1.059\cdots$のどちらかになっているに注意してください。大き い方の比のところと小さい比のところを「全音」「半音」という言葉で区別して います。ピアノには黒鍵と白鍵がありますが、黒鍵の部分も含めると12音で1オ クターブとなっています。半音上がると振動数が$\sqrt[12]{2}$倍になるので、 12回半音上がれば、振動数が $\left(\sqrt[12]{2}\right)^{12}=2$倍になるとい うわけです。

平均律では振動数がきれいな整数比にならないのですが、そのかわり変調しても 大きく音がずれるということがなくなっています。だから一つの鍵盤でハ長調で もヘ長調でも弾けるわけです。


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Masahiro Maeno 平成14年3月15日